みなさんは、おまけつき菓子を購入したことはありますか?
筆者は1985年生まれなのですが、80年代後半から90年代前半にかけてはペコちゃんでおなじみの不二家がおまけつき菓子の食品玩具。いわゆる食玩を積極的に販売していました。特に多く出ていたのが、円谷プロの『ウルトラマン』関連商品。
チョコレート菓子に塩ビの人形がセットになったものが、当時の価格は100円。1985年までは消費税もなかったため、祖母から毎日100円を受け取り、近所のスーパーまで買いに行ったことをおぼえています。また、塩ビ人形だけでなくシールつきの菓子も、よく買ってもらいました。中でも相当集めたのがロッテの『ビックリマンチョコ』です。
多くの子供たちが熱狂・僕の、私の『ビックリマン』
シールが付属する菓子と言えば『ビックリマンチョコ』がもっとも知名度が高い商品。これは今に至るまで変わることがありません。
この商品は1977年から現在にかけて発売されていますので、超ロングランアイテムと言えるでしょう。販売当時は1つ30円からスタートし、悪魔シールと天使シールが登場したのが1985年になってから。1991年からは50円に値上げとなり、筆者はレア度の高い“ヘッドシール”やホロプリズム加工のシール欲しさに、この50円時代にもっとも多く購入していました。物価の上昇もあり、段階を経て現在は130円となっています。だいぶ価格は上昇しましたが、現在でもまだ手に取りやすいお菓子と言えるでしょう。
この『ビックリマンチョコ』をはじめとした、おまけつきウエハース菓子を大人になって購入する場合の、コンプリートにこだわらない楽しみ方。次項からはこれについてのお話しをしていきたいと思います。コンプしてファイリングするのも素晴らしい楽しみ方ですが、もう一つ、ぜひ紹介したい向き合い方があるのです。
世はまさにおまけシールつき菓子時代全盛期。背景には社会的事情もあるのかも…
現在、スーパーやコンビニのお菓子売り場には、多種多様のおまけシールつきウエハースが陳列されています。もちろん最王手はロッテ。『ビックリマンチョコ』は不動の人気で、度々人気コンテンツとコラボして限定商品も展開することから、ファンの注目度も高い商品です。他社もまた、おまけシールつきウエハースを販売しています。
お菓子メーカーとしては老舗のフルタもシールつきのお菓子は発売していますし、玩具メーカーとして国内最大のシェアを有するバンダイは、食玩担当部署にあたるキャンディ事業部が『にふぉるめーしょん』というシリーズ名を冠した商品を展開中。
『にふぉるめーしょん』では2~3頭身ほどにディフォルメされた人気アニメや特撮作品のキャラクターのシールが、矢継ぎ早に発売されています。こちらも価格は130円。今はウエハースもこの値段が基準のようですね。筆者は1年ほど前に、知人からウエハースのおまけシールを収納するためのアルバムをプレゼントされました。
理由は簡単で、これまで集めてきたシールを特にファイリングせず、その辺に置きっぱなしにしたり、冷蔵庫に貼ったりして管理が行き届いていない状況が嫌だったからだそうです。当初こそ「いや、シールは机とか壁とか冷蔵庫に貼ってこそだろ」と思っていたのですが、いざ貰ったアルバムにシールを収納していくと、これはこれで楽しいことに気付いてしまい……。現在では買い物の折に以前よりも意識してシールつき菓子を買うようになりました。色んな版権キャラのシールがひっきりなしに登場していて、おやつ選び感覚で買うのがなかなか面白いんですよねぇ。
いかんせんモノが高くなりがちなこの時代。シールはある程度コストを抑えることができますし、おまけ人形などの塗装コストも高くなる一方ということもあり、バンダイは近年、精力的に低価格帯商品であるウエハースをリリースしまくっています。
『ビックリマンチョコ』のようにオリジナルのコンテンツを持たないという弱点を、様々な版権から同一規格のサイズと頭身のシールとして販売するという姿勢を武器にしているのが『にふぉるめーしょん』の特色です。
子供の頃の夢、箱買い…実際やってみると生じたデメリット
ところで、低価格帯のウエハースを買い求めていると、特に子供の頃は「陳列されてる商品丸ごと全部レジに持って行きたい」と思ったことはありませんか?
いわゆる箱買い、大人買いという奴です。
筆者も今年41歳ですから、一応肉体だけは中年なので箱買いもやろうと思えばできます。実際やったことも。
ただ、いざ箱買いに手を出してみると、これが意外と肌に合わなかったんですよね。
下手に箱買いすることによって、コンプすることが前提での商品への向き合い方になってしまうんです。これはもう、どうしても。
そもそも箱買いしたら全部揃うというわけでもないのが大人買いの難しいところ。
何やらロット、配列といった規則性があり、外箱からでは見分けられないランダム性を上手く御しなければ、全部集めることは難しいのだとか……。
それこそ最近も『ビックリマンチョコ』は全85種類に及ぶシリーズを発売したばかり。
これを全部集めようとするのは、資金的な負担はさておき、労力は相当なものになってしまうんですよね。こういうこともあり、箱買いをするのはやめてしまいました。それともう一つ。箱買いをすると本来はメインの商品である美味しい美味しいあのウエハースチョコが文字通り食傷気味となり、目に入るだけで胃もたれするようになっちゃって。これではなかなか楽しんで集めることができない。そう思って今では手を出していません。
やっぱりウエハースはおやつ!お小遣いの範囲で少しずつ買うのが王道!
では、どういった向き合い方が一番ストレスを感じず、ウエハースチョコを美味しくいただきつつ、シールに一喜一憂できるのか。
色々と考えた結果、筆者は原初の体験こそもっとも王道であるという結論に至りました。
そうです。子供の頃、少ないお小遣いでヘッドシールを引くのを祈りながら買い物をしていたように、1回の買い物で1つしか買わないようにしたのです。
あくまでもおまけつき菓子ですから、10も20も摘まんでしまうというよりも、自分が食べることにストレスを感じない量を買う程度にするのが一番。
当然これではペース的にコンプはおろか、欲しいシールを引き当てられないこともあるでしょう。ただし、購入する頻度をここまで下げると、代わりにダブりに直面する可能性は下がります。結局おまけシールつきウエハースで一番萎えるのってダブりが頻発することなので、子供の頃のお小遣い相場に合わせて大人になっても買うようにするのが、童心に返った気分にもなるし、集める楽しみも阻害しないと思うんですよね。
さあ、小銭だけ握りしめ、欲しいシール出現に願いをこめて買い物に行こう!
ロッテしかり、バンダイしかり、現在のシールつきウエハースは基本的に大人買いをしなければコンプできないケースが続発しています。
各店舗への入荷数も限られていますし、それぞれに争奪戦を仕掛けてくる熱烈なファンも多いのがその理由です。
もちろん「集める以上はコンプしないと意味がない」と考える方もいますし、その思いも分かります。筆者も、仮に『ビックリマン』がシールだけの販売でウエハースチョコが存在しなかったら、きっとそう思うことでしょう。
ただ、やっぱりメインはウエハースなので、そのウエハースをおざなりにすると心が痛むんですよね。かつてロッテは、過熱する『ビックリマンチョコ』ファンに対して、「チョコはしっかり食べよう」という憲章をリリースしたことがありました。
それ以前にも1971年から3年に渡ってカルビーから発売されていた『仮面ライダースナック』が爆発的な人気となり、付属するカードを集めることだけを目的としてお菓子を捨てる子供たちが問題視されるという事態も発生していたため、それを踏まえたものだったのでしょう。
おまけはあくまでもおまけ。シールよりまず先にお菓子を楽しむ姿勢こそ大事だと筆者は考えます。ぶっちゃけ食べ物は粗末にはしたくないですし「集めきれなくてもいいじゃないか」という考えですね。あえて小学生ぐらいの金銭感覚を保ってシール集めをする。これが結局一番健全で、体にも優しい向き合い方だと思うのですが、みなさんはどう思いますか?
出典:ロッテ『ビックリマン』公式サイト