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【Netflix】韓国ドラマ「その年、私たちは」その人気の秘密を考察してみた(ネタバレ無し)

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振り返ると恋愛モノ作品のレビューが多いトモGPです。というわけで今回も恋愛ものです、韓国ドラマ「その年、私たちは」昨年2022年の12月から年明けの1月にかけて韓国で放送され日本ではNetflixでほぼ同時に配信された人気韓国ドラマです。Netflixに加入している方であればそのタイトルを一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

その年、私たちは


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ストーリー

学生時代(高校)に撮影されたドキュメンタリーが話題になったことをきっかけに5年ぶりに再会することになった元恋人同士のチェ・ウン(チェ・ウシク)とクク・ヨンス(キム・ダミ)。散々な別れ方をした二人が再会し、周囲の人達を巻き込みつつ過去を振り返りながら自分の気持ちに改めて向き合っていくラブストーリーです。

主要登場人物

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チェ・ウン(チェ・ウシク)

新進気鋭の人気画家、裕福な家庭に生まれ育ち非常に穏やかな性格をしているが学生時代の成績はビリ。主演を務めるチェ・ウシクは韓国系のカナダ人俳優、アカデミー賞で話題となった映画”パラサイト半地下の家族”をはじめ数多くの作品に出演している人気俳優です。シリアスな役柄の多い印象ですが今作では非常にのんびりとした雰囲気の主人公を演じています。

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クク・ヨンス(キム・ダミ)

広告代理店に勤務する部署のチーム長、両親はいなく祖母との二人暮らし。チェ・ウンとは対照的に決して裕福な暮らしではないが学生時代の成績はトップという一面を持つ。主演のキム・ダミといえば思い出すのはやはりTVドラマ”梨泰院クラス”で演じたチョ・イソです。凛とした佇まいでクールな人物のイメージは今作でも通ずるものがありますが、今回演じるクク・ヨンスのほうがより感情的で女性らしい印象です。

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キム・ジウン(キム・ソンチョル)

上の二人の同級生でチェ・ウンとは幼少期からの幼馴染、学生時代のドキュメンタリー製作で映像製作に興味を持ち現在はテレビ局に勤務するプロデューサー。複雑な家庭環境にありながらも前向きに生きる二人の良き理解者、この他にも登場する人物達を繋ぐキーパーソンでもあります。

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この三人の登場人物を中心にストーリーは進行します。そこまで期待せずに見始めた作品でしたが気づけば毎週配信を心待ちにするほどハマってしまい、ついには韓国版のサントラBoxまで購入してしまうほどにw。そんなふうに自分以外にもハマってしまう人が続出したこの作品、果たしてその魅力は一体どこにあるのでしょうか?

魅力的な3つの要素

なかなかのトンデモ設定

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学生時代優等生だったクク・ヨンスと落ちこぼれだったチェ・ウンの二人に密着したドキュメンタリーが数年後にネット上で再び話題となるところからストーリーは始まるのですが「そもそもそんなことってあるの?w」というのが第一印象でしたw。そんなドキュメント聞いたことも無いですし(韓国ではあるのでしょうか?)若干物語の展開が読めてしまうような強引な前振りだなぁと思って始めは見ていました。しかしそのトンデモ設定が物語の肝となる要素ですので見進めていくうちにその違和感は消え去り無くてはならい様に感じてくるからあら不思議、その頃にはもうすっかりこの作品の虜になっていましたw。

ゆったりとしたテンポで進むストーリー

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今作は1話60分の全16話と韓国ドラマでは平均的な話数ではありますがやはり”全16話”となると日本人の我々にとっては”そんなにあるのか”と感じてしまいます。しかし話数が多いからこそ物語に深味が増しますし見終わった後のロス感も強くなりそれだけディープなファンも生まれるのでしょう。ハマってしまうと見進めていくうちに16話じゃ足りなく感じてしまうのも韓国ドラマの恐ろしいところですw。今作のストーリー自体はゆっくりとしたテンポで進み登場人物も多くはないので各話ごとに一人一人各登場人物のパーソナリティが丁寧に掘り下げられていきます。日本のドラマのように詰め詰めの展開に置いていかれることもなく、構えずとも自然とストーリーが頭に染み込む様に進行しますので男女関係なく全ての登場人物に感情移入してしまいます。

少女漫画の王道パターンにバチンと当てはまる展開

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国も違えば見たことのない設定なのにどこか懐かしく、そしてどこかで見たことがあるような気付けば大ハマりしてしまったこの作品。この既視感は果たしてどこから来るのだろうと思っていましたが途中であることに気づきました。それは、

このドラマの展開は学園モノ少女漫画の王道パターンそのもの

だということです。

正に往年の矢沢あい先生に代表され今も脈々と受け継がれている学園モノ少女漫画の王道パターンとは、

・主人公が優等生と不良(極端に異なるパーソナリティ)

・複雑な家庭環境

・学生生活における様々なイベントを経て深まる仲

 ①入学式

 ②体育祭

 ③夏祭り

 ④文化祭

 ⑤修学旅行

 ⑥卒業式

・そしてその後

という流れに沿ってストーリーが進行することです。

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詳しい内容には触れませんが、つまり心の離れた二人が再び近づくためのしかけやイベントが学園生活ではなくとも少女漫画の王道パターンそのものなのです。自分達が昔から慣れ親しんだパターンですからそりゃハマってしまいますし、もちろんそれが悪いと言っているわけではありません。いやいやトモGPよ、国に関係無く恋愛モノのストーリー展開なんて大体そんなものでしょ?と言われたら確かにその通りかもしれません。しかし今作を見ていただいた方ならおわかりいただけると思いますが、日本も含め最近の心理描写や演出に凝りすぎてカッコばかりつけてる作品が多いなか、ここまで展開をオブラートに包まず驚くほど王道な感じで進むストーリーはなかなか無いですし本当に心地良くストレートに心に響くのです。新しいけどどこか懐かしい感じがするのは正にそこだと思いますし女性を中心に人気があるのも非常に納得ができます。

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ただ残念な点も少々あり、16話もあるのにゆっくりし過ぎたせいか最終回の詰め込み過ぎ感が否めなかったりキャラ的にもまだまだ掘り下げて欲しい部分も感じたのは少し勿体無く思いました。しかしそれでも面白いことに変わりはありません、話題の俳優が出演していたり画作りもキラキラしていておしゃれ、何より見終わった後にここまで清々しい気持ちになれる作品はなかなか無いのではないでしょうか。性別も年齢も関係なくオススメしたい作品「その年、私たちは」みなさんもぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。

 

追記:本文中にて「そもそもこんなドキュメントはあるのか?」と私トモGPは書きましたが、その後我が本能ブログ韓国人デザイナーであるSILVERからの情報によりますと、なんとこの作品は実際にあった話をモチーフに描かれているということが判明しました!EBSという韓国の教育番組の企画で、優等生と不良が一緒に生活をすることでお互いにどの様な影響をもたらすのかを観察するドキュメンタリーで実際の番組は男子校を舞台に撮影されたものとのことでした。ドラマにするために設定を男女に変更してはいるものの実際の不良生徒も「その年、私たちは」のチェ・ウン同様に絵が非常に上手だったとのことです。2022.04.18


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