
GRで実は全て事足りる!本能ブログCEO、カメラ部さじゃんです。
2025年8月21日、リコーイメージングが高級コンパクトカメラ「RICOH GR IV」を正式発表しました。前モデルGR III(2019年発売)から実に約6年半ぶりの新型で、GRシリーズの基本コンセプトである「高画質・速写性・携帯性」を継承しつつ、センサー・画像エンジン・レンズなど主要コンポーネントを一新し画質向上と薄型化を実現したモデルです。発売予定日は2025年9月12日、参考価格は税込約194,800円とアナウンスされており、直販店やGR専門ギャラリー「GR SPACE」で抽選販売が予定されています。
今回はこの新型GR IVの新機能や進化ポイントを詳しく紹介し、GR IIIとの性能比較を行います。併せて、画質の向上は実際どうか、GR IIIユーザーは買い替えるべきかといった点を考察します。さらにGR IVとGR IIIのスペック比較表を掲載し、発表直後のSNSでのユーザーの反応や、YouTuber・カメラ系メディアの評価もまとめます。最後に、GR IVがどんなユーザーに向いているカメラかを提案します。
GR IVで進化した主なポイント

GR IVは内部の“心臓部”が大幅にアップデートされ、撮影性能が強化されています。ここではセンサー、レンズ、AF、手ブレ補正、操作性、バッテリー・動画性能など主要な進化ポイントを紹介します。
新開発センサー&画像エンジンによる高感度化: GR IVは新型の裏面照射型APS-C CMOSセンサー(有効約25.74MP)と最新画像処理エンジン「GR Engine 7」を搭載し、解像力と階調再現性の向上を謳います。有効画素数はGR IIIの約2424万から約2574万画素へわずかにアップし、常用ISO感度限も従来の102400から204800へ2段分引き上げられました。センサーの裏面照射化により高感度ノイズの低減や周辺画質の改善が期待されます(大型センサーではBSI化のノイズ低減効果は限定的とも指摘されていますが)。新エンジンによりJPEG撮って出しのノイズリダクションや色再現精度も向上しているとのことです。
広角単焦点レンズの刷新: レンズは定番の28mm相当F2.8を踏襲しつつ、光学系をGR IIIの4群6枚から5群7枚(高精度ガラスモールド非球面レンズ3枚ほか採用)に刷新しました。これにより歪曲収差や色収差を抑え、画像周辺部までの解像力・シャープネス向上を図っています。実際、追加された非球面レンズの効果で「周辺のディテールがより良く描写される」とされています。さらにレンズ鏡胴の繰り出し構造を改良し、電源ON時のレンズ繰り出しが約0.2秒短縮(約25%の高速化)されました。起動時間はシリーズ最速の約0.6秒を達成しており、ストリートスナップでの俊敏性が一層高まっています。またレンズ収納時・繰り出し時の機構見直しにより、レンズが吸い込む埃の量を減らす工夫もなされています。防塵・防滴ボディではないため完璧ではありませんが、UV/IRフィルターに防汚・帯電防止コーティングを施し、センサーシェイクによるほこり落とし(ダストリムーバルII)との相乗効果でセンサーへのゴミ付着リスク低減を図っています。
ハイブリッドAFによるピント性能強化: GR IVでは像面位相差+コントラスト併用のハイブリッドAFを新採用し(GR IIIはコントラストAFのみ)、レンズ駆動系とセンサー読み出しの高速化と相まってAF速度・精度が大幅に向上しました。特に暗所での合焦速度や、位相差AFの精度、測距エリアのカバー範囲が改善されています。GR IIIで指摘の多かったAFの遅さや迷いがどこまで解消しているか、ユーザーからも「AF性能が向上しているのか楽しみ」と期待の声が上がっています。加えて被写体追尾AFや顔・瞳検出にも対応し、スナップ撮影時のピント合わせがより頼もしくなっています。
手ブレ補正の強化(3軸→5軸): GR IVはボディ内手ブレ補正機構「SR」を刷新し、従来の3軸補正(ヨー・ピッチ・ロール)から5軸補正へと進化しました。特に接写時に影響するシフトブレにも対応したことで、公式にはシャッター速度換算で中央部6.0段分・周辺部4.0段分の補正効果を発揮するとされています(GR IIIは公称4段分)。ストリートスナップや夜景撮影など光量の少ない場面でもより低速シャッターで手持ち撮影しやすくなるため、この強化はユーザーからも歓迎されています。
大型メモリ内蔵と新アプリ連携: 本体内蔵メモリが約2GB→53GBへと飛躍的に増強された点も大きなトピックです。これにより「SDカードを入れ忘れても安心」「自分の使い方ならmicroSDは不要かも」とSNSでも称賛の声が上がりました。事実RAW+JPEGでも数千枚保存できる容量があるため、日常スナップでメモリーカード容量を気にせず撮影に集中できる利点があります。記録メディアのスロットは従来のSDからmicroSD(UHS-I対応)に変更されました。この点は「できればフルサイズSDのままにしてほしかった」という声もありますが、内蔵メモリ拡充とのトレードオフでスペースを生み出した設計変更とも言えます。通信機能も強化され、Wi-Fiは従来2.4GHzのみ対応から2.4GHz+5GHzデュアルバンド対応となりました。Bluetoothも搭載し、スマートフォン用の新アプリ「GR World」に対応することで、スマホへの画像転送やリモート撮影、位置情報付与などがより快適に行えるようになります。従来のGRシリーズはアプリ面でやや使い勝手に難がありましたが、新アプリ対応は嬉しい改善点です。
操作系の見直しとUI向上: GR IVではボタン配置やダイヤル操作系も再設計され、従来モデルで不評だった点が改善されています。
最大の変更点は、GR IIIで廃止されていた露出補正ボタン(+/–ロッカー)の復活と、十字キー周囲のホイールダイヤルの廃止です。代わりに背面右上の「ADJレバー」は押し込み可能な回転ダイヤル式に変更され、前面と合わせ2つの電子ダイヤルで操作系を統一しています。従来GR IIIでは十字キー周りに小さなホイールが付いていましたが、これがなくなりシンプルなクリック感のあるボタンになったことで誤操作が減り操作感が向上しました。実機を手にしたユーザーからも「露出補正が以前のボタン式に戻ったのは嬉しい」という声が聞かれ、従来機より確実な操作感になったと好評です。またモードダイヤルには、新たに「Sn」モード(スナップ距離優先AE)が追加されました。これはGR IIIのファームウェア更新で追加された機能を専用ポジションに昇格させたもので、Snモードを選ぶと前ダイヤルで被写界深度(浅め~深めの3段階)、後ダイヤルで撮影距離を設定でき、シャッター速度とISOはカメラが自動設定します。いわばゾーンフォーカス撮影専用モードであり、ストリートスナップで素早くパンフォーカス撮影したいときに重宝するでしょう。さらにプログラムAEもPentaxのハイパープログラムに近い拡張が施され、Pモード中に前ダイヤル操作で実質的な絞り優先、後ダイヤルでシャッター優先のように振る舞い、モードダイヤル中央のボタン(グリーンボタン的機能)で設定をリセットできる「P‐Ex(仮称)」機能が追加されています。このように操作面のブラッシュアップも多数盛り込まれており、自分好みの設定で直感的にカメラを操れる“ツール”として一段と成熟しています。
バッテリー強化と動画機能: GR IVでは新型バッテリーDB-120を採用し、容量アップが図られました。公式にはCIPA基準で1回の充電あたり撮影可能枚数が約250枚とされています(GR IIIは約200枚)。わずかな重量増(約5g)と本体厚の減少にも関わらずスタミナが向上したのは朗報でしょう。もっともGRシリーズ伝統のバッテリー持ちの短さについてはユーザーから長年指摘があり、「重量増がバッテリー容量増加につながっているのか注目している」という声もありました。実際に蓋を開けてみれば電池性能は底上げされており、多少の撮影枚数増加が期待できます。一方、動画性能については従来同様フルHD(1080/60p)止まりで、新たに4K録画対応とはなりませんでした
。2025年発売のカメラとして4K非対応は物足りないとの指摘も多く、「いまどきフルHDまでとは…」と落胆するユーザーもいました。GRシリーズは元々スチル重視のカメラですが、スマートフォンですら4Kが当たり前の時代だけに動画性能据え置きは割り切りを感じます。ただし新たに動画用のカラープロファイル「シネマ調」(シネマティックな色調のイエロー&グリーン2種)も追加されており、あくまで雰囲気映像を撮るための機能として割り切っている印象です。
以上のように、GR IVは「見た目はほぼそのまま、中身は大幅アップデート」と言える進化を遂げています。新センサー+新エンジン、刷新レンズ、5軸手ブレ補正、大容量メモリ、新AFといった中核技術の進化は、GR IVを確実な一歩前進のモデルと位置付けるものです。
画質の向上はある?ユーザー視点で考察
新型GR IV最大の関心事は「本当に画質が良くなっているのか」という点でしょう。リコーは「解像力と階調再現性に優れた高画質画像が得られる」とGR IVの画質向上を強調しています。センサーの有効画素数アップ(+約150万画素)やレンズの改良により、細部の描写力や周辺画質の改善が期待されます。また高感度耐性も向上し、暗所撮影でノイズを抑えやすくなる可能性があります。
しかし、その画質向上の体感度合いは「革命的」というより「着実な進化」との見方も多いようです。SNS上でも「正直、GR IIIと大きな違いが分からないかも」「劇的というより漸進的なアップデートだ」といった声が散見されました。2400万画素級のAPS-Cセンサーは元々高い水準にあり、+2メガピクセル程度の増加は画質よりもトリミング耐性向上といった恩恵の方が大きいという指摘もあります。実際海外メディアDPRの初見レビューでも、「画素数の増加は事実上無視できるレベル」でありノイズやダイナミックレンジの劇的改善は未知数だが、センサーの裏面照射化は周辺部の光量落ち改善などメリットがあるだろうと分析されています。一方でレンズに関しては「周辺のシャープネスがさらに向上」し、特に開放F2.8付近での四隅の流れなどが減少している可能性があります。作例や実写レビュー待ちではありますが、GR IIIでも定評のあった画質が順当にブラッシュアップされていると考えて良さそうです。
総じて、GR IVの画質傾向はGR IIIから大きく逸脱するものではなく、基本路線を維持しつつ弱点を補強した「堅実な進化型」と言えるでしょう。解像感のわずかな向上や高ISO画質の改善はあるものの、GR IIIユーザーが驚くような大飛躍ではないかもしれません。しかし周辺の画質改善や発色・ノイズ処理の熟成、JPEG撮って出しのクオリティ向上など、小さな改良点が積み重なった結果としてトータルの画質体験は確実に底上げされているはずです。
GR IIIユーザーは買い替えるべきか?
新型が出ると気になるのが、既存GRユーザーにとって買い替える価値があるかどうかです。これについてはユーザー間でも意見が割れています。SNS上では「GR IIIからアップグレードする価値は今のところ見いだせない」「自分の撮影スタイルではGR IVでなくとも十分」という慎重な声もある一方、「新センサーと新レンズだけでも魅力充分」「AF速くなってるなら買い替えたい」といった期待の声も聞かれました。
現行のGR III/IIIxを使い込んでいるユーザーほど、GR IVの進化ポイントと自身のニーズを天秤にかけて検討しているようです。コアな画質・AF性能向上を重視するユーザーにとってGR IVは魅力的なアップグレードになり得ます。一方、内蔵フラッシュや4K動画、防塵防滴など「自分が強く望んでいた機能」が今回も見送られたユーザーにとっては、高価なGR IVより手持ちのGR III/IIIxで十分では?という判断になるかもしれません。
価格面も無視できません。GR IVの発売時想定価格は約19万円前後と、GR IIIの発売時(約9万円台)から大幅に上昇しています。約2倍近い投資に見合うだけの魅力を感じられるかは悩ましいところです。あるカメラ系ブロガーは「もしGR IIIを持っていないならGR IVはストリートフォトに最適なカメラとしておすすめだが、GR IIIユーザーならその差額6万円を他のレンズやアクセサリーに充てる方が賢明かもしれない」と述べています。このコメントが示すように、GRシリーズ未経験者にとってGR IVは間違いなく理想的なスナップシューターですが、既存GR IIIユーザーにとっては慎重な判断が必要でしょう。
結論として、GR IIIから買い替えるべきかは「GR IVで強化されたポイント」にどれほど価値を感じるか次第です。速いAFや充実した内蔵メモリによる取り回し向上、より安定した手ブレ補正が自分の撮影スタイルに直結するメリットならば買い替えは有力でしょう。逆にGR IIIの画質・機能で既に満足しており、GR IVで追加された機能にさほど魅力を感じない場合は、今のGRを使い続けるのも十分合理的です。また焦点距離40mm相当のGR IIIxは当面継続販売されるため、28mmが広すぎると感じているユーザーは「GR IVx」(40mm版の次世代機)が出るまで様子を見る選択肢もあります。
GR IV vs GR III スペック比較
| 項目 | RICOH GR III (2019) | RICOH GR IV (2025) |
|---|---|---|
| センサー | APS-C CMOS(裏面照射ではない)24.24MP | APS-C CMOS 裏面照射型 25.74MP |
| 画像エンジン | GR Engine 6 | GR Engine 7 |
| レンズ | 18.3mm F2.8(28mm相当)4群6枚(非球面3枚) | 18.3mm F2.8(28mm相当)5群7枚(非球面3枚) |
| 手ブレ補正 | 3軸(補正効果4段相当) | 5軸(補正効果6.0段中心部) |
| AF方式 | コントラストAF(像面位相差なし) | ハイブリッドAF(位相差+コントラスト) |
| ISO感度(最大) | 102400 | 204800 |
| 内蔵メモリ | 約2GB | 約53GB |
| 記録メディア | SD/SDHC/SDXC (UHS-I対応) | microSD/HC/XC (UHS-I対応) |
| 液晶モニター | 3.0型 104万ドット 固定式 | 3.0型 104万ドット 固定式 (変更なし) |
| 内蔵NDフィルター | 2段分 (ON/OFF/AUTO) | 2段分 (ON/OFF/AUTO)(変更なし) |
| 内蔵フラッシュ | なし(外付けオプションあり) | なし(※GF-2外付けミニフラッシュ対応) |
| Wi-Fi | 2.4GHz | 2.4GHz + 5GHz |
| Bluetooth | 4.2(低エネルギー対応) | 5.0(推定。強化) |
| 電池タイプ | DB-110 リチウムイオン (約200枚撮影) | DB-120 大容量リチウムイオン (約250枚撮影) |
| サイズ | 幅109.4×高61.9×厚33.2 mm | 幅109.4×高61.1×厚32.7 mm |
| 重量(バッテリー込) | 約257g | 約262g |
| 発売時実勢価格 | 約¥100,000前後(税込) | 約¥190,000前後(税込) |
上記の表からも分かるように、GR IVは内部性能が軒並み底上げされています。センサーやエンジン、手ブレ補正、AF、メモリ容量、通信機能、バッテリーなど、多岐にわたってスペック強化が図られました。一方、デザインやコンセプトはGR IIIを踏襲しており、画角28mm・F2.8レンズやボディサイズ、液晶モニター形状などは従来通りです。内蔵フラッシュやEVF(電子ビューファインダー)、可動式モニターといった新規要素の追加もありません。そのため、一見スペック表の数字上では地味にも映りますが、GRファン待望の着実なアップデートであることが読み取れます。
SNSの反応 – 期待と指摘の声
GR IVの発表直後、X(旧Twitter)やInstagramなどSNS上でも多くの反応が寄せられました。ファンからの期待の声と冷静な指摘の声、その両方が入り混じった状況です。主なSNS上の声をまとめると以下のようになります。
●歓迎・期待の声: 最大のポジティブサプライズは内蔵メモリ53GBの大容量化でした。「これならSDカードを挿さずに気軽に撮りに出られる!」といった歓喜の声が非常に多く、日常スナップでの利便性向上を喜ぶユーザーが目立ちました。また、露出補正ボタン復活による操作性向上もGRユーザーから好意的に受け止められています。「直感的にプラスマイナス補正できるボタンが戻って嬉しい」「やっぱりこの方が使いやすい」といった声が上がり、リコーがユーザー要望を汲み取った改良に拍手が送られました。さらに、「GRシリーズがしっかり新モデルを出してくれたこと自体に安心した」「これでまたしばらくGRを使い続けられる」と新モデル登場そのものを安堵し歓迎する声も多く見られ、GRファンのGR IVへの期待度の高さが伺えます。
●失望・懸念の声: 一方で、期待が大きかっただけに「見送られた機能」への失望も少なくありません。最も多く指摘されたのは内蔵フラッシュ非搭載への落胆です。初代GRからGR IIまでは小型ながら内蔵ストロボを備えていただけに、「なぜ今回も内蔵フラッシュを復活してくれなかったのか」「ポケットに入るフラッシュがGRの良さだったのに」と残念がる声が根強く聞かれました。加えて動画が1080p止まりで4K非対応だった点にも「2025年にもなってFHDまでとは…」と厳しい意見が相次ぎました。昨今のコンデジ・スマホの4K対応が当たり前な流れから取り残された印象は否めず、「静止画専用機とはいえ4Kなしは購買意欲に響く」という指摘もあります。さらに記録メディアがmicroSD化されたことにも賛否があり、「扱いづらいmicroSDより普通のSDカードが良かった」との声や、既存ワークフローとの互換性を懸念する意見が見られました。その他にもセンサーへのゴミ混入問題や防塵防滴への非対応**は依然としてユーザーの不安材料で、「レンズ交換式ではない強み(ホコリが入らない)が活かしきれていない」「高級コンパクトなのだから簡易でも防滴がほしい」といった声が上がっています。リコーも対策として前述のように防塵コーティングやホコリ除去機構を強化していますが、「根本的には完全には防げないのでは」と懸念するユーザーもいる状況です。
●価格と入手性: また、価格設定への反応も話題になりました。近年のカメラ全般の値上がり傾向もあり「GR IVは15万円台半ばくらいを期待するけど、下手すると20万円超えもあるのでは…」と発表前から予測する声がありました。実際には税込約19万円となり予想の範囲内でしたが、それでも「さすがに高すぎる」「値上げ幅がエグい」という声は少なくありません。特にGR IIIから約5~6万円もの値上げ幅に対しては、「性能向上分がそのまま価格に転嫁された印象」「このご時世だから仕方ないが気軽に買える値段ではなくなった」といった反応が見られました。同時に入手性への不安もあり、「今回も発売直後は争奪戦でどうせ買えないのでは」「抽選販売ってことは生産数少ないのか?」といった声も散見されました。実際、予約開始直後に主要店で即完売し「予約争奪戦が大混乱だった」という報告もあり、人気ぶりゆえの品薄が懸念されています。
●その他: そのほか、「40mm相当のGR IVx(後継のGR IIIxに相当するモデル)は出ないのか?」という声も根強く、GR IV発表時に40mm版の同時発表が無かったことを残念がるユーザーもいました。リコーはGR IVベースでハイライト拡散フィルター(HDF)搭載モデルも開発中と発表しており、これがモノクローム専用機ではないかという憶測も一部で飛び交っています。今後、GRシリーズが多様なバリエーション展開を見せる可能性にも注目が集まっています。
メディア・レビューサイト・YouTuberの評価
専門メディアやレビューサイト、YouTuberたちもGR IVについて様々な評価・レビューを発信しています。その総評としては、「大きな方向転換はなく小幅なアップデートだが、細かな改良点が積み重なり完成度を高めたモデル」という声が多いようです。
国内カメラ専門誌の『デジカメWatch』は、発表に先立ち行われたメディア向け体験会のレポートで「見た目はほとんど変わらないが手に取ると本体がわずかにスリムになり、グリップ形状も変わってホールド性が向上している」と触れています。実機に触れた印象として、起動の高速化やAFスピード向上は確かに体感でき、「6年越しの正統進化でさらなる高画質を追求したモデル」という評価です。特に背面の露出補正ボタン復活など操作系の変更は、その場にいたGRユーザーからも好評だったと伝えています。一方で「ファームウェア0.0の開発機ゆえ実写での検証はまだだが、期待が高まる一方で内蔵フラッシュ非搭載など惜しい点もある」というバランスの取れた見解でした。
海外メディアではDPReviewが「Ricoh GR IV 初見レビュー: 小さな改良の積み重ね」と題した記事を掲載しました。同記事では「スペック上はマイルドなアップデートだが、それでも比較検証に値する違いが随所にある」とし、5軸手ブレ補正や内蔵メモリ増量、コントロールレイアウトの改良など“小さいけれどユーザー体験に効く改善”を評価しています。ただし価格面には厳しい目を向けており、発売時$1499という価格はGR IIIの$899から大幅アップで「ほぼ倍増」と指摘しています。「最新スペックを盛り込んだ代償とはいえ、この価格上昇はGRファンにとって痛手」という論調で、コメント欄でも「小型APS-Cカメラがここまで高額になるとは」「それでもEVFや4Kもないのに…」と辛辣な意見が寄せられていました。
日本のガジェット系ブログやYouTuberからも様々なレビューが上がっています。あるブロガーは「進化ポイント自体は魅力的だが防塵防滴なし・4Kなし・フラッシュなし・EVFなし・チルト画面なしでは、価格に見合うか疑問も残る」という辛口の意見を述べています。事実、GR IVで要望の多かった防滴や内蔵ストロボは実現せず、その点を惜しむレビューは少なくありません。ただ、「それらを差し引いてもGR IVは現行で唯一無二の存在」という擁護もあります。GRシリーズの競合となり得る富士フイルムX100シリーズやソニーRX100シリーズとの比較では、レンズ交換なしの潔さとポケットサイズAPS-C機というGRの独自性は健在との評価です。X100V/VIなどは画角やファインダー内蔵、防塵に優れるもののサイズは大きく価格も高騰しています。そのため「最もポケットに入る高画質カメラ」というGRの立ち位置は揺るがず、依然ストリートスナップ愛好家にとって魅力的な選択肢だと述べるレビューもありました。
YouTube上でも写真系YouTuberたちがGR IVのハンズオン動画を公開しています。あるGR愛用の写真家は「AFが明らかに速くなっていて感動した」「操作系も昔のGRらしさが戻って使いやすい」とポジティブな第一印象を語っています(※InstagramライブやYouTube動画より)。また別のレビュアーは「画質は正直GR IIIと劇的差は感じないが、細部のチューンナップが利いていて撮影体験は向上している」とコメントし、特に内蔵メモリ増加による書き込み待ちストレスの軽減や、Snモード追加によるスナップ撮影の楽しさを評価していました。総じて映像系ではなく写真撮影に振り切った尖ったカメラとして、賛否両論含め話題性は高く、多くのメディアが注目しています。
まとめ – GR IVはどんなユーザーに向いているか

(本能ブログ さじゃん撮影 GRⅢx HDF)
リコーGR IVは、GRシリーズの伝統を守りつつ着実な進化を遂げた「究極のスナップシューター」です。では、このカメラは具体的にどんなユーザーにフィットするのでしょうか。
向いているユーザー: まず真っ先に挙げられるのは、ストリートスナップや日常スナップを愛する写真家・ハイアマチュアです。ポケットに収まるサイズでありながらAPS-C大型センサーと切れ味鋭い単焦点レンズを備え、高感度にも強く手ブレ補正も強化されたGR IVは、街角の一瞬を高画質で切り取るのに理想的な道具と言えます。
でも指摘されているように、初めてGRシリーズを手にする人にとってGR IVは現行最高の選択肢でしょう。「スマホでは物足りないが大きな一眼は持ち歩きたくない」というスナップ派には、携帯性と画質のバランスで他に代え難い魅力があります。また、高速化したAFや充実した内蔵メモリはストリートでの機動力をさらに高めてくれるため、決定的瞬間を逃したくないスナップシューターに向きます。
一方、向いていないユーザー/注意が必要なケースもあります。例えば「動画撮影を重視する人」や「ファインダー撮影をしたい人」、あるいは「悪天候下でも気にせず使いたいアウトドア派」には、GR IVは機能的に物足りないかもしれません。4K動画非対応、EVF非搭載、防塵防滴なしという点は、まさにその種のニーズに応えていない部分です。動画も写真も両方楽しみたいなら他社のVlog向けカメラやスマートフォンの方が適しているでしょう。同様にスタジオ撮影やマクロ撮影をメインとする人には固定式モニターの不便さ(チルト不可)もあります。
既存GRユーザーへの推奨度: GR IIIからの買い替えについては先述の通り意見が割れますが、GR IIIに不満があったポイント(AFやバッテリー、周辺画質など)がズバリ改善されているなら前向きに検討して良いでしょう。特にGR IIIでAFの遅さにストレスを感じていた人、暗所手持ち撮影が多く手ブレ補正強化を切望していた人、あるいは日常的に何千枚も撮ってメモリーカードをよく忘れる人には、GR IVのアップデートは魅力的です。また、これまでGRに興味がありつつ購入に踏み切れなかった人にも、GR IVはエントリーする絶好のタイミングかもしれません。価格は上がりましたが、その分最新スペックが凝縮され長く使える一台となっています。
最後に付け加えると、GR IVは「スペック以上に撮影体験で語られるカメラ」だという点を忘れてはいけません。数字や機能一覧では測れない“スナップシューターとしての本質”を突き詰めてきたGRシリーズだけに、実際に手に馴染ませて撮影してみて初めて分かる良さがあります。GR IVがもたらすであろう快適なスナップ撮影体験は、プロ写真家から熱狂的ファンまで多くのユーザーに愛されることでしょう。コンパクトカメラ市場が縮小する中でも独自の地位を築くGRシリーズ、その最新モデルGR IVがどんな写真表現を可能にしてくれるのか、これからのレビューや作例にも注目していきたいところです。


