哀川翔と白龍は俺達のカリスマ!さじゃんです。今日は8/20から封切られた映画「孤狼の血LEVEL2」の公開に合わせて個人的に興味を持った白石和彌監督作品である”日本で一番悪い奴ら”が非常に素晴らしい作品だったので、5年前の作品ではありますが自分のように未視聴の方もおられると思いますので見ていただきたくご紹介したいと思います。今回はNetflixで配信されているのでイージーに視聴できましたw気になった映画をすぐに配信で見られる時代になって本当に良かったなと思います。
原作や史実は北海道警察の不祥事
みなさんは稲葉事件という警察の不祥事事件をご存知でしょうか?
稲葉事件(いなばじけん)は、2002年7月に北海道警察の生活安全特別捜査隊班長である稲葉 圭昭(いなば よしあき)警部(当時)が覚醒剤取締法違反容疑と銃砲刀剣類所持等取締法違反容疑で逮捕・有罪判決を受けた事件である。ーWikipediaー
要約すると現職の警部補が暴力団(反社会的勢力)と手を組み北海道警察や税関も巻き込み”拳銃の検挙を目的とした”末端価格10億円オーバーの覚醒剤の密輸に現職の警部補と警察幹部が関与するとう前代未聞の事件でした。これを映画化したのが今回の日本で一番悪い奴らなのです。主演の綾野剛演じる諸星刑事が実在する稲葉警部補となり、登場人物の名前こそ違えど時系列に沿ってほぼほぼドキュメンタリーとも言える作りになっています。
有罪が確定し、刑期を終えた元警部補の稲葉氏。彼がこの事件に関するインタビューに今年答えています。物語は稲葉警部補が書いた『恥さらし ―北海道警 悪徳刑事の告白―』(講談社文庫)がベースになっており、このインタビューを見ても映画と同じことが語られており白石和彌監督が忠実に再現したことが伺えます。
大量の覚醒剤(なんと120kg)を日本に持ち込もうとした暴力団に与し見逃して対価として200丁の拳銃の検挙ねらったいわばおとり捜査(泳がせ捜査)をやってのけたというもの。事実は小説より奇なりを地で行く、ここまで大胆な悪巧みを現職の警部補や北海道警察がタッグになって行っていたとは俄には信じられません。
そうこの言葉の言うとおり、稲葉元警部補は全て独断でやったのではなく道警全体の期待やそれに答える忖度という形でこのような感じになっていったと語っています。このストーリーをたどっていくと、稲葉元警部補自身も気づかないうちに大きな波に飲み込まれて行ったのだと感じました。
アウトローやらせたら日本一!綾野剛の素晴らしい演技
新宿スワンや闇金ウシジマくんなど、アングラな世界を演じさせたら日本一と個人的に思っている綾野剛が今回の稲葉元警部補役で主演を務めています。自分でも気が付かないうちにだんだんと闇の世界に深入りしすぎて後戻りできないところにまで到達したとき彼が見る景色とは。ぜひ、実際にみて確認していただけたらと思います。
実力は揃いの脇役陣ですが個人的に印象に残ったのは、北海道旭川市出身のミュージシャンYOUNG DAISの好演でした。後にTOKYO TRIBEの主演なども務めますが今作でも圧倒的な存在感で物語のキーパーソンとして最後まで綾野剛の人生に関わり続けます。
孤狼の血/孤狼の血LEVEI2との関連
現在公開中の孤狼の血LEVEL2や前作孤狼の血のストーリーは完全オリジナルであるものの日本で一番悪い奴らの影響を大きく受けたであろう関連性を感じます。
ヤクザと癒着する刑事と葛藤
というテーマは共通しフィクションとはいえ同じ昭和の後期を舞台に物語が展開します。自分はフィクションである孤狼の血から先に見たのでフィクションのほうがストーリー的にはマイルドに感じましたwつまりそれだけ日本で一番悪い奴らの史実に基づいたストーリーのインパクトは凄まじく北海道で孤狼の血を超えるような悪行が行われていたと思うとゾッとします。
白石和彌監督は北野監督のように脇役陣を同じ役者さんを起用する傾向にあると思います。日本で一番悪い奴らでも登場した、ピエール瀧、音尾琢真など個人的には暴力色のやや薄いネクストKITANOそれこそが白石和彌監督なのではと思っています。日本で一番悪い奴らも孤狼の血も現在Netflixで絶賛配信中です。この機会にこの白石和彌ワールドに触れていただくことをおすすめします。
役所広司さんの存在感ある演技も綾野剛さんに負けずに素晴らしいと思いますので是非!