前回お届けした、RAWデータのノイズ除去とレンズ収差補正をしてくれるカメラライフが変わる神ソフトDxo PureRAW4。
RAWデータとは何なのか?PureRAWで出来ることは一体何なのかを説明しました。今日は自分の作例を中心に実際にRAWデータがどの様に変わるのかをお届けしたいと思います。
旧スペック機種&高感度撮影が一段上の表現へ
こちらが昨年出かけた韓国ソウルでの写真です。伝統的な建物と近代的なビルが共存するいかにもソウルらしいアーバンな景色でした。
この時はまだ初代ライカQ(Typ116)でしたの7年前のカメラで行きました。フルサイズのセンサーでF1.7のズミルックスが搭載されていますが有効2,420万画素で現行のQ3と比較すると1/3の画素数であり2024年現在のデジカメ界隈と考えると非力な印象は否めません。一応当時のスペックなりに夜景には強いと言えますが、三脚ではなくすべて手持ちでのスナップでしたのでどうしてもISO感度は高めの夜景撮影になりました。
こちらがPureRAWで処理したDNGファイルです。瓦の描写やビルの窓に反射する光や窓の描写が鮮明になった感じ分かりますでしょうか?RAWファイルが持つポテンシャルを現代のAI技術で処理すると7年前の機種でも十分戦えるディテールになるのです。ただ、引きの画像だとやはり比較しにくいので瓦の部分を拡大して見てみます。
2400万画素で拡大してこれだけ描写している初代ライカQも十分褒めてあげれますが、夜空と瓦の境界部分にやや高ISOのノイズや不明瞭さが見られます。拡大しなければ分からないという方も多いかもしれませんが、Web目的ではなくプリントで出力したりするとこうした粗さが商業利用の妨げになったりします。
PureRAWで処理しました。7年前のゲーミングPCのスペックで大体2分ほど処理にかかります。(現代のM3搭載のMacBook等ならもっと早いかもですが)明らかに瓦の描写が鮮明になったのが分かるかと思います。薄い曇ったメガネを拭いた感じと表現している写真家もいるほどですから、言いたいことは分かります。同じカメラで撮影したとは信じがたい描写になりました。不明瞭だった夜空の雲も正確に描写出来ています。
最新のQ3の夜空も試しにPureRAWにかけてみましたが、正直もともと高感度耐性だったりセンサーが進化していることもあって驚くような変化!とは言えません。むしろ、今でも旧型の画素の機種を愛用されている方やISOが高い昔の写真を洗い出す作業にとても向いていると思います。当時のライカQの写真を改めてまとめて現像しようと思ったりもする素晴らしいソフトウエアです。
効果は昼間の撮影でも
夜景や高感度撮影の補正に使えるのは理解いただけたと思います。では、自然光あふれるこうした昼間のスナップでも効果がないのでしょうか?実はあったんです。こちらも噴水の映像も手持ちで撮影しました。先程のソウルの夜景とは違い明るさが十分ありますのでISOは100程度で低感度で撮影しました。機種は先程と同じ初代ライカQです。
PureRAW処理をした後のRAWデータです。色味が落ち着きましたがそれだけではなく、水の粒の表現や手前の石段のディテールが細かくなったのがお分かりいただけますか?
噴水の水の粒の部分を拡大してみます。割と離れた位置からの撮影でこれだけ描写できていればスナップシューターとしては十分なカメラだと言えます。完全に解像しているかと言われたら厳しい部分もありますが、詳細に写したかったらもっと寄れ!って話だったりもしますが。
PureRAW処理後の拡大写真です。もう、説明もいらないと思いますが水の粒を完全に解像しています。背景であるはずの木々もF8で撮影したかのように完全にディテールが再現されています。本当に同じカメラ同じRAWデータなのかと目を疑いました。ある意味、ISO関係なく一昔前の画素のカメラはすべてPureRAW処理したほうが良いのでは?と思えるぐらいの補正に現代の技術の恐ろしさを感じます。後ろの橋の手すりもこんなに解像していたんですね。
まとめ
DxO PureRAW 4はRAWデータの潜在能力を最大限に引き出すための強力なツールです。特にノイズ除去、レンズ補正、シャープネスの強化において、その性能は他のRAW現像ソフトを凌駕しています。Lightroomとの連携もスムーズで、既存のワークフローに簡単に組み込むことができます。(プラグインとして作動)高ISOでの撮影や古いカメラ、レンズを使用している写真家にとってはPureRAW 4は大きなアドバンテージジナルと考えます。ソフト自体もサブスクではなく買い切りなのも良心的です。ある程度のグラボのスペックは必要にはなりますが、一眼レフユーザーはぜひRAWで写真を撮りためていただいて古くなったデータもこうしたソフトが未来に自分の写真を輝かせてくれると信じて撮影してもらえたらと思います。