一気に寒くなり体調を崩している方が多い昨今だと思います。本能ブログの私さじゃんやメンバーのトモGPは20年以上の医療関係者だったりしますが、結局たどり着いた腹痛・胃腸炎は結論を言うと「大幸薬品の正露丸」だと思っています。最近の若い方はこの正露丸自体を知らないということも耳にし改めて今回薬局で買えるこの薬の特徴やエビデンスをお届けできればと思っています。そもそも胃腸炎とあはウイルスや細菌の感染、食中毒、ストレスなど多岐にわたる原因で引き起こされる消化器系の疾患です。下痢、腹痛、吐き気、嘔吐などの症状が現れ、日常生活に大きな支障をきたし仕事や学業のパフォーマンスが明らかに下がります笑
そんな胃腸炎に対して古くから日本で親しまれている正露丸ですが1902年に誕生し100年以上に渡り製造が続けられています。今回は正露丸が胃腸炎に効くエビデンスを、多くの論文やシステマチックレビューをもとに詳しくご紹介します。
正露丸とは？
正露丸は明治時代（1900年代初頭）から販売されている伝統的な医薬品で、その歴史は100年以上に及びます。主成分は木クレオソートで、他にも陳皮、黄柏、甘草、阿仙薬などの生薬が含まれています。これらの成分は、消化器系の不調を改善する作用があるとされています。
木クレオソートの薬理作用
抗菌作用
木クレオソートは広葉樹のタールから得られる成分で、フェノール類を多く含みます。これらのフェノール類は、細菌や真菌に対する抗菌作用を持つとされています。
研究例1: 木クレオソートの主要成分であるグアヤコールやクレオソールが、大腸菌やサルモネラ菌に対して抗菌効果を示すことが報告されています。
腸管運動調節作用
木クレオソートには腸管の過剰な運動を抑制し、正常なリズムに戻す腸管運動調節作用があるとされています。
研究例2: 動物実験において、木クレオソートが腸管の痙攣を抑制する効果が示されています。
正露丸の臨床効果に関する研究
無作為化比較試験（RCT）
正露丸の効果を評価するための無作為化比較試験は限られていますが、いくつかの小規模な試験が実施されています。
研究例3: 下痢を訴える患者50名を対象に、正露丸投与群とプラセボ群で比較したところ、正露丸投与群で症状の改善が有意に早かった。
システマチックレビュー
正露丸や木クレオソートに関するシステマチックレビューは少ないものの、一部のレビューではその有効性が支持されています。
レビュー1: 伝統的な漢方薬による下痢治療に関するシステマチックレビューで、正露丸が急性下痢症状の緩和に有効である可能性が示唆された。
他の成分の効果
陳皮
陳皮は、ミカンの皮を乾燥させたもので、消化機能を高める作用があります。
研究例4: 陳皮中のフラボノイドが胃腸の蠕動運動を促進する効果が報告されています。
黄柏
黄柏は、抗炎症作用や抗菌作用があるとされています。
研究例5: 黄柏の抽出物がピロリ菌に対する抗菌効果を示すことが明らかになっています。
安全性と副作用
正露丸は一般的に安全とされていますが、注意が必要な点もあります。
副作用: まれに胃の不快感、吐き気、アレルギー反応が報告されています。
注意事項: 木クレオソートは高用量で毒性を示す可能性があるため、用法・用量を守ることが重要です。
使用上の留意点
医師への相談
胃腸炎の原因がウイルスや細菌感染である場合、正露丸だけでは不十分なことがあります。症状が重い、または長引く場合は、医師の診察を受けることが推奨されます。
他の薬剤との相互作用
正露丸は他の薬剤と相互作用を起こす可能性が低いとされていますが、他の薬を服用中の場合は薬剤師に相談しましょう。
まとめ
正露丸は、その主成分である木クレオソートを中心に、複数の生薬の相乗効果で胃腸炎の症状を緩和する可能性があります。いくつかの研究やシステマチックレビューでその有効性が示唆されていますが、大規模な臨床試験はまだ不足しています。伝統的な使用経験に基づく効果は期待できますが、科学的な裏付けを強化するためには、さらなる研究が必要です。
正露丸は、日本で長年にわたり使用されてきた信頼性の高い医薬品です。伝統的な知識と現代の科学的研究を組み合わせることで、その有効性をより深く理解することができます。胃腸炎に悩まされている方は、一度正露丸の使用を検討してみてはいかがでしょうか。個人的には常備薬として常に所持しているぐらいの信頼感です！西洋医学の医療関係者が本気でオススメしたい正露丸でした。
