韓国ドラマは時間が溶ける!トモGPです。先日久しぶりにハマった韓国ドラマがありました、それが2021年に放送された「九尾の狐とキケンな同居」です。”ファンタジー×ラブコメ”といったちょっと異色なこの作品。派手な設定なのに、見終わる頃には妙に清々しい気分になれる絶妙なバランスを持つこの作品の魅力を今回はお届けしたいと思います。
九尾の狐とキケンな同居
あらすじ
主人公は、見た目も中身もは完璧なスペックなイケメン、しかし本当の姿は長い年月(999年)を生きてきた九尾狐・シン・ウヨ(チャン・ギヨン)。1000年を迎えるその日までに、玉に人間の精気を集めて、それが青く染まれば人間になれると言われている。 一方、99年生まれのイ・ダム(イ・ヘリ)は言いたいことをはっきりと言う今時の女子大生。ある日、ひょんなことからウヨの大切な玉をダムが飲み込んでしまう。その飲み込んでしまった玉をダムの身体から取り出す方法を見つけるため、ウヨとダムの危険な同居が始まる。
主人公が人間ではなく、999年生きている”九尾の狐”といういきなりトンデモ設定なこの作品。一見するとハードルが高そうですが、同じく主人公が人間ではなく精霊だった「トッケビ」(2016年コン・ユ主演)という作品をご存知であればそこまでこの設定には驚くことなくドラマに入っていけるかなと個人的には思っています。
そしてこの同居のきっかけとなる”玉を飲み込む”という事件が、単なるラブコメの口実じゃなくて、“期限”と“危険”に繋がり、その結果、甘い同居の空気に常に「これ、放っておくとまずいかも」という緊張感が生まれます。タイトル通り「キケン」がしっかりと機能してるのです。
”大人の余裕”と”等身大のがむしゃら”の化学反応
チャン・ギヨン演じるウヨは、基本的に落ち着いていて、知的で、距離感も紳士的。999歳という設定が”典型的なファンタジー”ではなく、“感情の出し方が不器用”とか“人間の常識とズレる”みたいな形でリアルに表現されています。
対するヘリ演じるダムは、現代の女子大生としてのテンポ感があり、怖いものは怖いし、ムカつく時はムカつく、でも大切なものは守りたい。今風ではあるものの芯があり真っ直ぐで、見ていてとても気持ちの良いキャラクターです。恋愛ドラマで重要なポイントって、実はこの気持ちよさだったりストレスの少なさだったりします。
この二人がぶつかると、ウヨの“余裕”がダムの“正直さ”で揺さぶられて、逆にダムの“強がり”がウヨの“優しさ”でほどけていく。恋が進む過程にちゃんと説得力があるから、”胸キュン”が決して軽くなく、自分の様なアラフィフのおっさんが見ていても心を揺さぶられます。
胸キュンが記号ではなく「物語の結果」として繋がる
ラブコメって、ときどき「ここで抱き寄せとけば視聴者喜ぶでしょ?」みたいなイベント消化、悪く言えば子供騙しにどうしてもなりがちです。しかし本作では、同居生活の積み重ねというものがしっかりと効いてくるわけです。宣伝文句として“胸キュンシーン盛りだくさん”と押しているものの、そういう“お約束”が単なる記号に見えないのが今作の強みだと思います。
個性が強いサブキャラ達
メイン二人が良くても、周辺キャラが弱いと作品としての密度は落ちます。しかし『九尾の狐とキケンな同居』は脇が非常に良い。特に、ウヨと長い因縁を持つカン・ハンナ演じるヤン・ヘソンが物語の温度を変えてくれます。恋愛にやたら詳しい(つもりの)ムーブが非常にコミカルで、めちゃくちゃ綺麗なそのビジュアルと相反する感じが、重くなりそうな場面をふっと軽くしてくれます。
さらに、他にもダムの友人など、学生パートの空気が“ちゃんと青春”しているのでメインのファンタジーが浮きすぎないのも見ていて心地よいポイントです。
”ファンタジーの皮を被った成長物語
九尾狐が人間になりたい理由って、作品によっては「人間の方が上」みたいに単純化されがち。でも本作は、孤独・時間・選択の重さがベースにある。長く生きるほど、別れも積み上がるし、守りたいものを失う怖さも増える。だからこそウヨの恋は、ただの“初恋”じゃなくて、「今さら誰かを本気で好きになるリスクを取れるのか?」という問いにも見えてくるわけです。ラブコメとして見てるのに、ふと人生の話になってくる瞬間があり、こういった部分がこの作品をより味わい深いものにしてくれるのです。
こんな人におすすめ
・重すぎないファンタジーが好き(でも設定はしっかり欲しい)
・胸キュンを浴びたいけど、ベタな恋愛ドラマは苦手
・サブキャラの恋や友情もちゃんと楽しみたい
・“癒し”と“ハラハラ”の両方が欲しい
全16話と、ラブコメとしての満足感が出やすい尺感なのも嬉しいところ。
『九尾の狐とキケンな同居』の魅力を一言で言うなら、「甘さの中に、覚悟がある」。軽やかな同居ラブコメとして笑ってキュンとして、でも最後は“選ぶこと”の話としてちゃんと心に残る。だから、疲れてる時にも見られるし、見終わると少し元気がでます。ファンタジーものが苦手な人にもぜひ見ていただきたい作品です。


