自分の好きな絵画はレンブラントの「夜警」です。後ろの女の子がめっちゃ気になる!CEOさじゃんです。本能ブログでは、メンバーのデザイナーSilverさんの影響で美術館に出向くのがブームだったりします。
美術系出身ではない自分は美術史であったり、芸術の素養は高校や中学の授業の知識で止まっていたりします。しかし、自分も20年ほどライカで撮影し続けて
自分の写真表現をもっと昇華させたい
と思うようになりました。これだけ美術展、展示に行っているのに自分の作品づくりに生かされていないと感じ今回オススメされた素晴らしい本と出会ったのでご紹介していきたいと思います。
有名絵画はなぜ有名なのか?
美術館で名画を目の前にしたとき、その美しさや迫力に圧倒されつつも、「この作品の本当の魅力は何だろう?」と感じたことはありませんか。私自身、絵画鑑賞が好きでよく美術館を訪れるのですが、作品の奥深さを十分に理解できていないのではないかというもどかしさを常に感じていました。そんな中、秋田麻早子さんの『絵を見る技術 名画の構造を読み解く』という本に出会い、絵画の見方が劇的に変わりました。
例えばこの絵はティントレットの「聖母の神殿奉献 」という有名なルネサンス期の作品なんですが自分は写真家として非常に興味深いギミックがたくさん隠されているような気がしています。この解説は後ほどさせていただきます。
作者紹介:秋田麻早子さんの情熱と経歴
まずこの本の著者である秋田麻早子さんについて少しご紹介します。美術解説者・著述家として活躍されている彼女は、大学で美術史を専攻し、その後は美術館や教育機関での勤務を経て、現在は執筆や講演活動を中心に行っています。美術に対する深い知識と情熱を持ちながらも、専門的な内容を分かりやすく伝える才能に溢れています。彼女の解説は専門的でありながらも親しみやすく、多くの読者から支持を得ているのも納得です。
名画の構造を紐解く新たな視点
この本は絵画鑑賞の新たな視点を提供してくれる素晴らしいガイドブックです。ページをめくるたびに名画の奥深さや魅力が鮮やかに浮かび上がり、まるで作品と対話しているかのような感覚を味わえます。専門的な知識がなくても理解できるように書かれているので美術初心者の私でもスムーズに読み進めることができました。
特に印象的だったのは作品の構図や色彩、光と影の使い方など、具体的な技法や表現方法を丁寧に解説してくれる点です。例えばレンブラントの「夜警」の章では光と影のコントラストがどのように作品のドラマ性を高めているかが詳細に述べられています。これにより、ただ漠然と「すごい絵だな」と感じていた作品が、作者の意図や技法を理解することで、より深い感動を得ることができました。
多くの読者から寄せられる高評価
この本は自分だけでなく多くの読者から高い評価を受けています。書店のレビューやオンラインの読書コミュニティでも「絵画の見方が一変した」「美術館での鑑賞がより楽しくなった」という声が多数寄せられています。特に専門用語を極力避け、親しみやすい言葉で解説している点が初心者にも受け入れられているようです。
ある読者は「この本を読んでから、美術館で足を止める時間が長くなった」と述べています。自分も美術館での鑑賞スタイルが変わりましたし、写真表現も完全に変わりました。作品の背後にある物語や象徴性を知ることで、絵画鑑賞が単なる視覚的な楽しみだけでなく、知的な探求の場にもなると感じたそうです。
絵画鑑賞が人生を豊かにする
この本を通じて感じたのは絵画鑑賞が人生を豊かにしてくれるということです。作品を深く理解し、自分なりの視点で楽しむことで、日常生活にも新たな発見や喜びが生まれます。美術は時代や文化、人間の感情を映し出す鏡のようなもの。そこに込められたメッセージや感情を読み解くことで、自分自身の感性や視野も広がっていくと実感しました。
美術館での体験が変わる
読了後、さっそく近くの美術館を訪れてみました。これまで何となく眺めていた絵画が、まるで別物のように感じられ、一つ一つの作品に込められたメッセージや作者の思いを想像しながら鑑賞することができました。例えば、印象派の作品では、筆遣いや色彩が持つ意味を考えながら見ることで、その革新性や当時の芸術界への影響をより深く理解することができました。
絵を見る技術がもたらす新たな楽しみ
この本の素晴らしいところはただ解説を読むだけでなく、自分自身で作品を分析し、感じ取る力を養える点です。秋田さんは読者に対して作品を見る際の具体的なポイントや視点を示しつつも、自分なりの解釈を持つことの大切さを教えてくれます。そのおかげで、美術館で実際に作品と向き合ったとき、以前よりも深く作品を感じ取れるようになりました。また、作品に対する自分なりの感想や意見を持つことで、他の人と美術について語り合う楽しみも増えました。友人と美術館を訪れ、作品について意見を交換する時間は、これまで以上に充実したものとなりました。
ティントレットの絵の秘密
先程の「聖母の神殿奉献 」を自分がLightroomでモノクロにしてみました、こうすると明暗対比でもっとも主張したい部分がどこだか見えてきませんか?絵の中心でインパクトがあるのは中央下の指を指す女性。しかし、タイトルの聖母の場所は階段の上で神父に顔を向けている少女なのです。その先に見える三角形の塔ともにサイズは小さいものの、確かに明るく描かれていますし階段横の男性たちの目線も少女に注がれているように感じます。
このように画家が伝えたいメインポイントをフォーカルポイントと呼び作者の秋田さんは数々の名画を今回自分がしたような解説をしてくれています。
絵を描く人、イラストを書く人、自分のようにネットで写真表現する人すべてのアーティストに一度は読んでいただきたい素晴らしい名著だと思っています。自分の中では教科書になった気がします。