本能ブログ【東京とカメラといろいろと】

メンバー全員経営者■ブロガー■好き→ロレックス・ベンツ・ポルシェ・ライカ・RIZIN・バチェラー・韓国エンタメ・ハイブランド・旅行東京グルメ□ブロガー集団■富裕層のライフスタイル”本能ブログ■

「ハッテン場」を正しく理解する〜”人気アイドルグループメンバー逮捕”の報道をきっかけにまじめに考えた〜

みなさんこんにちは、今回は少しまじめなトモGPです。10月4日未明、某人気アイドルグループのメンバーが、東京・新宿区のビル出入口付近で下半身を露出した疑いで逮捕され、6日午後に釈放されました。所属事務所は該当メンバーの活動休止を発表しました。

今回の報道を受け、「ハッテン場」という言葉がSNSやコメント欄で飛び交っています。ただし、今回の報道と“ハッテン場”を安易に結びつけるのは早計です。まずは言葉の意味や歴史、現代の実態、そして社会的な論点を、以前記事にさせていただいた自分の体験談も踏まえた上で、一般の方にもわかるように整理していきたいと思います。

www.honknowblog.com

ハッテン場とはなんなのか?

ハッテン場(発展場)とは、主に男性同性愛者が匿名で相手を見つけ、その場で性的関係に発展しやすい場所を指す俗称です。もともと有料・無料(公共空間)の両タイプがあり、ゲイ向けサウナや個室ビデオ、バーのように「その用途を前提とした有料発展場」と、公園・銭湯・公衆トイレなどが結果として“出会いの場”として使われてしまうケースに大別されます。英語ではcruising(クルージング)と呼ばれる文化に近いものです。

ポイントは、“場所”そのものが多様だということ。運営側がルールを設けプライバシー配慮や年齢確認を行う有料施設もあれば、本来の用途から逸脱して公共空間が“流用”されてしまう例もあり、ここに賛否や摩擦が生まれがちなのです。また有料施設であっても”ハッテン場”であるという情報は公にされていることは少ないので、自分の様に出張先で予約したホテルがまさかの”ハッテン場”であった、なんていうケースにもなったりするわけなのです。

どうして生まれどう変わってきたのか?

(以前知らずに予約してしまったハッテン場として利用されているビジネスホテル)

戦後の日本では同性愛者が公に出会える場や手段がきわめて限られていたため、人目を避けた“匿名の出会いの回路”が必要とされ、都市の公園や浴場などに自然発生的な出会いの場が形成されました。のちに都市部を中心にゲイタウンや有料発展場が整備され、さらにインターネットやスマホアプリの普及で、オンラインで相手を探し個別に会うスタイルも広がりました。つまり、屋外→屋内→オンラインと、多層化してきたのが現在までの大きな流れと言えるでしょう。

法律の視点 : 公共空間での"露出"はなぜ問題なのか

ここで用語の議論とは別に”公然わいせつ”という犯罪に」ついてもまとめておこうと思います。まず公共の場での露出など“公然とわいせつな行為”は刑法174条に触れます。条文上は「6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金、拘留、科料」が規定されています(2025年6月施行の改正で「懲役」が「拘禁刑」に置換)。「公然」とは“不特定多数が認識できる状態”を意味し、当事者の同意があっても公共性があれば成立し得るのです。ここが重要なポイントです。

したがって、露出行為そのものは“ハッテン場かどうか”に関係なく、場所や状況次第で公然わいせつに該当し得ます。逆に、有料の専用施設内で運営ルールに従って行為がなされる場合、“公然性”の成立状況は異なることが多いと思われます。法的評価は具体的事実によってまったく変わる、という点は押さえておきたいところです。

現代の実態 : 専用施設と公共空間、そしてアプリ時代へ

では現代の男性同性愛者同士の出会いの実態はどの様になっているのでしょうか?

・専用(有料)施設:ゲイ向けサウナ、クルージングバー、個室ビデオなど。入場管理や年齢確認、館内ルールの周知など、一定の秩序のもとで運営されるのが一般的。匿名性と安全性のバランスを取ろうとする工夫がみられます。

・公共空間の“流用:夜の公園や公衆トイレなどが出会いスポット化する例。周辺住民や一般利用者との摩擦(治安・衛生・プライバシーの問題)が起きやすく、自治体は照明・見回り・植栽管理などの環境整備で抑止を図ることがあります。

・オンライン化:アプリで相手を見つけ、ホテルや自宅へ移動して関係を持つパターンが拡大。屋外“現地発展”の比重は、都市部ほど相対的に低下していると指摘されます。現代の出会いの場は同性愛者であっても”オンラインが主流”であると間違いなく言えるでしょう。

社会的な議論 : ステレオタイプと現実の距離

勘違いをしないでいただきたいのが、ハッテン場はあくまでゲイカルチャーの“一側面”であって全てではないということです。多くのゲイ男性が特定のパートナーと安定した関係を築いており、もちろんハッテン場を利用しない人も多数います。にもかかわらず、“ゲイ=露出や乱交”といったステレオタイプが先行し、一部の行為がコミュニティ全体のイメージとして拡大拡散されがちなのです。多様性が求められる現代において、用語の正確な理解と個々の尊重がいままで以上に求められていると、今回の報道を受けより強く感じました。

また、公共空間の“流用”は違法性や迷惑の問題を生みやすく、批判が起きる理由も理解できます。一方で、歴史的には社会的な制約の下で“匿名の逃げ場”が必要だったという事情もありました。ここはルール順守と当事者の尊厳という両面から、現実的な落とし所を今後は模索していく必要のある課題だと思います。

今回の報道と"ハッテン場"を混同しないために

改めて今回の事件において現時点で報じられているのは、

・10月4日早朝、新宿区のビルの出入口付近で露出があったとする容疑で逮捕

・10月6日に送検され、その後釈放

・所属事務所が活動休止を発表

という事実経過です(各社報道)。“どのような意図・経緯だったのか”などの詳細については、当局の判断や今後の公式発表を待つほかありません。SNSでは憶測を含め様々な情報が飛び交っていますが、犯行のあった場所が“ハッテン場だった”と断定できる公的情報は実は示されていません。したがって、本件をハッテン場文化と直結させて語るのは本来は適切ではありません。

しかし同時に、今回のような公共空間での露出が問題視される理由(刑法174条)や、オンライン化が進むなかでも”匿名の出会い文化”が残る背景を理解しておくことは、無用な偏見の拡散を防ぎ、事実と価値判断を分けて考える助けにもなってくれるのです。

まとめ : 言葉を正しく使い事実で議論する

ハッテン場は、主にゲイ男性の匿名の出会いと即時的な関係を指す言葉。有料施設と公共空間の“流用”があり、歴史的・社会的背景を踏まえて理解する必要があります。

・公共空間での露出などは、刑法174条の対象となり得ます。場所や状況次第で法的評価が異なる点に注意。

・今回の報道は、逮捕→送検→釈放、活動休止発表という手続き上の事実が中心で、ハッテン場との関連を示す確証は現時点でありません。混同せず、公式情報を基に議論を。

感情的なラベリングや憶測でコミュニティ全体を批判するのではなく、言葉の定義と事実関係を分けて考える、その姿勢こそが、当事者の尊厳と公共の秩序のちょうどいい接点を探る第一歩なのだと、今回の事件をきっかけに改めて強く感じました。

www.honknowblog.com