輸入車が好きでも好きじゃなくても日本車大国日本でも、その名前をどこかで必ず聞いたことがあるであろうAudi、メルセデス・ベンツ、BMW。実はこの3社は日本車メーカーが群雄割拠する日本において輸入市場というニッチなフィールドで長年に渡りライバル関係にあるのをご存知でしょうか?そんな3社を取り巻く状況やブランディングを輸入車狂でおなじみ私さじゃんが2020年度の状況も折り込みながらお伝えしていこうと思います。
販売台数がとにかく拮抗!
日本で人気のドイツ御三家(BMW、Audi、メルセデス)は日本の輸入車ランキングで上位を争うライバル同士でありテレビCMを含む様々なメディアに露出しそのブランディングを確立しようと必死です。なぜなら、
車離れが進み輸入車への関心も年々減っているから
に他なりません。では輸入車ブランド別で御三家を含め日本で売れているメーカーどこなのでしょうか?JAIA(日本自動車輸入組合)の統計情報を見てみましょう。
メルセデスが台数で抜けているように見えますが2020年上半期は、
メルセデス 25000台
VW+Audi 26295台
BMW+MINI 25271台
といった感じで同じグループ企業を足すとこの3社は日本市場において拮抗した販売台数だったりします。当然、輸入車は”ブランドビジネス”ですからイメージをとても大切にします。地上波のテレビCMですが、3社ともほぼ同じ量のプロモーションしていると考えられ特に22時~時間帯で実際に一回は見た方も多いかと思います。近年はYou Tube広告にも御三家が挟まっている状況あったりします。では、各社どのようなブランディングで日本における販売戦略を進めているのでしょうか?
ポップさのBMW
BMWは団塊世代、バブル世代に好まれてきた印象(笑)。ですが近年は30代前後の若者にも、認知してもらおうと上の様なイメージCMが増えてきたような気がします。簡単に言うと
近年のBMWは「若々しさ」
を売りにしているように見えます。ポップな路線と魅せ方はAppleに通じるところがあるように個人的には見えています。実は生前スティーブ・ジョブズが「我々はPC界のBMWを目指すのだ!」と部下に解いていたとの逸話があるようにクルマづくりやアップデートの点で似ているなと思う部分が多い両者だったりします。MacBookやiMacがで現在のアルミボディでデザインされたのはもう10年以上前で、それ以降チップ的なアップデートはあるもの外観的なリファインは最小限に留まっています。
実はBMWも一緒で代名詞である「キドニーグリル」をフロントの目立つ部分に置きながらデザインを良くも悪くも大きく変えずに、
誰がいつ見てもBMWと分かるデザイン言語
を常に採用しているという点がAppleに似ていると思っています。(Appleに似ているのではなくBMWのフィロソフィーに近いだけですが)
この継ぎ足した秘伝のうなぎのタレみたいなBMWのアップデートは、好きな人には刺さり続けますが新規顧客獲得という点においては難しさもあるのかなと思ったりもします。こんな感じでデザインが大きく変わることが無いと言うのは功罪両面あり、悪い意味で新しさを感じず若い人に訴求しにくいというブランディングがつきまといます。なので、先程のような「若い人が乗ってたらカッコいいよ!」と刷り込むようなCM作りになっていくのです。
先進性とテクノロジーのAudi
一方のAudiは「先進性」を2000年代初頭から打ち出し、どうしてもメルセデス、BMWの後塵を拝するポジションだった過去において猛烈にそのブランドイメージを上げてきた印象です。日本人に根強く残る「Audiは女性が乗るもの」的なやや女性蔑視にも近いような意識をこの20年で大きく変えてきたようなイメージがあります。
BMWと違うのはアウディにキドニーグリルのようなデザインの制限がなく先進性を思いっきりデザインに振ることが出来ます。歴代のA4アバントを見てもモデルごとに大きく変化していってるのが分かるでしょうか?先進性を打ち出すという点ではアメリカのEVメーカー「テスラ」に近いブランディングに思いますが、本家はAudiでありEVにおいてもテスラに奪われたブランディングを巻き返そうと必死にプロモーションを打っているようにも見えます。
AudiのEVブランド「e-tron」女優の柴咲コウさんを起用し、先進的なデザインのEVが都内を疾走する姿はさながら未来の映画のようですらあります。こうした、洗練されたスマホやガジェットのようなクルマこそが現代のAudiが打ち出すブランドイメージだと思いっています。
歴史に裏打ちされた高級志向メルセデス・ベンツ
いつかはクラウンならぬ、いつかはメルセデス。日本人からも概ね好意的に受け止められることが多いこのブランドですがやはり打ち出しているのは、
安心、安全、高級
この3つかと思います。世界最古の自動車メーカー(ガソリン車)としての吟侍を胸に日本においても高級車=ベンツという図式は完全に定着しており指名買いの顧客が一番多いとも言われております。BMWでいう3シリーズ、AudiだとA4にあたるセグメントはメルセデス・ベンツだとCクラスと呼ばれるセダンになります。メルセデス・ベンツもまた「デザインの制約」が無いブランドですのでその変移は時にAudi以上にドラスティックだったりします。
リアデザインこそ共通の言語を感じるものの、フロントはライトが丸くなったり細くなったり結構自由にデザインのが変更されているのが分かるかと思います。しかし、御三家の中で一番中高年に愛されるだけあってあまり若々しい印象を受けるブランドでもありません。ですから、SUVにおいてのブランディングはもう少し若返りを図りたいようにも見えたりします。
ですが、BMW、Audiに比べると地味目のプロモーションに見えてしまいますがよく言えば高級志向なのかもと言えますが。以前ご紹介したメルセデス・ベンツのレストランの若々しいイメージよりは高級志向の路線を踏襲しているようにも見えるのである意味で一貫してるのは素晴らしいかと思います。
輸入車に馴染みがない方でも、可能な限り分かりやすく書いたつもりでしたがいかがでしたでしょうか?どうしてもドイツ車が好きですので次回は御三家の現在の推しを紹介していけたらと思います。さじゃん個人的にはこの3社であればAudi派であることをお伝えしておきますw