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実話ベースの自伝的サスペンス”ハウスオブグッチ”がファション好き以外にもオススメな良作だった【映画】【Gucci】

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皆さんGucciが好きですか。ミケーレ時代の今のGucciが大好きです、さじゃんです。今日は先日ファッショニスタとしては見るべきと常々勝手に言い聞かせていた映画”ハウスオブグッチ”を鑑賞してきたのレビューしてきいきたい思います。一部ネタバレを含みますので今後鑑賞後に読んで頂けると幸いです。

Gucci一族の歴史をなぞるストーリー

主人公となるのは80年代のGucci創業一家に生まれたマウリツィオ・グッチとその妻パトリツィア・レッジャーニ。この夫婦が時代の波や一族の絆に翻弄されて最終的には悲劇的な最後も迎えるまでのお話です。

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マウリツィオの妻パトリツィアを演じるのは歌手のレディー・ガガ。最近では映画での活躍もめざましく歌手というよりは俳優さんとしての地位も確立しつつある印象です。この写真は現代のレディー・ガガですがハウスオブグッチの世界観になると

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ご覧の通り完全に80年代の貴婦人に!この辺の変わりぶりがレディー・ガガのすごいところかもしれません。

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もうひとりの主役であるマウリツィオ・グッチは、スターウォーズシリーズにも多数参加しているアダム・ドライバーが演じています。

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こちらの写真は現代のアダム・ドライバーですが、

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マウリツィオ・グッチはその眼鏡とヘアスタイルも相まって完全に80年代のアパレル業界人の匂いがしますねwちなみに本物のマウリツィオ・グッチは

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こちら、結構似ていますよねwwwしかし、本物のマウリツィオ・グッチも写真から受ける印象は非常に有能そうであり当時のグッチの屋台骨を支えていたというの納得できる雰囲気を持っています。

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相関図をおさらいしましょう。創業者のグッチオ・グッチはフィレンツェで靴屋として活躍、その後6人の子供を設け3男であるアルドグッチはアメリカやローマやNYでの出店をすすめるイケイケ経営者でしられ、今回の主人公であるマウリツィオの父5男ルドルフォは俳優兼グッチの経営に携わっていましたが病気にて死去。この図で言う三代目世代になって、俗に言うお家騒動(後継者争いが激化)が勃発し最終的には殺人事件にまで発展する過渡期のグッチが今回の映画の時代背景となっています。

グッチとは誰のものなのか

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世襲で経営をつないでいくと”三代目が潰す”なんて名言が日本にもありますが、ハウスオブグッチもまさに同様の流れ。創業者がゼロイチで作り上げたものを、世相や感覚の違う孫世代が駄目にするのはなぜなのでしょうか?

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イタリアと言えばこの人!そう、アル・パチーノです。ゴッド・ファーザーシリーズでおなじみの彼が演じるのは当時のグッチの番頭さんとも言える経営のイニシアティブを取っていった三男アルドグッチ。彼は日本やNYなどの積極海外進出を推し進め、グッチを世界展開し企業価値をあげようと努力します。映画的にもても二代目のアルドグッチは優秀な人物だったとして描かれています。ただ唯一の点を除いては。

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不肖の息子であるパオログッチの存在です。有能なアルドグッチの息子でありながらも経営のセンスはゼロ、しかも自分にはデザインの才能があると信じて疑わず自分のオリジナルラインをグッチから発表しようとします。普通なら梨泰院クラスの長家ばりにドラ息子に継がせる家業を有能なアルドグッチは甥の今回の主人公であるマウリツィオグッチに次期グッチの経営に参加するように促します。

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ここまでは順当な流れでしたが、妻であるパトリツィアの思惑でアルドグッチとパオログッチを追放しようとします。ここでも、有能なパトリツィアはグッチの完全掌握を目指しますが

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血塗られた一族の結末はぜひ映画館で!とさせていただきます。ブランドとは誰のものなのか?経営とは何なのか?家族の絆とは?血の繋がりのない妻と言う立場とは?様々な角度から160分間の長い時間訴えかけてきます。

2時間40分に込められた作り手の想い

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近代の映画にして長い160分にも及ぶ本作。正直長いと感じてしまいテンポの悪い感じもあって映画としては120分ぐらいに収めても良いように感じました。しかし、逆に考えるとこの長い時間をつかって

ゆっくりと一族が崩壊に向かっていく有様

を描きたかったのかなとも言え、見終わった後に感じる空虚感は作りとしては成功しているのかもと感じたりもしました。富や名声があっても満たされない心、嫉妬、裏切り、謀略、ゴッド・ファーザーを見ているかのような世界ですが実話に基づいて制作されていますのでほぼ事実だと思います。

今も生存しているパトリツィアがこの映画に批判的だったことが伝えられていて、マウリツィオを殺害された形になったGucci創業一家も強い口調で不愉快だという表明をしています。描き方見え方によってはSDGsの昨今時代にそぐわない価値観も多数登場しますが、

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登場人物の愛すべきキャラクターもあってどこか最後までファニーな感じに描かれているのも印象的でした、悲劇的なラストの割には。それもひとえに天才的デザイナーであるTOMFORDや現在のグッチのクリエイティブディレクターであるアレッサンドロ・ミケーレのような才能がGucciを再興させて現在ではケリンググループの中核であることも大きいかと思います。

(ミケーレに関しては過去の記事でも触れています)

では、総合的にみてハウスオブグッチと言う映画の評価はというとボヘミアン・ラプソディみたいに偉人の半生を描きながら聴衆に何かを訴えかけるメッセージ性は強くなく、個人的には80年代のファッションであるとか車であるとか空気感を存分に感じることが出来たのでいい映画だったと思います。巨大スクリーンじゃなくても単館系といえば単館系シネマとも言えるので配信を待っても良いかも知れませんが、Gucci好きファッション好きならオススメできますw