基本アニメは抵抗あります、さじゃんです。今日は日本のみならず何故か世界のチャートでランクインしているYOASOBIの新曲「アイドル」。YOASOBIに関しては過去にもブログに取り上げYOASOBI公式のTwitterにも取り上げて頂いた過去があります。
個人的にも大ファンのYOASOBIなのですが今回の楽曲を最初に聞いたとき歌い方や声質があまりにいつものikuraさんっぽくなくて別人が歌っているのかと思いました笑
明るくアッパーな感じはいつものYOASOBIでありつつもAメロはどこか影があり陰と陽を行ったり来たりする転調も多めな令和のテクノサウンドは個人的には大好きです。アニメ推しの子のキャラクターあいを描くPVですが、物語を感じさせるダークな部分も織り込まれており匂わせ感はたっぷりです。番外編ですが、プロのダンサーさんが楽曲の制作に参加された動画が非常に面白いのでこちらもオススメです。
そして個人的に非常に面白いと感じた実は原作小説である「45510」は無料で読むことが出来、実はアニメに抵抗がある自分はこちらを先に読みました。
グループアイドルのメンバー間の嫉妬を描く原作
自分は男性ですが女性アイドルに夢中になったことがないので所謂”推す”という感情は理解し難いところがありますが、ファンの方に推してもらうための努力であったりグループアイドルならではの格差を赤裸々に原作小説は描いていると思います。
ー私は、「アイ」が大嫌いだった。
私にとって、B小町の活動は決して楽しいだけの物ではなかった。
勿論、芸能界に入って大勢のタレントと出会い、あこがれだった人と食事に行ったり、
テレビに出て注目を浴びたり、どこに行っても割ともてはやされて、楽しかった。
けれど、楽しかったのはそういうプライベートの事であって、B小町の活動自体が
楽しかったかというと疑問が残る。ー45510より
B小町というアイが所属するアイドルのメンバーの視点で描かれる45510。彼女の振る舞いや人気、アイドルとして10代を捧げるというのはどういう事なのかを割りと”負”の部分として描いています。
ー勿論理解はしている。
アイが居なければ私たちは売れなかった。
アイが居なければ地下アイドル止まりで、あそこまでの脚光は得られなかった。
だからといって感情は納得しない。ー45510より
マイナーなアイドルがメジャーになるためにはインフルエンス出来るメンバーが必要で自分はアイの付属品のような立場だったと吐露する一節。これは完全にフィクションだとは思えず綺羅びやかに見える日本や韓国のアイドルにあってもこうした格差は実際にあるのだと思います。
アニメはコミックを映像化
今回のYOASOBIが主題歌を務めるアニメ「推しの子」は45510が原作でありながらも、発売中のコミックを映像化したものだそうです。テレビ放送とともにNetflixを始めとした各種配信サイトでも配信が始まっております。
【あらすじ】
「推しの子」は、主人公・ゴローが田舎の産婦人科医として働く様子から始まります。彼は人気アイドルグループ「B小町」のセンター・星野アイの大ファンです。ある日、ゴローが働く病院に妊娠したアイが現れ、彼はショックを受けるものの、彼女をサポートすることを決め、出産に立ち会うことになります。しかし、アイの出産予定日にゴローは何者かに襲撃され、命を落としてしまいます。目を覚ますと、彼は美しい女性に抱かれており、なんと彼はアイの息子に転生していたのです。物語は、ゴローがアイの息子として生まれ変わり、彼女をサポートする立場からアイドル界の裏側を垣間見ることになります。この物語は、芸能界のリアルな姿を描くとともに、サスペンス要素も交え読者が予想できない展開が続きます。
絵のタッチからすると自分のようにアニメが嫌いな方はアレルギーを起こすかもしれませんがお話的には、
異世界転生アイドル版東京リベンジャーズ
だと思います笑 アイが生んだ双子の忘れ形見であるルビーとアクアを中心に物語が展開しますがアイが現役アイドルだった頃と現代の時間軸が交差し物語は進行しています。
「推しの子」は、アイドル界のリアルを描くだけでなく転生という異色のテーマを取り入れた物語で東京リベンジャーズのように記がつたら続きを観てしまう系の作品だと思います。物語の中で登場人物たち(母親のアイ、子供のルビーとアクア)が芸能界での生き残りをかけて戦い、恋愛や友情、ライバル関係などの葛藤が描かれており残酷でリアルで刺激的なストーリーが展開されています。主人公・ゴローがアイの息子(アクア)として転生しその視点から芸能界の裏側を見ることで読者にも現実の芸能界への理解が深まります。
東京リベンジャーズさながらにサスペンス要素が加わることで自分のようなアニメにアレルギーがある層へのアプローチも可能にしており、今回の楽曲とアニメの大ヒットに繋がっていると思います。「推しの子」のキャラクターたちは魅力的で彼らが抱える苦悩や成長を共感し応援したくなるような(これこそが推しなのかもしれませんが)描写が施されています。アイドル界で成功を目指す彼らの努力や、現実と夢の狭間で揺れる姿はフィクションでファンタジー要素が強いとは言え観ているものに勇気や希望を与えてくれる部分があるような気がしています。作品にはユーモアも散りばめられており、シリアスなシーンとバランスが良く取れています。ゴローがアイの息子に転生したことによる、コミカルなシーンも作品の魅力のひとつです。
最後に様々な角度からこの作品を観てみると今回のYOASOBIの楽曲の素晴らしさとテーマ性にそった作品作りが素晴らしいと思います。作品に合わせて楽曲を作るというテーマにおいてはOfficial髭男dismもそうした部分も持ち合わせていますが、
ユニットの成り立ちそのものがYOASOBIの場合は原作小説や原作ありきなので歌詞や曲に重ね合わせると言う意味では日本で一番のような気もします。みなさんも食わず嫌いせずぜひ原作小説から読んでいただけたらと思います。