堂々のランキング1位に現在輝いているのは、2024年9月19日に配信開始されたNetflixシリーズ『極悪女王』。80年代の日本女子プロレス界で「最恐のヒール」として知られるダンプ松本を中心に描かれた壮大な人間物語になっています。非常に感動しましたし、サンクチュアリやスラムダンクなどのスポーツ根性系が好きなら、絶対にオススメしたい作品です。主演のゆりあんレトリィバァと唐田えりかの素晴らしい演技、そしてプロレスの試合シーンやダンプ松本の激動の人生が多角的に描かれています。本作はプロレスファンだけでなく、ドラマファンや人間ドラマを好む視聴者にも感動を与える作品です。キャストの演技やロケ地、セットデザイン、さらにダンプ松本の生涯に焦点を当て、シリーズ全体の魅力を紹介します。
ゆりあんレトリィバァが挑んだ“ダンプ松本”役
『極悪女王』で主役を務めるのは、お笑い芸人としても活躍するゆりあんレトリィバァ。彼女は、プロレス未経験にもかかわらず、約1年間にわたる本格的なトレーニングを経て、この難役を見事に演じ切りました。実際にプロレスの技を習得し、リング上での戦いのリアリティを追求するため、彼女の体格から動きまでが変化し、視聴者に圧倒的な存在感を与えています。彼女が演じたダンプ松本は、リングの上で恐怖と圧力を放ちながらも、私生活では苦しみや孤独を抱える複雑なキャラクター。その二面性をリアルに描写するゆりあんレトリィバァの演技は本作の大きな魅力の一つです。特に、感情の爆発シーンやプロレスの過酷な試合シーンではユリアンの真摯な努力が光り、ダンプ松本の強さと弱さを際立たせています。
唐田えりかが描く“長与千種”の複雑なキャラクター
長与千種役を務めるのは、唐田えりかです。彼女は、プロレスに対する情熱を持ちながらも、ダンプ松本とのライバル関係や友情の間で揺れ動くキャラクターを見事に表現しています。プロレスの激しいシーンの中でも、唐田の演技は繊細で、特に髪を切られるシーンや感情が爆発する場面では、彼女の演技力が際立ちます。長与千種とダンプ松本は、プロレス界ではライバルでありながらも、リング外では深い友情を築いていました。その複雑な関係性を描く本作では、唐田えりかが演じる千種の葛藤が視聴者の共感を呼び、物語に深みを与えています。
ロケ地とセットデザインの魅力
『極悪女王』は、日本各地のさまざまなロケ地で撮影されており、80年代の女子プロレス界をリアルに再現しています。主なロケ地には、群馬県渋川市の旧渋川総合病院や、東京都調布市の京王閣競輪場、千葉県木更津市の東京ベイプラザホテルなどがあります。旧渋川総合病院は、物語の重要な舞台となるシーンで使用され、歴史ある建物の雰囲気が作品に奥行きを与えています。また、京王閣競輪場では、ダンプ松本のデビュー戦が撮影され、リングの臨場感や観客の熱狂をリアルに表現しています。この場所の壮大な吹き抜けは、試合の緊迫感を際立たせるセットとして機能し、視聴者にプロレスの魅力を強く印象づけます。ボートレース平和島では、長与千種の両親が試合を観戦するシーンが撮影されました。観戦する家族の姿とリング上の激闘が交錯することで、プロレスが単なるスポーツではなく、家族や個人のドラマでもあることが強調されています。また、プロレスの巡業で滞在する旅館として使われたのは、千葉県富津市にあるさざ波館。これらのロケ地が持つリアルな質感が、視聴者に物語の時代背景や場所の雰囲気を強く感じさせる要素となっています。
ダンプ松本の壮絶な人生
本作の核となるのは、ダンプ松本というキャラクターの生い立ちと、その激動の人生です。彼女は幼少期から家族や社会から疎外され、プロレスラーとしての成功を夢見るも、その道のりは過酷なものでした。最終的には「極悪同盟」のリーダーとして、全日本女子プロレス界で名を馳せますが、その過程で多くの犠牲を払うことになります。
特に印象的なのは、家族との関係が崩壊していく描写です。家族の支えを失いながらも、自分の夢を追い求め続ける姿は、視聴者に強い共感と感動を呼び起こします。プロレスの激しさとともに、彼女の内面に焦点を当てた描写が、本作を単なるスポーツドラマから人間ドラマへと昇華させています。
見所とメッセージ
『極悪女王』の見所は、プロレスの試合シーンだけでなく、リング外での人間関係や葛藤にあります。ダンプ松本とクラッシュギャルズとの戦いや、長与千種とのライバル関係と友情は、試合の中だけでなく、日常生活にも影響を及ぼします。プロレスという激しいスポーツの中で、仲間たちとの絆や信頼が描かれるシーンは、視聴者に感動を与えます。本作はまた、プロレスを知らない視聴者にも楽しめる要素が詰まっています。80年代という時代背景を舞台に、夢を追い求める人々の姿や、成功の裏にある苦しみが丁寧に描かれています。このような人間ドラマの側面が、単なるプロレスドラマを超えた作品として評価されています。
まとめ
Netflixシリーズ『極悪女王』は、ダンプ松本という伝説的なプロレスラーの人生を描いた感動的な作品です。ゆりあんレトリィバァと唐田えりかの圧倒的な演技力、リアリティを追求したロケ地やセットデザイン、そしてプロレスの魅力と人間ドラマが見事に融合しています。プロレスファンはもちろん、スポーツや人間ドラマに興味のある視聴者にとっても、一見の価値がある作品です。この作品を通じて、ダンプ松本という一人の女性がどのようにして日本中を熱狂させたのか、その知られざる物語をぜひ体感してください。
