シンシリーズで好きなのはシン・仮面ライダーです、本能ブログさじゃんです。今日は2025年4月23日、Netflixで独占配信が開始された映画『新幹線大爆破』のレビューをお届けしようと思います。本作は1975年に公開された同名映画の続編として制作され、樋口真嗣監督がメガホンを取り、草彅剛さんが主演を務めています。
物語は東京行きの新幹線「はやぶさ60号」に爆弾が仕掛けられ、時速100kmを下回ると爆発するという緊迫した状況の中で展開されます。乗客の命を守るため、乗務員や政府、警察が奔走する姿が描かれています。正直、原作も見たことありますし、同じような「止まると爆発系」は過去にも飽食気味に描かれて居たので、見る前から嫌な予感はあったたですが。。。
スタジオカラー的な演出と既視感
本作は、樋口真嗣監督が手がけた『シン・ゴジラ』や『エヴァンゲリオン』のヤシマ作戦を彷彿とさせる(樋口監督は当時エヴァンゲリオンのヤシマ作戦の絵コンテを制作)演出が随所に見られます。特に、現場と政治の駆け引きや、テロップを多用した情報提示など、スタジオカラー作品的特有のスタイルが色濃く反映されています。これにより自分のように既視感を覚える観客も少なくないかもしれません。
焼き増し感と新鮮味の欠如
『新幹線大爆破』は爆弾を仕掛けられた列車が減速できないという設定で、1994年の映画『スピード』を彷彿とさせます。個人的にはフジテレビの踊る大捜査線のスピンオフ映画「交渉人真下正義」にそっくりな展開だなと。また1975年版のオマージュとしての要素も多く、全体的に新鮮味に欠ける印象を受けました。さらに、犯人の設定や動機に関してもリアリティが乏しく、唐突に無理やり要素に入れた感があって、樋口監督とは物語よりも「VFX」や「特撮」を見てほしったのかなと、お話に深みを感じにくかったのは事実です。
現場と政治の描写の限界
『シン・ゴジラ』で描かれたような現場と政治の駆け引きは本作でも重要な要素となっています。しかし同様の構図が繰り返されることで、新鮮味が薄れ、自分にとっては「またこの感じか」と見飽きた印象を強く受けました。相手がゴジラなのか爆弾付きの新幹線なのかの違いぐらいで。特に、政府の対応や指令所の描写に関しては既視感が強く(毎回、エヴァンゲリオンのNERVにしか見えないs)物語の展開に新たな驚きを感じにくかったです。
総評☆☆☆★★
『新幹線大爆破』はVFXや演出面では樋口監督ならではの高いクオリティを誇り、緊迫感のあるシーンも多く見応えがあります。テンポ感も悪くないと思います。しかし、ストーリーやキャラクターの設定においては既存の作品との類似点が多く(キャストも繰り返し採用されているイメージ)新鮮味に欠ける部分が目立ちました。個人的には、星3つといった評価になります。万人にオススメしたい!とはならないです、、、エヴァンゲリオンやスタジオカラー好き、特撮好きにはかなり刺さるとは思います。
本作を鑑賞する際はもしかしたら、1975年版の『新幹線大爆破』を事前に観ておくと、より深く楽しめるかもしれません。随所にオマージュと思われる表現もたくさんあったのです。樋口真嗣監督の他の作品と比較しながら観ることで、彼の演出スタイルやテーマへのアプローチの違いを”多少”感じ取ることができるでしょう。
『新幹線大爆破』は現代の日本映画において、特撮やVFXを駆使したパニック映画の新たな試みとして注目される作品です。しかし、既存の作品との類似性や、ストーリーの新鮮味に欠ける点が評価を分ける要因となっているかなと個人的には考察します。個人的には人生で一番乗っている東北新幹線が舞台だったというところは非常にワクワクできたポイントでしたw