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是枝裕和監督の韓国映画「ベイビー・ブローカー」を一足先に韓国ソウルで韓国人の自分がみた感想。【ネタバレ無し】【カンヌ映画祭】

皆さん、韓国映画は好きですか?ソウル出身ソウル在住のデザイナーSilverです。そんな私は日本語を独学で覚えましたが、(外国語の勉強の方法はまた別の機会にご紹介します!)その時、勉強のために字幕なしで日本映画を見ながら会話の練習をしていましたので日本映画が大好きでした。今回ご紹介する是枝裕和監督の作品もたくさん見てきました。

日本出身の是枝裕和監督がディレクションする韓国映画【ベイビー・ブローカー】

是枝裕和監督は韓国の俳優さんとも作品を制作しているので韓国内でも有名ですが、
そんな是枝裕和監督が今回はキャストから投資・制作まで100%韓国の資本で映画を作ったという珍しい形の制作スタイルで当初から韓国内でも話題となっておりました。今回ご紹介するベイビーブローカーですが「75回カンヌ国際映画祭」で受賞してもっと期待が深まりました。タイトルは【ベイビー・ブローカー】

日本では6/24公開予定ですが、韓国はいち早く公開してましたので映画館へ行ってきました。

 



韓国の映画館ですが、プレミアムシートで予約!
座席はリクライニングシートでしたので足を伸ばしたりすごく楽な体制で見れました。
ラウンジは人が少なかったですが、プレミアム館だけのトイレだったり、メニューがあるので今回はラウンジ利用で観覧してきました。

韓国映画でも珍しい豪華なキャスト


 キャストもパラサイトのソン・ガンホ、カン・ドンウォン、イ・ジウン、ペ・ドゥナまで!すごい豪華なキャストで公開前から期待してました。

古びたクリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョン(ソン・ガンホ)と、〈赤ちゃんポスト〉がある施設で働く児童養護施設出身のドンス(カン・ドンウォン)。ある土砂降りの雨の晩、彼らは若い女ソヨン(イ・ジウン)が〈赤ちゃんポスト〉に預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る。彼らの裏稼業は、ベイビー・ブローカーだ。しかし、翌日思い直して戻ってきたソヨンが、赤ん坊が居ないことに気づき警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく白状する。「赤ちゃんを大切に育ててくれる家族を見つけようとした」という言い訳にあきれるソヨンだが、成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出ることに。
ーTOHOシネマズ

どの国も抱えてる社会問題を芸術の目線で表現した作品

ネタバレになりますので公式以外の内容に関しては書かないですが、個人的にはストーリーやカメラワークは是枝裕和監督映画の雰囲気なのにオール韓国語、オール韓国ロケで日本人監督なのに韓国映画という不思議な世界観でした(笑)

是枝監督はいつもアングラな社会問題について映画化し、それを表に出す作風が持ち味ですが今回も良い意味で”抑揚のない静かな雰囲気”で最後まで表現していましたし、一般社会において接すること内容な低所得者だったり、貧困層の暮らしや価値観にフォーカスした作品が多いから個人的には今回のベイビーブローカー好きだなと。


公開前から注目された作品でしたが今年のカンヌ国際映画祭で主演だったソン・ガンホはこの映画で主演男優賞を受賞、映画はエキュメニカル審査員賞を受賞しましたので日本をはじめ韓国国内のみならず国外からも今後上映のオファーが出てくるかと思います。主演のソン・ガンホは受賞のスピーチで”偉大な芸術家、是枝裕和監督にとても感謝します”と監督へのリスペクトを伝えていました。日韓は政治的、歴史的には微妙な摩擦関係にあったりすることもありますがエンタメ分野ではとっくにそんな垣根など無いようにに感じます。こんな国境の乗り越えたコラボレーションは韓国人として嬉しいですし、もっといい作品を見れるのでこれからも楽しみです。

↑ディレクション中の是枝裕和監督

写真:Daum映画
https://movie.daum.net/moviedb/main?movieId=144096

カンヌ受賞というブランドだけではなく、生きること、子供の価値など様々切り口で語りかける社会派のいい映画だと思いました。是枝監督の映画が好きな方もそうでない方も異色の韓国映画をぜひ映画館で見て頂けたらと思います。