アンニョンハセヨー!
ソウル出身で東京在住のデザイナーSILVERです。
ソウルの美大を卒業して東京で働いてるデザイナーですが、最近デザイナーの中でも話題になっている映画「ルックバック」を見に行ってきました。正直に言いますと、私は日本制作(韓国制作も)アニメーションをあまり見ない人でした。
ですので、今回は誘われるまま事前情報全くないまま上映時間も短いから軽い気持ちで映画館に足を運びました。
2021年に「少年ジャンプ+」にて公開されると、著名なクリエイター陣をはじめとした数多くの漫画ファンの間で話題を呼び、「このマンガがすごい!2022」オトコ編第1位にも輝いた本作。
本作は、漫画家として非常に有名な「藤本タツキ」先生が手掛けています。漫画「チェンソーマン」で知られる藤本先生の作品で、表情や動きの繊細さが特徴的な漫画の雰囲気が今回の「ルックバック」にもよく表現されていました。映画やアニメーション化されると作風が変わることがよくありますが、漫画の雰囲気をそのまま表現できたのはディレクターの押山清高さんの実力ですね。
ストーリー
学年新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。クラスメートから絶賛され、自分の画力に絶対の自信を持つ藤野だったが、ある日の学年新聞に初めて掲載された不登校の同級生・京本の4コマ漫画を目にし、その画力の高さに驚愕する。以来、脇目も振らず、ひたすら漫画を描き続けた藤野だったが、一向に縮まらない京本との画力差に打ちひしがれ、漫画を描くことを諦めてしまう。しかし、小学校卒業の日、教師に頼まれて京本に卒業証書を届けに行った藤野は、そこで初めて対面した京本から「ずっとファンだった」と告げられる。
漫画を描くことを諦めるきっかけとなった京本と、今度は一緒に漫画を描き始めた藤野。二人の少女をつないだのは、漫画へのひたむきな思いだった。しかしある日、すべてを打ち砕く事件が起きる…。
まず私はストーリーから何か懐かしさを感じました。小学校やクラスの中では必ず絵が上手な子が一人はいて、かなり注目されがちです。自分より絵の実力が高い人がいると泣いたり挫折したり、ずっと描き続けたりするものです。一人で絵の勉強を始めると、作風やアドバイスをくれる人がいないので自分の世界観を完成させるのが大変ですが、その練習を重ねてアーティストになるという経験をしていたので(ソウルでも有名な美術大に入学できたました)、「そうそう、そうだったな」と共感しながら見ていました。
若い子たちが登壇するというのはとても夢のような話かもしれませんが、世の中には私たちが想像もできないくらいの天才が存在しています。努力家の藤野と絵の天才の京本。この少女たちのチームは最強ですね。
映画館の観覧客がたくさん泣いていましたが、私SILVERは意外と平和に商店街で遊んでいるシーンでうるっときました。私は中学校から美術を始めてずっと一本道でしたが、学校が終わって友達とよくあんな感じで絵の話や漫画の話をしながら遊んでいたなと懐かしい気持ちになりました。ストーリーは「漫画」という二人の共通点から、それぞれ自分の夢を探していく道と、そこから発生する事件がメインですが、最後のシーンでは涙がぽろぽろ出てしまいます。
音楽も、美術も、漫画も、映画もベースは芸術というかアートの世界で成り立っているものですし、人間の生き様とは影響を与えない人には間接的な関連しかないかもしれませんが、藤野と京本みたいに共鳴し合う関係は人生を大きく突き動かしてくる大きい存在なのだと思っています。これからの人生には何があるか分かりませんが、最後には「出会えてよかった」「好きなことを続けてよかった」と言える人生にしたいなと思うことができる、とても良い映画でした。
今回自分はTOHOシネマズ日比谷で見ましたが、初回入場者特典はで原作者・藤本タツキの原作ネームを全ページ収録した<Original Storyboard>を頂きました。ラフな感じのミニブックで、登場人物の名前も違ったり初期の物ですので本作のオリジナルさを感じれてうれしかったです。数量限定ですので是非早めに!
最初は上映劇場も少なかったルックバックですが、良い作品だと噂になってからは増えてるみたいです。アート好きなひと、漫画好きなひと!絶対に見に行ってください!特に自分のような美大出身やデザイナーには感じることが多い作品だと思っています。
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