ウイスキー好きの間で密かに注目を集めている「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ(SMWS)」をご存知でしょうか?
「もっと深く、個性的なウイスキーを楽しみたい」と思っている方にとって、SMWSはまさに理想のクラブ。この記事では、SMWSの魅力や入会メリット、体験談まで詳しくご紹介します。
- SMWSとは?その歴史と特徴
- SMWSは他のウイスキーと何が違うの?
- SMWS独自の命名とコードシステム
- 世界に広がるSMWSネットワーク
- ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ飲んでみた
- SMWSのすすめ
SMWSとは?その歴史と特徴
ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ(The Scotch Malt Whisky Society:SMWS)は、1983年にスコットランド・エディンバラで誕生した、世界初の会員制ウイスキークラブです。創設のきっかけは、創業者のPhillip Hills氏が、友人と一緒に樽で購入したモルトウイスキーを飲んだこと。それがあまりに個性的で、量産品では味わえない感動を覚えたことから、「この体験を多くの人と共有したい」と考え、一つの樽からわずか数百本しかとれない、“一期一会”のウイスキーを、会員だけが楽しめるというユニークな組織、SMWSを設立しました。
SMWSは他のウイスキーと何が違うの?
イスキーは通常、安定した味を実現するために複数の樽からブレンドして出荷されますが、SMWSはその逆。一つの蒸溜所・一つの樽・一度きりのボトリングという哲学を貫いています。しかもカスクストレングス(加水なしの原酒)でボトリングされており、ウイスキー本来の力強さと繊細さがそのまま味わえます。また、冷却濾過(チルフィルター)や着色(カラメル添加)も行っていないため、テクスチャーや香りも自然そのもの。市販のボトルにはない、「その樽だけの個性」をストレートに味わえるのが最大の魅力です。
SMWS独自の命名とコードシステム
MWSのボトルは蒸溜所名を明記していない代わりに、独自の数字コードと詩的なネーミングが与えられます。
例えば、「35.301 – Sunshine in a Bottle」というボトルがあるとすると…
「35」はグレンマレイ蒸溜所(蒸溜所名は公表されないが、会員向けにリストが存在)
「301」はその蒸溜所からの301番目のシングルカスク
「Sunshine in a Bottle」は、その香味からインスピレーションを得たSMWS独自の表現
このユニークなラベリングは、先入観なくウイスキーを楽しむための工夫であり、また「ラベルを読んでワクワクする」という新しい楽しみ方にもつながっています。
世界に広がるSMWSネットワーク
SMWSは現在、30ヵ国以上に拠点を持ち、日本にも公式支部があります。
イベントや試飲会、さらには公認バーでの体験などを通して、ウイスキーを“共有する楽しさ”が味わえるのも大きな魅力。
東京・汐留の「ザ・ソサエティ」や全国にあるパートナーバーでは、非会員でもSMWSのボトルを体験できます。
ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ飲んでみた
SMWSのボトルは会員にならないと購入することはできませんが、SMWSのウイスキーを飲むことができる日本国内のパートナーバーが日本国内各地にあります。今回は仙台のBar Andanteさんで初めてのSMWSを飲むことができました。
こちらがソサイエティカスクナンバー10.266 LOVEY-GRUBBY。2013年蒸留 熟成10年 アルコール度数56.5%のウイスキー。スモーキーなウィスキーが好きというリクエストに選んでいただいた1本。軽くピート感があり、好みの味でした。
2杯目にいただいたのはソサイエティカスクナンバー35.394 A SPRINKLE-LADEN DREAM。2013年蒸留 熟成10年 アルコール度数55.9%のウイスキー。こちらは1杯目とは逆にフルーティなウイスキーで選んでいただいた1本。フルーティな香りでみんなが飲みやすいウイスキーだと感じます。
SMWSのすすめ
SMWSは、「ただ飲むだけじゃ物足りない」「ウイスキーをもっと深く知りたい」という人にぴったりのクラブです。
こんな人におすすめ:
- 市販品では出会えない個性派ウイスキーを楽しみたい
- 同じ趣味を持つ仲間とつながりたい
- 世界中の蒸溜所の個性的な原酒をコレクションしてみたい
初心者でも安心して楽しめる仕組みがあり、どんどん知識を深めていけるので、興味が出た方はまずは近くのパートナーバーに行ってみてはいかがでしょうか?