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書評 中学受験にも多数出題!子供にも大人にも刺さる1冊「君たちは今が世界」

読書大好き新人ライターSです。新学期や新生活が始まり、楽しさや不安が入り混じった気持ちで過ごされているかと思います。4月がスタートし、私はふと学生時代のことを思い出しました。皆さんは学生時代のことを振り返ることはありますか?楽しかったこと、辛かったこと様々だと思います。そこで今回は、難関中学の入試でも話題になった、朝比奈あすか著の「君たちは今が世界」についてレビューしていきます。
前回に引き続き書評となりますが、最後までお付き合いいただけますと幸いです。

簡単にあらすじをご紹介

6年3組の調理実習中に起きた洗剤混入事件。犯人が名乗り出ない中、担任の幾田先生はクラスを見まわして「皆さんは、大した大人にはなれない」と言い放ち、去っていきます。いじられ役、優等生、問題児、クラスの女王の親友など、教室での立ち位置が全く違う5人は、苦悩と希望を抱えながら自分の居場所を必死に探し求めます。学校も家庭も、子供は生きる世界を選べません。胸が苦しくなるような葛藤と、その先にある光とは。クラスにいる子どもたちの行動と心情にリアリティがあり、まるで本当にそこにいるような感覚になる小説です。

個性豊かな登場人物

家庭環境も教室内での立場が違った5人が主にでてきます。

 

・尾辻文也 友達からいじられやすい男の子。

・川島杏美 勉強が得意な優等生な女の子。

・武市陽太 コミュニケーションをとることが苦手な男の子。

・見村めぐ美 リーダー格の女子の取り巻きの女の子。

・宝田ほのか 優しい性格の女の子。

 

他には担任の幾田先生や保護者なども。教室内でのリアルな光景が想像できる登場人物です。

真理をついた発言に注目!

この小説は、4つの物語とエピローグ+特別編というような構成です。その中でも印象に残った言葉をご紹介いたします。
「皆さんは、大した大人にはなれない」という幾田先生の発言は、なかなか心理をついていると思いました。「野球選手になる」と豪語していたあの子も「女優になりたい」と言ってた仲良かった子も結局なれず、会社員や大学生になりました。何者かになるのなんてほんの一握りで、大概は良くも悪くもない人間に落ち着いていくのではないでしょうか。仮に何者かになれたとしても、思い描くものではないかもしれません。

他にもこんな言葉があります。
「こんなものは、全部通り過ぎるんだ。」今この瞬間の生こそが全てだと、他の時間など存在しないのだと信じ込ませんとばかりに圧してくるから、酸欠になりそうな魚の必死さで杏美は居場所を探す。
これは大人の世界でも一緒です。仕事で辛かったり、逃げ道がなかったりすると、それが“全て”のように感じてしまいます。いつかは全て通り過ぎるし、終わる。そのように分かっていても、抜け出せないもどかしさは大人の子供も一緒だと感じました。

10年前と現在の違い

今はSNSが発達して、より問題が可視化されたように感じます。私の世代はちょうどスマホやLINEが普及した頃。普及したばかりだったので、SNSによるいじめや、悩み等はあまりなかったように思いますが、交換日記や、プロフィール帳の交換で悩んでいたことを思い出しました。形は変わりましたが、根本的な心理や悩みはいつの時代だって同じです。

「君たちは今が世界」から紐解く大人になるということは

大人になる醍醐味は、関わる人、欲しいものなど自分でなんでも選択できるところです。私は学生時代の頃より大人の方が選択肢が増え、楽しいように感じます。学生時代を今思い返してみると、くだらないことで悩んでいたなと思います。思春期の子たちの世界は一瞬でひっくり返るので、それに怯えてたあの頃はなんだったんだろう、という気持ちです。学生だけでなく、誰かを無視したり、スケープゴートにしたりするようなことは大人の世界でもあります。子どものいじめは問題になりますが、大人の世界ではスルーされる場合のことが多いです。学生時代にいろんなことを経験してきた大人が、また同じようなことを繰り返して傷つけ合う、一度立ち止まって振り返ってほしいと思います。

まとめ

大人になってしまうと学生時代の気持ちを忘れてしまうのではないかと思いましたが、こんなこともあったなと学生時代の記憶や思い出がよみがえる、そんな一冊でした。学生の方だけでなく、大人の方もぜひ読んでみてください!以上新人ライターSの書評でした。次回もお楽しみに◎