突然だが、自分はジャンプコミックスと言えばドラゴンボールど真ん中世代でありスラムダンクど真ん中世代でもある。しかしあまり漫画というジャンルが好きだったわけではないのでメジャータイトルは軽く読んできた程度である。ワンピースも空島で断念してしまった。唯一全巻所持しているのは「キングダム」!そんな中年が話題過ぎて社会現象になりつつある「鬼滅の刃」を5巻ほど読む機会があったので古いジャンプ世代からのレビューとしてみていただけたら幸いである。
鬼滅の刃ブーム
昨年あたりから「鬼滅の刃」という名前をよく聞くようになり、紅白歌合戦でも歌手のLiSAさんが主題歌を披露していた。口コミやSNSで面白いよー的な評価を目にするようになりどんな作品なのか気にはなっていた。Netflixでもアニメが見られるようになっていたが、年齢のせいもあり(笑)なんとなく見る気にはならなかった。仕事関係の人間から
「鬼滅の刃の単行本が手に入らない」
という話を聞きびっくりした。漫画の単行本が入手困難なんてことあるのだろうかと。そこまで人気なら少し読んでみてなぜ人気なのか知りたくなってきた。しかも、グッズ販売がされれば転売の的になり即完売になってしまうのだとか。とにかくすごい人気である。
あらすじ
主人公は竈門炭治郎という家族思いの青年。時代は大正時代のようである。人々は人間を殺戮する「鬼」に苦しめられていた。炭治郎もその被害者となり家族を惨殺されてしまう。しかし、惨殺された兄弟の中で唯一瀕死だった妹の竈門禰豆子だけが生き残った。彼女は鬼に襲われたため鬼に変化してしまっているが、完全に鬼になってしまったわけではない不完全な状態だということを炭治郎は知る。そこで、妹を人間に戻すための旅に出る。これが大まかな鬼滅の刃のあらすじである。
竈門炭治郎
主人公の炭治郎のキャラクターであるが、今までのジャンプヒーローズに見られる、
熱血漢、体育会系、声大きめ
みたいな感じじゃないのである。(アニメ版を軽く見たが声は大きく感じないこともないがw)どちらかと言うと草食系男子で静かに闘志を燃やし、分け隔てなくみんなに優しい現代型イケメンなのである。妹想い、家族想い、そしてなんと敵である鬼にまで優しく成仏させる全方位的な優しさを持つ主人公なのである。そうまさに
令和時代の新世代優しいさイケメン
の炭治郎。仲間と共に成長して海賊王になったり、史上最強のサイヤ人を目指す旧来型のヒーローじゃないんだなぁと、そこが一番の昭和からのジャンプ購読者の違和感でもあった。とにかく優しい、もっというと優しすぎる主人公、それが鬼滅の刃の炭治郎なのである。強さとカリスマ性でストーリーを引っ張る
昭和型ヒーロー
は少し古いのかもしれない。時代によって男性が草食化したり悟りを開いたりジョブチェンジする日本において令和時代に求められる男性像も変化していって当然かもしれない。
まだ5巻までしか読んでいなが、複雑な漢字の登場人物、敵キャラクター、鬼殺隊の階級制度(葵、柱)等々独特の世界観と少女マンガさながらの繊細な描画で現代の若者の心を掴んでいるのだと感じた。
映画も公開される予定だそうで、ワンピースを超える市場規模になるのかドラゴンボール、ワンピースのようにジャンプコミックのレジェンドになるのか楽しみな作品である。