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【映画】”えんとつ町のプペル”は大人も子供も楽しめる心が暖まるストレートなファンタジー作品だった

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以前YouTube番組のWinWinWiiinのお話にも登場したキングコング西野亮廣原作のえんとつ町のプペルが映画化され去年のクリスマスから公開がスタートしております。その制作秘話や思いを聞いて是非行ってみたいと感じていたので、密を避けて一人でゆっくりと鑑賞しましたさじゃんです。

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↑の記事も参照していただければ幸いです。一体西野亮廣初の映画はどんな仕上がりになっていたのでしょうか。

原作の絵本は2016年に発売

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実は絵本も持っているのですが、こちらの本はクラウドファンディングで応援したいと言う想いと作画が非常に綺麗だったので2016年に購入しました。キングコングの西野亮廣が絵を書いたり個展を開いたりアーティスト活動を行っているのは知っていたので当時興味本位で買って読んでいました。ストーリーは空が見えないえんとつ町で雲の向こうの空を信じた親子のストーリー。キャッチフレーズの”信じぬけ”とはこの町のみんなが雲の向こうの空を信じない中主人公のルビッチと父親だけはずっと信じていて、その思いを持ち続ければ叶うという子供にも大人にも自分を信じることの大切さを訴える物語です。

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(4年前の本を大切にしていたので汚れがあって申し訳ありませんw)

この町の景色を見た時強烈な既視感を感じました。それ昔ゲーマーだった頃の自分が最も大好きだったファイナルファンタジーシリーズのⅦの神羅カンパニーに支配する街にとても似ていたから。

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どうしても、暗い街+ファンタジー+光の描写となるとこんな感じになってしまうのかもしれませんが。そんなファイナルファンタジーⅦの町並みにも似たえんとつ町で起こるゴミ人間ことプペルを取り巻く展開に街中が翻弄されていきます。人々の志向を統一させる怖さも描きつつどんな状況でも夢を諦めず持ち続ける大切さを大人の僕らは忘れていませんか?と問いかけています。

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みんなに煙たがれるゴミ人間プペル。前回ご紹介したWinWinWiiinの中で作者の西野亮廣”ゴミ人間は夢追い人である”と語っていました。絵本だけを読むとそんな意図を汲み取るのは難しいので本人の口から制作の想いやメッセージが聞けたのは「絵本作家」としては異例のような気がします。絵本とは大人が読んだ時「こんな感じの道徳心を子供たちに持ってほしいのだな」と類推することは出来ても

発信側の意図を正確に聞く機会がない

ので、このえんとつ町のプペルに関してはそういった意味でも異例の作品なのだと思いました。ネットで現在も内容は無料公開されていますので興味がある方は読んでみていただけたらと思います。

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映像化によりスケール感が広がったえんとつ町

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HYDEと蜷川実花のタッグで作られたプペルVer.のHydeの楽曲ハロウィンパーティー。序盤にこの曲がかかり色鮮やかなキャラクターが画面を彩ると動く絵本以上の迫力があり一見の価値があります。海獣の子供という映画を制作したスタジオ4℃という会社が手掛けてるだけあって背景もキャラクターデザインもいい意味で見慣れた日本のアニメーション感もあり作画は美しいなと思わせるものがあります。

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主人公のルビッチは芦田愛菜、プペルは窪田正孝と言う本格的な俳優が声優を務めています。鬼滅の刃の様にプロの声優さんで勝負する作品の対局に位置するキャスティングで、新海作品の様に声優さんをあまり起用しない形のアニメーション映画ということになります。鬼滅の刃でプロの声優の迫力やその仕事ぶりに感動したばかりだったので、今回は作品に入り込めるかなと不安だったのですがやはり

キャラクターが喋っているというより俳優さんが喋っている感

をどうしても感じてしまい個人的にはキャラクターに感情移入はしにくかったです。特に後半オリエンタルラジオの藤森慎吾が声優を務めた「スコップ」という役はキャラクターの見た目も藤森慎吾に似せている感じでしたし、まんま”チャラ男が喋っている感”で重要な台詞が多かったりキーとなる人物なのに喋り方や声に気を取られてしまい個人的にはスコップのキャスティングはいかがなものかと思ってしまいました。早口であの声でまくし立てる感じだと子供ならもっと理解出来ないのではと心配になりました。逆にルビッチの父親役の立川志の輔はラストのエンドロールを見るまで彼と気づかず素晴らしいキャスティングだと思いました。

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優しくて強くて男らしい声の演技がとても合っていて素直に素敵だと思いました。言われて見れば落語家さんならではの届く声なのですが良い意味で自我を抑え演技に徹している立川志の輔は素晴らしいと思いました。↑上記の動画も体調不良が伝えられている立川志の輔を応援する動画なので是非見ていただけたら嬉しいです。ぜひ肺炎から復帰して元気な姿を見せてほしいです。

考えず先入観なく見て欲しい作品

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ストーリーは原作の絵本に概ね沿っていながらもオリジナルのキャラクターやサイドストーリーが追加された編成という感じ。原作には登場しないキャラクターも多数いて若干渋滞気味のキャラクター数でしたが、ピクサーの映画を見るようなそんな気持ちで見てもらうのが正解かと思います。宮崎駿作品ほどプロパガンダ的要素やメッセンジャー的要素が強くなく鬼滅の刃のようにPG12指定で小さい子が見れないという弊害もないので過去にディズニーを倒す!と言っていた西野亮廣の言葉はきっと

ストレートなファンタジーを作りたい

という意味なんだとプペルから感じることが出来ました。実はこのストレートという部分が非常に大事で外面はファンタジー然としていながらも監督や制作の価値観の押し付けやマウンティング満載の作品も意外と多く、ルビッチ頑張れ!プペル頑張れ!と素直な気持ちで鑑賞して後味もスッキリという誰も不幸にしない爽やかな作品と言えると思います。誰も不幸にしない=個性や毒気弱めという等価交換にさらされますが、ディズニーピクサー的で平和な日本映画も日本発ファンタジーがあっても良いように思います。西野亮廣にはぜひまた次回作をと個人的には期待しています。

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