香港映画大好き、トモGPです。2024年、香港映画史に残る一本の熱い作品が誕生しました。それがソイ・チェン監督による「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」です。香港では歴代No.1の大ヒットを記録し、第43回香港電影金像奨(香港のアカデミー賞)で作品賞を含む9部門を受賞するなど各方面で絶賛されたアクション超大作が、先日ついにサブスクでの配信が開始されたました。というわけで今回は、「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」サブスク解禁を記念し、この作品の魅力と、香港アクション映画の進化について触れていきたいと思います。
トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦
「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」はソイ・チェン監督による、1980年代の香港・九龍城砦を舞台に、裏社会の抗争と絆を描いた超大作です。主演にはルイス・クーが扮する九龍城砦の伝説的リーダー役をはじめ、レイモンド・ラム、サモ・ハン・キンポー、アーロン・クォック、リッチー・レンなど、香港映画ファンには馴染み深いレジェンド俳優が勢揃いしています。さらにテレンス・ラウ、フィリップ・ン、トニー・ウー、ジャーマン・チョンら若手実力派も加わり、幅広い世代の豪華キャスト陣が作品を彩っています。
あらすじ
1980年代の香港。大陸から密航してきた孤独な青年チャン・ロッグワン(陳洛軍)(レイモンド・ラム)は、不法滞在者から抜け出すため身分証を手に入れようと暗黒街で奔走します。しかし黒社会の大ボス(サモ・ハン・キンポー)の非道な罠にはまり、逆に命を狙われてしまう。逃げ込んだ先が“法外のスラム”と呼ばれる九龍城砦でした。城砦を仕切る伝説の拳豪龍捲風(ロンギュンフォン)(ルイス・クー)やその右腕信一(ソンヤッ)(テレンス・ラウ)、無愛想だが面倒見の良い医師四仔(セイジャイ)(ジャーマン・チョン)ら城砦の住人たちと触れ合う中で、ロッグワンは初めて心を許せる仲間と居場所を得ます。しかし平穏も束の間、外部の黒社会勢力による城砦侵攻が迫り、宿敵となった大ボス一味との死闘は避けられない状況に。ロッグワンは仲間たちと共に自由と絆を懸けた最後の決戦に身を投じていきます。
アクションスタイルと撮影技術
本作の最大の見どころは、壮絶なアクションシーンの数々です。監督のソイ・チェン自身「香港映画の復活の狼煙」と称するように、本作は往年の香港アクション映画を彷彿とさせる派手なカンフーアクションで観客を圧倒します。格闘シーンでは中国武術の要素をベースに、生身の激突感を重視した振付けがされており、パンチやキックが観客に直撃してくるかのような臨場感が感じられます。
撮影面で最も注目すべきは、やはり約5,000万香港ドル(約9~10億円)九龍城砦の巨大セットでしょう。すでに実在しない伝説のスラム街・九龍城砦を、当時の写真資料などを基にスタジオ内に精密に再現しており、そのスケールとディテールは圧巻の一言。上下左右に無秩序に増築された高層バラック、無数の配線や看板が縦横に走る路地、雑踏の喧噪、まるでスクリーンに九龍城砦が蘇ったかの様な錯覚を覚えるほどです。豪華なセットと特撮によって生み出される夕方の九龍城砦の姿は、まるで「ALWAYS 三丁目の夕日」を彷彿とさせる様で、このアジア特有のノスタルジー感は我々日本人にとってもたまらないものがあります。
クラシック香港アクション映画との比較
(※プロジェクトA)
本作『トワイライト・ウォリアーズ』は、「ジャッキー・チェン作品全般」、「男達の挽歌」、「イップマン」といった過去の香港アクション映画の伝統を受け継ぎつつ現代的にアップデートされた作品であると言えるでしょう。まず作品を観た率直な感想として、「トワイライト・ウォリアーズ」におけるアクションシーンは、ジャッキー映画直系のもはやクラシックともいえる香港映画伝統のカンフーアクションといった印象を強く受けました。香港映画の一つのターニングポイントとも言える作品は、とにかくVFXを多様した2001年公開の「少林サッカー」だと思います。正直鑑賞前までは、この「トワイライト・ウォーリアーズ」のアクションシーンも「少林サッカー」的なVFXバキバキなものであることをを想定していました。しかし実際にはそんなことは全くなく、ジャッキー譲りの肉体派アクションと「イップマン」で完成されたワイヤースタントの融合は、絶妙なケレン味を帯びた極上のカンフーアクションとして観るものの目をスクリーンに釘付けにします。
(※男達の挽歌)
シンプルな勧善懲悪+義侠心ドラマの系譜だったり、兄弟的絆を前面に出す点はまさに「男たちの挽歌」を連想させ、また香港の地元魂を鼓舞する部分なんかは「イップ・マン」シリーズの愛国心にも通じるものがある様に感じます。
蘇る黄金時代と受け継がれる伝統
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』は、香港映画の黄金時代への郷愁と、現代ならではのアップデートが見事に同居した作品でした。長年香港映画を追いかけてきたファンにとって、本作は懐かしさに浸るだけでなく未来への希望を感じさせてくれる一本になったのではないでしょうか。ジャッキー・チェンやサモ・ハンのいたあの頃の熱気、ジョン・ウーの映像美やドニー・イェンの切れ味鋭いバトル…そうした宝物のような記憶を呼び覚ましつつ、それらを現代的に洗練させた新次元の香港映画がここにあります。ノスタルジーと革新の完璧なバランスで作られた『トワイライト・ウォリアーズ』は、香港映画の現在地を示すと同時に、これから先の未来への道筋をも照らしているように思えます。
香港映画ファンなら必見、そしてこれから香港映画を知ろうという人にも全力でお薦めしたい本作。九龍城砦での熱き戦いに心躍らせながら、香港アクション映画の持つ無限の魅力と可能性を改めて感じてみてはいかがでしょうか?

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