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失恋と未練と葛藤の間を表現する「かくれんぼ」と「ドライフラワー」の世界観

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2020年、2021年においてヒットチャートの常連で有り続ける優里さんのドライフラワー。この曲は実は2019年に発表された「かくれんぼ」のアンサーソングとして作られたものだと言われています。ドライフラワーは女性目線の失恋ソングですが、かくれんぼは男性目線の失恋ソングになっています。この2曲の歌詞と曲の世界観は失恋後の微妙な喪失感や後悔と焦りを上手に表現していると個人的には考えており、今回は個人的な考察をお話できればと思っています。

”かくれんぼ”は彼女が出ていった同棲男子の喪失感を描く

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(ここからの考察や恋愛観は私さじゃんの独断と偏見と想像に満ちており、作詞作曲した優里さんに確認したわけではありませんのでご了承くださいw)

かくれんぼとドライフラワーに登場するカップルは付き合って同棲して2~3年ぐらいだったと思います。そんな中両曲を歌詞を見ながら聞くと想像できるのですが、他に好きな人ができたとか浮気とか激しい理由で別れを選んだのではなく

同棲する中で徐々にお互いの心が離れていったカップル

という設定だと思います。2人でたくさんの思い出を作り過ごした部屋に唯一人取り残された彼氏が付き合っていた頃、すごく仲が良かった頃を思い出の品とともに回想しながら未練が拭えないさまを表現していると思います。

~君にもらったタンブラー
自由の女神のイラストも
部屋の隅で寂しそうな顔をしてる~

付き合っていた人と別れた直後は、相手の痕跡を無意識に探してしまいます。

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捨てれば良いのにプレゼントだったり彼女の私物だったりふとした瞬間に

視覚から一気に”良かった頃の記憶”という厄介なメモリーに無意識にアクセス

する経験が皆さんもあるかと思います。そしてかくれんぼで幾度となく登場するサビのフレーズは

~かくれんぼなんかしてないで
もういいよって早く言って
もういいかいその言葉が宙にまう
かくれんぼなんかしてないで
まだだよって焦らさないで
もういいかいもういいかい
グッバイ~

理性では頭では別離を理解しているはずなのに、現状

彼女の居ないこの空間を認めたくない自分が居て

その心の呼びかけを「もういいよ」「もういいかい」と表しているのだと思います。ですが、サビの最後の「グッバイ」は破局した離別したという現状を受け入れている自分が居てそれをもう一度自分に言い聞かせているようにリフレインしているのだと考えています。

~バカだよなわかってるよバカさ
もう君からは僕を感じないんだ
君の頭の中は 満員まるで朝の小田急線
僕が乗り込む隙間なんて ないのかな
ひとりにしないで~

サビ前のCメロでは、彼女の中に自分という存在が居ないことを認識しつつも「ひとりにしないで」という未練と葛藤が綴られています。

時間の経過以外に特効薬のないこの喪失感漂う期間は誰しも経験があるのではないでしょうか?同棲して別れたりするとより「かくれんぼ」の世界観に共感できたりもするかと思います。

自ら別れを告げたものの葛藤を抱える彼女を描くドライフラワー

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かくれんぼのMV同様彼女役としてMVに登場するのはモデルの木野山ゆうさん。今度は彼女目線で破局までの物語が綴られていきます。

~多分、私じゃなくていいね
余裕のない二人だったし
気付けば喧嘩ばっかりしてさ
ごめんね~

同棲していく中で恋愛の形が変化していく中で、彼女の中に違和感が積み重なっていったのだと思います。仕事や恋愛以外の環境で余裕がなくなってケンカになってしまうことは誰しも経験しますが、付き合っているとき感情がぶつかり合っているときは素直にごめんねと言えなかったりするかと思います。そんな自分を冷静に振り返って別れた今

素直に「ごめんね」といえる気持ちになるほど冷静

だということを表していると思います。

~声も顔も不器用なとこも
全部全部 嫌いじゃないの
ドライフラワーみたい
君との日々もきっときっときっときっと
色褪せる~

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先程のAメロの冷静さとは裏腹にサビでは、元カレの事を深く理解し全部嫌いになったわけではないという複雑な葛藤が登場します。しかし、輝いていたいつも嬉しかった付き合っていた日々は色あせていくことをどこかで認識し

当然戻るつもりがないことを「色褪せる」という表現

で区切りをつけようとしているのだと解釈しました。

~あんなに悲しい別れでも
時間がたてば忘れてく
新しい人と並ぶ君は
ちゃんとうまくやれているのかな~

ここでもまた理性的には完全なる決別宣言とも取れる内容が続きますが、不器用な元カレを「人間として心配している」様子も伺えます。

 ~月灯りに魔物が揺れる
きっと私もどうかしてる
暗闇に色彩が浮かぶ

赤黄藍色が胸の奥
ずっと貴方の名前を呼ぶ
好きという気持ち
また香る~

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優里さんの曲の手法はCメロに気持ちをゆらぎを持っていく表現方法で、ラストの大サビに向けての編成が本当に素晴らしいと思います。A,Bメロ&1番、2番と冷静さを保ちこれからの彼を応援するかのような姿勢を貫いていた彼女が、

ありえないぐらい揺らぐ

のです。夜一人になると寂しさや良かった頃の思い出がリフレインしてしまい、無意識のうちに元カレの名前を思い出してしまう。その気持が愛情ではなく寂しさからくる「好き」だという事を認識していてもどうしても少し思い出してしまうという微妙な感情を表していると思います。若い優里さんがこの言葉にすると難しい中間色のような揺らぎを日本語の美しさに乗せて情景を伝えているのが本当に素晴らしと思ったCメロです。

~声も顔も不器用なとこも
全部全部 大嫌いだよ~

結局自分に言い聞かせているように「大嫌いだよ」と元カレとの決別を再度誓う、大ラスのサビでドライフラワーは締めくくられます。好きで長く付き合っていた2人なのですから別れのあとの辛さは女性も男性も一緒なのだ、揺らぐの人間だから当たり前なんだというメッセージを「かくれんぼ」「ドライフラワー」から受け取ることが出来ます。

恋愛とは中間色の感情である

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ここからは実体験を交えたお話ですが、恋愛とは「好き」「嫌い」というデジタル二進法で進まないのが常であり、”好きだけど別れる”もしくは”嫌いじゃないけど付き合えない”のような感情の相反が常に起こりうる不安定さがつきまといます。しかし

その不安定さこそが恋愛という文学そのもの

なのだと考えています。別れたけど、少し後悔してるがまた付き合いたいわけじゃないけれど相手の今が少し気になるみたいな

好きでも嫌いでもない余韻のような感情がこの2曲の世界観

だと思っています。恋愛とは不思議なもので黒でも白でもグレーでもない表現しようのない中間色のような感情を抱くことがあります。今回のかくれんぼでは喪失感と未練が入り交じる男性目線の失恋ソングになっており、ドライフラワーでは過去と決別しようとする力強さすら感じる女性目線の失恋ソングになっていると思います。もちろん、楽曲を制作した優里さんの思惑をすべて代弁できるわけではありませんが、自分の失恋経験や作品の背景をイメージした時すごく共感できる部分が多かったのも事実です。

恋愛の残り香を情緒的に表現したかくれんぼとドライフラワー

個人的には素晴らしい2曲だと思います。MVを見ながら皆さんも過去の恋愛に思いを少しだけ馳せてみるのも悪くはないのではないでしょうか。

 

ドライフラワー

ドライフラワー

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