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アリ!?ナシ!?「漫画実写化映画」本当のオススメはこれだ!(後編)

こんにちは、トモGPです。巷に溢れる中途半端な”漫画実写化映画”。日本の映画業界は活気が無いとか若者の映画離れが、、なんて言葉をよく耳にしますが、安易な収益を見込み客をなめ切った作品を乱発すればそれも当然の結果かなぁ、なんて思ったりしますし、素晴らしい作品を撮り続けている人達にとっては足枷以外の何者でも無いでしょう。しかし漫画実写化映画全てが悪いものばかりではありません。というわけで前回に引き続き今回も僕が個人的に大好きな、特にキャスティングにおける”原作愛”に満ち溢れたオススメの”漫画実写化映画”を紹介していきたいと思います!

ピンポン

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ピンポン2002年公開 原作:松本大洋)

原作は松本大による卓球スポ根漫画、改めて調べてみるとこの作品の公開がもう約20年前という事実に驚愕します。しかし今観ても色褪せないのはこの作品もまた「るろうに剣心」同様に”漫画実写化映画”の枠組みを大きく超えた名作だからなのでしょう。卓球スポ根ものという異色のジャンル、さらには松本大洋原作ということでもともと個性の強い作風で、普通の少年漫画にしか馴染みの無い人にとっては少しハードルの高い部分がある作品かもしれません。しかしその内容は超王道の熱血スポ根ストーリー、ハイキューやスラムダンクの様なスポーツ漫画が好きな人からそのジャンルは初見の人まで、誰しもが楽しめる最高にエンターテインメントな作品になっています。僕は基本的に漫画実写化に対してはネガティブなイメージがあるものですから、原作が大好きだったこの作品だけに当時実写化の話を聞いたときには「本気でやめてくれ」と思ったものです。しかしキャスティングとそのビジュアルを見た瞬間その考えは覆りました。では”原作愛”を感じるそのキャスティングを見ていきましょう。

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星野裕(ペコ):窪塚洋介

物語の主人公、正直なところビジュアル面でいえばそんなに大げさなおかっぱのヅラにしなくても良いんじゃない?という気持ちは拭い切れませんが、もともとの主人公の雰囲気や言動などを考えると、いま実写化したとしてもペコ役としては窪塚洋介の右に出る者はいないでしょう。主食は駄菓子、部活は出ない、でも卓球部のエース、天才肌な感じも窪塚洋介の雰囲気に非常にマッチしていると思います。

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月本誠(スマイル):ARATA(現 井浦新)

そんなぶっとんだ主人公の親友スマイル役にARATAこと井浦新、若いとはいえ当時そこそこの年齢だったにもかかわらず劇中ではしっかり高校生しています。個人的に彼がモデルの頃からファンでしたので、役者としてのキャリアがまだ浅かった彼へのこの配役にはビックリしたことを今でもよく覚えています。しかしこれもまたハマり役!クールな装いをしつつも時折感情的になる感じなど、メチャクチャうまくスマイルを演じ切っています。

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風間竜一(ドラゴン):中村獅童

高校卓球界の王者、中村獅童演じるドラゴンこと風間竜一。とても高校生とは思えないありえないビジュアルに眉毛全剃りで挑んだ中村獅童は、じつはこの映画は俳優としてまだ2作目で初の準主役なのです。似てる似ていないというよりも(まぁ激似なのですがw)彼のこの作品への並々ならぬ意気込みをこのビジュアルから感じずにはいられません。しかも本業は歌舞伎役者ですから、「笑止!!」などというセリフが舞台さながら劇中ド迫力に響き渡ります。決して卓球のフォームは綺麗ではありませんが、歌舞伎役者ならではの存在感は凄いの一言です。

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佐久間学(アクマ):大倉孝二

中でも1番似ているのはこの人、大倉孝二演じるアクマでしょう。頭剃って黒縁メガネをかけただけですが、ご覧の通りの激似っぷりw、まんまです。まるで漫画の中からそのまま出てきたみたいです。しかもこのアクマという登場人物は作中でも重要な役割を持っており、ぶっとんだキャラの多いこの作品の中で唯一特筆すべき能力の無い普通の高校生だったりするのです。それだけにこのアクマに関するエピソードは心に染み入りますし泣けます。そのあたりもしっかりと盛り込んであるところがこの映画の良さかなと思います。

 脚本は宮藤官九郎とこれまた癖の強い脚本家ですが、しっかり原作をリスペクトした脚本で、良くも悪くもクドカン色を押し殺したものになっています。そして”原作愛”とは関係は無いのいですが、スーパーカーによる主題歌や、石野卓球やブンブンサテライツといった豪華なミュージシャン達によるテクノな劇中BGMが作品の雰囲気と猛烈にマッチして、より一層雰囲気を盛り上げてくれます。ちなみに主人公ペコが挫折から立ち上がるシーンで流れる曲スーパーカー/Strobolights、僕もランニングの時には欠かすことの出来ない1曲です。

原作ファンであればフォーカスを当ててもらいたい部分もしっかり再現し、結果漫画全5巻を駆け足感も無く見事114分に収めた奇跡的な作品「ピンポン」、キャスティングも含めトータル的にみても”漫画実写化映画”ではナンバー1でしょう。原作ファンはもちろん原作を知らない人にもとにかく無条件でオススメです!

 ハチミツとクローバー

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ハチミツとクローバー2006年公開 原作:羽海野チカ)

最後に紹介したい作品がこちら「ハチミツとクローバー」です。羽海野チカ原作の美大を舞台にした若者の群像劇です。漫画実写化の中でも作品製作において大がかりな衣装やCGなどを必要とせず、作る側としては最も手を出しやすいタイプの作品でそれゆえに結果として微妙なクオリティの作品が最も多いタイプです。しかしこの「ハチミツとクローバー」という映画はキャスティングという点においては他のどの作品よりも最も”原作愛”を感じずにはいられない作品なのです。


「ハチミツとクローバー」予告編

前回も少しお話したように、いくら人気漫画が原作だろうと製作する際には原作ファンだけではなく当然新規の集客のことも考えてキャスティングなどは行いますが、この作品に関しては結果として旬な役者さんは揃えられているものの、どう考えても99%原作ファンに向けてでしょ?と思わずにはいられない製作側のこだわり抜かれたキャスティングが行われているのです。能力値を示すパラメーターの5角形で例えるなら”キャスティング”の部分に全振りしてそこだけどこまでも突き抜けているイメージを持ってもらえると分かり易いかと思います。その位原作ファンに向けて全エネルギーを注いだ作品の様に僕は感じました。ですので原作を知っているのと知らないのとでは評価も大きく分かれる作品なのではないかなとも思います。それでは、製作陣の「どうだ文句あるか?」と言わんばかりの99%原作ファンに向けて考え抜かれたであろうキャスティングを紹介していきましょう!

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花本はぐみ:蒼井優

物語の主人公である蒼井優演じる花本はぐみは小柄でほんわかした少し不思議な雰囲気を持ちつつ、しかしこと芸術に向き合うとなると鬼気迫る一面も併せ持つ美大の女の子。このキャラクター設定だけですでにこの配役がドンピシャであることを物語っています。作中でも見た目の雰囲気だけではなく蒼井優がもともと持っている雰囲気がこれ以上無い程原作の”花本はぐみ”像にマッチしています。観れば観る程この役を演じきれるのは蒼井優しかいないでしょう。

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竹本裕太:櫻井翔

そんな花本はぐみに恋をする同じ美大の同級生竹本裕太、くせ者揃いの美大において唯一の普通の大学生です。演じるのは櫻井翔です。他99%は原作ファンに向けたキャスティングですが、実は残りの1%がこの竹本裕太のキャスティングだったりします。これは僕の勝手な想像ですけど、もともとこの映画は櫻井翔あってのプロジェクトだったのだと思います。ただそれがたまたま偶然なのか、もしくは作品選びの段階で櫻井翔っぽい主人公を持つこの作品が選ばれたのか、とにかく奇跡的にこの”竹本裕太”という普通の大学生のキャラクターが、良い意味で親しみやすい雰囲気の櫻井翔にピタリとはまっています。よくある主演ありきのジャニーズ映画のようにならずに、しっかりと作品に溶け込んでいるのも彼の俳優としての実力なのかもしれません。

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真山巧:加瀬亮

竹本や花本の大学の先輩で、すでにデザイン事務所でバイトもしている少しクールなキャラクター真山巧。バイト先の上司に恋しちゃったり少し擦れた大人な感じとか、もうとにかく見た目から雰囲気から加瀬亮まんまw。いままで紹介してきたキャスティングにおいて僕の中でのそっくり度はダントツでナンバー1です。ちなみにこの真山に恋する竹本の同級生”山田”を演じる関めぐみ、真山が想いを寄せるバイト先の上司”理花”を演じる西田尚美も本当に原作から飛び出してきたかのようなので、ぜひ注目していただきたいところです!

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森田忍:伊勢谷友介

伊勢谷友介演じる森田忍は留年を繰り返す竹本達の先輩、キャラクター的には一番ぶっ飛んでいるが彫刻や日本画など美術においてはただならぬ才能を持っている。竹本同様に花本はぐみに一目惚れをしたり、実は背景にいろいろある魅力的なキャラクターなのだが、残念ながら映画の中ではそこまで詳しく描かれてはいません。そして森田を演じる伊勢谷友介も、実は見た目はそこまで森田っぽくなかったりします。しかし東京芸大出身でモデルとしての経歴もあり、ある意味役者としてもぶっ飛んでいる伊勢谷友介が森田を演じるということは、原作ファンにとっても納得の配役だと思いますし、実際映画の中では、しっかりと森田を演じ切っているのです。

 正直なところこのキャスティングの凄さは原作を知らないとなかなか伝えることが出来ないので、必ずしもこれは万人にオススメの出来る作品ではないかもしれません。しかしこの様な現代劇を題材とした特殊メイクや奇抜な髪型による個性付けも出来ない漫画実写化において、役者のバックボーンも含めこれ程まで丁寧に原作に寄せたキャスティングが施された作品を僕は知りません。ですので時間と手間はかかるかもしれませんが、この作品に関してだけは、騙されたと思ってぜひ原作を読み込んでから観てだけたらと思います。

基本的に漫画実写化映画は好きではありませんがw、この様にたまに大好きな原作が大化けすることもありますので、これからも気になる作品は食わず嫌いをせずに追っていきたいと思います。

長々と2回に渡り最後まで読んでいただき本当にありがとうございます、それではまた!

 

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