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”枯れジャッキー”なんて言わせない!?『シャドウズ・エッジ』がキャリア史上に残る面白さだった

香港映画界のレジェンド、ジャッキー・チェン。彼の名を聞くだけで、自分の様に胸を躍らせる映画ファンも多いのではないでしょうか。そんな僕らのヒーロージャッキー・チェンももう72歳とすっかりおじいちゃんです。当たり前ですが以前の様なアクション大作はほとんど作られなくなりました。しかし最近は”枯れジャッキー”なんていう愛称とともに、アクションだけではなく年を重ねた味のある演技が再評価され再び彼の出演作品に注目が集まっています。そんななか昨年公開されたジャッキー・チェン主演の新作映画「シャドウズ・エッジ」は、まさかの再び”アクション”を全面に押し出した内容というではありませんか。色々と大丈夫なの?という一抹の不安を抱えながらも、ようやく配信も始まったということで早速観てみたのですが、これが驚くべき傑作でした。

まるで「オーシャンズ11」かの様な華麗なオープニング

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映画が始まって数分、まず”つかみ”として繰り広げられる強盗団の逃走シーンからいきなり圧巻です。洗練されたカット割り、クールな音楽、そして目的を果たすために集められたプロフェッショナルたちがスタイリッシュに動き出すそのオープニングは、あの名作「オーシャンズ11」を彷彿とさせる雰囲気すら醸し出しています。

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かつて当ブログでも熱く紹介した「トワイライト・ウォリアーズ」は、香港アクション映画の魂を継承した素晴らしい作品でした。しかし、その濃密さゆえに、万人に薦められるかと言えば、決して大衆向けとは言い難い、コアな熱量を持つ作品でもありました。対してこの「シャドウズ・エッジ」は違います。香港映画特有のアクションのキレや泥臭さはそのままに、誰もが心から楽しめる”エンターテインメントの王道”の香りが、オープニングからビンビン伝わってきます。

”アナログ”な刑事 vs ”サイバー”犯罪組織

物語の主軸となるのは、伝説のロートル刑事であるジャッキーが率いる”アナログな追跡班”。デジタル全盛の時代に、足で稼ぎ、直感と経験を頼りにターゲットを追い詰める彼らの潜入捜査は、どこか懐かしくもヒリヒリするような緊張感に満ちています。

彼らが対峙するのは、コンピュータやAIを駆使する謎のサイバー犯罪組織。そのボス”影”を演じるのがレオン・カーフェイです。彼が登場した瞬間の画面の支配力といったらありません。圧倒的な貫禄、揺るぎない眼差し、そして同時に漂う知的な狂気。敵役であるにもかかわらず、その立ち振る舞いは痺れるほどカッコよく、観客はいつしか彼の一挙手一投足に釘付けになってしまうはずです。

アクションと頭脳戦が織りなす極上のスリル

本作の魅力は、単なるアクション映画に留まらない点にあります。潜入捜査という設定を活かし、ハラハラするようなスリリングな展開が随所に盛り込まれています。「アクション一辺倒ではない」ことが、この作品をより重層的なエンタメへと引き上げています。

ストーリーもまた、非常に巧みです。一本道かと思いきや、物語は二転三転し、観客の予想を裏切り続けます。アクションで魅せ、頭脳戦で翻弄する。この緩急の付け方は、これまであまりなかった本音映画の新しい形のように感じます。ま

主人公はむしろ敵の方?

今作の大きな特徴であり特筆すべき魅力は”敵にもストーリーがある”ということです。むしろ主人公サイドのドラマ以上に、敵対組織のバックグラウンドや個々の抱える哀愁が非常に濃密に描かれています。

今作を観るうえで重要なのは、本作を”ジャッキー映画”として観ないことです。”メインキャストの一人がジャッキーである”という視点で捉えた方が、今作を最大限に楽しむことができますし、実際観ている途中からそういう気分になりました。とにかく群像劇としての完成度が非常に高く、悪役サイドに感情移入してしまう瞬間さえあります。勧善懲悪の枠を超え、人間模様の深みを追求した内容は、これまでのジャッキー映画の固定観念を大きく覆してくれます

と言いながらも、エンドロールでは往年の香港映画を彷彿とさせるNG集を流したりする遊び心に、ファンとしてはたまらない気持ちにもなったりします。これは単なる過去の焼き直しではなく、香港映画界が歩んできた歴史への深い敬意と、観客に対するサービス精神の表れだと感じました。新しさの中に漂うこの懐かしさが、本作をより一層”香港映画”として定義づけているのだと感じました。

まとめ

『シャドウズ・エッジ』は、アクションの興奮、予測不能な展開、深みのある人間ドラマ、そして映画ファンをニヤリとさせる演出までが織り交ぜられた極上のエンタメアクション大作でした。最近のジャッキー映画はちょっと……とスルーしていた人も、ぜひご覧になっていただきたいと思います。本作は、間違いなく現時点での”枯れジャッキー”作品における最高傑作であるだけでなく、彼の長いキャリアの中でもトップクラスに面白い作品なのではないでしょうか。香港映画の新たな可能性を感じさせる、極上のエンターテインメント体験をみなさんもぜひ。

 

 

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