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実録!ノンケの自分が間違ってハッテン場に迷い込んでしまった話【体験記】【コラム】【LGBT】【新宿二丁目】

みなさんこんにちは、トモGPです。今回はいつものレビュー記事などとは少し趣向を変えまして、つい先日自分が経験した出来事について色々と思うことがありましたのでそれについて触れていきたいと思います。

ハッテン場とは?

いきりなりディープな話題になりますが、みなさんは”ハッテン場”という言葉をご存じでしょうか?

ハッテン場とは男性同性愛者の出会いの場所のことで、漢字では”発展場”と書きます。かつては男性同性愛者にとって出会いの場は殆どなく、ゲイバーといわれる店はあっても女装男性が異性愛者に接客するバーが全国に数店舗ある程度でした。そのためゲイ男性にとっては「出会いの場所」が必要とされ、自ずと発展場ができていったとされています。

Wikipediaより

今回のブログはそんなハッテン場にノンケ(非同性愛者)の自分が迷い込んでしまった話です。

出張先の地方都市での出来事

過去記事にもあるように自分は神奈川県の横浜市を拠点とし生活をしていますが、地方への出張が多く出先ではよくビジネスホテルを利用します。自分は毎回出張が決まると大体2週間ほど前に出張先の宿を押さえるようにするのですが、まれにどこの宿も全く空いていない場合があります。地方都市ではよくあることだと思うのですが、某ジ◯ニーズ系のアイドルのライブイベントなどが行われるとこの現象が起こるのです。周辺の地域からその都市にファンが大挙して訪れるわけですから、そのライブ前後の街中の宿は当然何ヶ月も前から押さえられてしまっているのです。自分は週末に出張することが多いのでよくこのケースに出くわします。しかしジ◯ニーズ系のアイドルのということはその観客はほぼ全員が女性、つまり通常のホテルなどは満室でも男性専用のカプセルホテルなんかは大抵空いているわけです。

ところが先日、同じ様な状況で街中の宿が全滅していたのでいつものカプセルホテルを押さえようとしたらそこも満室という事態がおこりました。ちょうどお盆と重なってしまったのです。盆とジ◯ニーズ、しかも週末の土曜日とというコンボはなかなか強力でキャンセルもでなければラブホも満室といった危機的状況でした。いよいよマズいなと思っていたところその街中のある一件のホテルを思い出したのです。ただ少し躊躇もしました、それはなぜかと言うととにかく圧倒的にボロかったからです。なんなら前を通るとうっすら電気はついているものの人の気配も無く実際に営業しているのかもわからないほどです。ただもう状況的になりふり構っていられないので、藁をもつかむ勢いでホテル予約サイトを検索しました。

しかしそのホテルはどこの予約サイトにも掲載はされておらず、最終的にたどりついたそのホテルの古いテイストのホームページにもオンライン予約ができるようなページは見当たりませんでした(この時点で怪しむべきだったのですが、)。しかし電話番号は掲載されていますので恐る恐る電話をかけてみると電話口に物静かな中年男性と思われる受付の人の声が。そして宿泊をしたい希望の日時を伝えると「空いています」とのこと。こうして無事に部屋を押さえることができ、とりあえず一泊だけなので寝床が確保できただけでもラッキー!と当日を迎えました。

そして思いもよらない展開に

宿泊日当日、仕事を終え21時過ぎに問題のホテルに到着しました。そこはまるで廃墟の様な相変わらずインパクトのある外観でしたが、意外と中に入ってみればそうでもないのではないかと自分は高を括っていました。ところがそんな思いもあっけなく打ち砕かれ、中に入ってみると外観同等かいやそれ以上にボロい内装が。とにかく古くてボロくて暗い、度肝を抜かれしばらくオロオロしていた自分に追い討ちをかけるように、受付のくたびれた感じの初老の男性から衝撃的な事実が告げられたのです。

「あぁ、お客さんご存じ無かった、ここゲイの人たち専用の宿なんですよ、、、。」

「え?ハッテン場ってことですか?」

「そう、たまにお客さんみたいに知らないでいらっしゃる方いるんですよ、、、。」

まいりました。

しかしここから新たに宿を探すのも大変だしまず空いていないでしょう。とりあえず宿泊するだけなら特に問題は無いということなのでそのままチェックインすることに。ただし地下のサウナは”出会い”の場なのでその気が無いのであれば入らない方が良いというのと、”部屋に入ったら鍵をかけ表に出なければとりあえず大丈夫”という何とも不安しか残らない様な注意を受けて部屋に案内してもらいました。そしてもう驚く事も無いだろうと思っていましたがその部屋に入り、三度度肝を抜かれることとなったのです。

6畳も無い縦長の狭い部屋に古く汚い絨毯に直に敷かれたせんべい布団、

トイレも洗面所も無く古い鏡面台と小さなテーブルが置いてあるだけ、そして何よりキツかったのが部屋に充満するカビの匂い。ハッテン場云々という問題は置いといて、単純に宿泊施設としてありえません。東南アジアの安いゲストハウスの方がまだましなレベル、日本昔ばなしの様に狐か狸に騙されているのではないか?と本当に疑った程です。

お風呂場で相手を見つけて本当にただ”行為を行う”だけの部屋なのかなぁと思うとなんだか複雑な気持ちになってしまいました。しかもあとで知ったことですが自分が予約した土曜日は毎週パーティ的なことが行われ、更ににここを利用するお客さんは比較的性に対してオープンだということです。なるほど、”部屋に入って鍵をかけていれば大丈夫”という受付のおじさんのアドバイスはそういうことだったのです。しかし納得している場合ではありません、風呂には入れないとしてもトイレはどうにもガマンすることはできないのです。部屋からは出たくないところですが表のトイレを探しに部屋から出てみることにしました。

ここで予めおことわりをしておきますが私トモGPはノンケですが同性愛者に対して全く何の偏見もございません。何でしたら幼馴染にゲイの友人がいますのでむしろ普通の人よりも理解は深い方だと思います。しかしここはハッテン場、知らずに予約してしまったとはいえ、もし向こうが自分をノンケだと知らずにアプローチしてきた時にその事実を伝えたとしたら、向こうに対しても失礼ですし何よりトラブルにもなりまねません。トラブルはごめんです、なるべく足音をたてないように部屋から出てトイレへ向かいました。

非常口の誘導灯に照らされたボロボロの内壁はもはや犯罪組織のアジト、刑事ドラマでは登場人物が拉致されて閉じ込められる様な建物です。

どうやらトイレは階下もはや気分はバイオハザード、人の気配が全く無いのが逆に怖いです。

無駄に広いトイレも不気味ですが、故障しているのかウォシュレットの水が止まらないのが一番困りました。止めるボタンが全く効かず最終的に乾燥ボタンを押すことで解決しましたがこの時は本気でドッキリか何かかと疑ったほどです。

結局ホテル内では受付のおじさん以外にお客さんに会うことはなく翌日早朝にチェックアウトしました。

日本では理解の低いセクシャルマイノリティ(LGBTQ)

今回の経験を経てまずはホテルの衝撃的な汚さもさることながら、性における考え方であったり同性愛に対する認識がこのホテルの中では完全に昭和で止まっている感覚を覚えたました。そしてそれはやはりとても健全的とは言い難く、だからといって風俗産業のようなどこか突き抜けた開き直り感みたいなものがあるわけでもありません。上手く表現できませんがどんよりと澱んだ空気といいましょうか、特に受付のおじさんから感じた”同性愛に対する後ろ向きな感情”が非常に印象的でしたし貴重な体験だったと思います。

インターネット社会による変化

誤解を恐れずに言うのであれば過去(厳密にいつと期間を定めるのは難しいですが)においてこのような性的マイノリティの話題というのは、当事者以外の多くの人にとっては”見て見ぬふり”をしてきたテーマだと思います。しかし現代のインターネット社会においてLGBTQの話題というのは決してクローズドなテーマではありません、むしろ誰でもアクセスすることができるオープンなテーマになったと言えます。

yaruki-arimi.com

”出会い”に関してもテクノロジーの進化によりスマホ社会となった現代では”出会い系アプリ”というカテゴリーも確率され、そしてそれはゲイの世界においても同様で”出会い”というハードルは過去と比較してグッと下がったといっても過言ではないでしょう。ただ全ての人がそこに辿り着けるとは限りませんし、仮にたどり着いたとしても特に年配の方であればあるほど凝り固まった認識を変えるというのはなかなか困難であり、そしてそれは当事者達にとっても当然そうであると思われます。そう考えると今回自分が迷い込んでしまったようなハッテン場のような空間は、衰退しつつもまだまだ需要がある世界なのかもしれません。

小さくても一歩前へ

世界的に性の多様性が求められる現代社会において我が国日本は圧倒的に後進国、今回の出来事は正にそんなことを象徴するかのような体験でした。良くも悪くも島国である日本特有のガラパゴス状態を身をもって実感することができました。

news.yahoo.co.jp

昨年のトピックですがこの様に、そもそもこの議題の内容自体がこの国のLGBTQ(性的マイノリティの総称、最近ではLGBTQIAとも呼ばれる)の人々の権利に対する認識が圧倒的に低いことを浮き彫りにしています。しかしこういった議題が国会で取り扱われる様になり、そして公のメディアでしっかりと報道されるということに関しては、遅ればせながら日本も大きな一歩を踏み出したといっても良いのではないでしょうか。

日本に限らず世界的にもクリアしなければならないハードルは山ほどありますが、より多くの人達がこのテーマに触れ正面から向き合い、問題としてとりあげることがこの先の未来に向けて何よりも大切なのだと思います。

今回記事を書くにあたり、LGBTQや同性愛に関する資料を調べたりすることで、自分の中でもこのテーマについて以前よりも見識を深めることができました。しかしそれでもまだ考えが至らなかったり配慮の欠けている部分や表現があったかもしれませんがご容赦ください。