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【Netflix】愛の不時着で描かれる”北朝鮮の暮らし”とは本当なのか?【北朝鮮】

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日本でも韓国でも大人気の韓国ドラマ愛の不時着。ラブロマンス要素が強いように感じる方も多いようですが個人的には韓国にとっては戦時中の敵国であり、日本にとっても拉致問題等を抱え国交がない「未知の国」北朝鮮。日本にも過去には弾道ミサイル発射が行われJアラートと呼ばれるミサイル探知システムが作動し朝から怖い思いをしたこともあったように記憶しています。当然日本からも北朝鮮に直行便があるはずもなく中国経由等で非正規に入国することは可能なようですが、外務省は以前から渡航制限、渡航自粛を呼びかけているエリアです。

www.anzen.mofa.go.jp

ですがYouTuberや西村博之氏が首都平壌に旅行に出向き現地の様子を伝える動画がネット上でも見ることができ北朝鮮の一部を垣間見ることは出来ます。

www.youtube.com

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こうした映像の殆どは首都平壌の旅行者が見学することができるごく一部のエリアである意味で”作られた近代化された北朝鮮のイメージ”なのです。平壌以外で暮らす農村の暮らしや鉄道での移動など愛の不時着で脚色された部分はあると思いますが感じることが出来たので今回はストーリーを追うというよりドラマに登場した北朝鮮の暮らしについて見ていきたいと思います。

とにかく電力が不安定

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こちらのシーンは電車で首都平壌に向かう主人公二人だったのですが、途中停電により電車がストップしてしまいます。しかもなんと再開するまでに10時間ほど待たされるとのこと。この時点で近代化された韓国や日本では考えられないのですが、停電した車内に取り残されると寒さが辛いということで乗客はおりて焚き火を始める、そんなシーンなんです。しかも、こちらの焚き火に使う薪や食料は近隣住民が停電で停車することを把握し行商として現れるなんとも商魂たくましい情景も描かれています。愛の不時着を制作するにあたり、脱北し韓国に住んでいる方からのヒアリングを元にリアルな暮らしを描いていると言われていますが”電力供給が不安定”という暮らしがここまで不便で前時代的であることを思い知らされました。昭和の初期のようなノスタルジックな感じもしつつも近代化された日本や韓国に住む我々からすると一見不幸のようにも見えなくはないのですが

慣れるとこうした暮らしが日常となれば不幸とは思わなくなるのかも

と感じたりもしました。

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カマドでご飯を炊いたり調理をしたりお風呂に入ったりと、毎日がキャンプ状態の北朝鮮の農村での暮らし。スーパーマーケットがあるわけでもなく、行商が売りに来る食材や自給自足で育てた野菜を食べたりとメディアで見聞きする平壌での暮らしとだいぶ格差があるようにも感じます。自動車も一部の特権階級の軍人や政治家しか所有することが許されていないようですし、通信手段は有線の固定電話だったりと日本あてはめるとまさに昭和初期の暮らしがそこにはあります。主人公のユン・セリは韓国ソウルの富豪ですからこうした暮らしに全く馴染めないところから物語はスタートします。自分だったらと思うと昭和世代なのでなんだかんだ諦めて馴染めそうな気もしますw

保衛部と呼ばれる秘密警察的な組織が市民を掌握

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主人公リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)を敵視する保衛部将校が物語のキーパソンとして登場し続けます。彼らによって北朝鮮の統制や治安が行われている様子が描かれ宿泊検閲と呼ばれる抜き打ち検査の様子が描かれています。これは不審者や脱北者、反政府組織の取締を目的といて実際に行われてる検査のようなのです。深夜2時、3時に突然家の中を調べられたり取締を受けたりするようなのです。この辺の独裁政権下の統治法はプライバシー保護の観点から我々の国では許されることではありませんが、プライバシーよりも金政権、金王朝の維持が国を維持する大義である北朝鮮においては人民の尊厳は大分軽視されていると言わざると得ません。こうしたシーンを見るにつけ、日本人である自分は非常に嫌な感覚になったのは正直な感想です。基本的人権の尊重という項目を社会の授業で習うのですがこうしたことがきちんと遵守される環境というのは本当に大切なのだと改めて感じました。

平壌はそれなりに近代化している

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これは平壌の高級ホテルで会食をするシーンなのですが、農村での暮らしと比較するとかなり近代化された建築だったり食べ物だったりするように感じます。移動電話(スマートフォン)も普通に(国内専用と思われる)登場しますしPCが登場することもあります。電力の供給が不安定なのは平壌も同じで夜間の会食中に停電になり慣れた手付きで店員がロウソクを配り始めるのはビックリしました。先程のyoutubeの映像でも平壌には地下鉄があったりタワーマンション的な住居も散見され”それなりに近代化している”のかもと感じました。

特権階級は留学や国外への移動も可能?

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こちらの写真は北朝鮮唯一のエアライン高麗航空の機体です。主人公リ・ジョンヒョクもスイスにピアノで留学していた時期があるとの設定であったり、フィアンセのソ・ダンもロシアに音楽で留学しているとのあらすじが登場します。日本は国交がない国ですので北朝鮮からの留学となるとピンときませんが実際にはどうなのでしょうか?韓国の統計資料によるとー北朝鮮でも国家が全て費用を出す国費留学生に加え、個人が負担して外国に勉強しに行く私費留学生が実際にいます。北朝鮮から友好関係にある中国に留学に留学する学生達は毎年400人ほどいて理工系専攻が主に多いとされていますー

つまり北朝鮮の政府としても他国の先進的な技術や国力向上のための留学は認めているようなのであながちオーバーな表現ではないのかもしれません。

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こんな感じで自分は愛の不時着を北朝鮮の暮らしという視点で楽しく見させていただきました。もちろんドラマですから演出や脚色はあるのでしょうが、実際に暮らしたらこんな生活スタイルになるのだと想像しながらの視聴は様々な思いが去来しました。かといってすべてが不幸がとか劣っているということではなく、北朝鮮の人々の生き抜く姿はなにか考えさせれるものがあるのも事実だと思います。農村での暮らしで住民同士が助け合う姿やトラブルが起これば一致団結して乗り越えようとする姿は近代の日本だと見られなくなった情景だと思います。どちらが良い悪いとか正しい正しくないという議論ではなく現代においてここまで違う生活をしている人たちが同じ東アジアにいるということを感じるという点においても素晴らしいドラマだったと思います。

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