皆様は、マセラティという自動車会社をご存知だろうか?BMW,ベンツ,Audiは知っていてもマセラティとかアストンマーチンとか聞いたこともない人も多いと思う。
本能的愛車遍歴
若い頃から車好きで、愛車遍歴の90%が輸入中古車で占められその歴史をメーカーだけで列記すると、免許取得後
Audi→PORSCHE→PORSCHE→ダイハツ→Alfa Romeo→Maserati→Audi→PORSCHE
という生粋の輸入中古車好きだと、悪く言うと病気だと思っていただきたい(笑)
イタリア車って・・・
まず、Maseratiという自動車メーカーはイタリアという変態的なスポーツカーばかりを生産する国(FERRARI、Lamborghiniのお膝元)で作られたスポーツカーメーカーであり現在はフェラーリ、Alfa Romeoなんかとだいたいおんなじグループに属すると思って良いメーカーである。
自分とイタリア車との出会いは2008年頃にとある、イタリア車好きのカフェオーナーとの出会いだった。彼が語るイタリア車の世界はとても魅惑的でドイツ車と日本車しか乗ったことがない自分からすればとても刺激的な話だった。どう刺激的だったかは後述するが笑。そんな彼は今でもジウジアーロデザインのフィアット・パンダという名車に乗り続けている。そんな彼に洗脳され、イタリア車ディーラーでAlfa Romeoの試乗をすることになる。そのときに乗っていた愛車はダイハツのムーヴカスタムというクルマであった。ずっと輸入車畑で来た自分が事業が不調でクルマに資金をかけられなくなり、キャッシュを作るために趣味のクルマをあきらめ仕事に専念していた時期であった。
日本の軽自動車は日本に住んでいると分からないかもしれないが、非常に特殊なガラケーみたいな車だということをご存知だろうか。この安全規格、剛性、エンジン出力は欧米各国では基準をクリアできない可能性がある低スペックな自動車だということ、軽自動車をディスりたいのではなく事実そうだということをお伝えしたいだけなのだ。だが、なぜここまで日本で軽自動車が一般的に流通しているかというと維持費の安さにある。とくに自動車税は
普通車カローラ(ガソリン車)
1リットル超~1.5リットル以下 34,500円
軽自動車
一律 10,800円
これだけ違うのである。地方都市や子供がいる世帯などでは2台所有しなくてはならないことも多く、維持費が安く、燃費も良い軽自動車が売れて当然の流れなのである。知っている方も多いとは思うが、普通自動車の中古車より、軽自動車の中古車のほうが値段が高く値段が落ちづらいという特徴が今の日本の中古車市場の特徴である。新車の販売価格も本来性能の高いコンパクト普通自動車(カローラ、ノート等)に比べると軽自動車はほぼ同等かグレードによっては高かったりする。なんか変だよ日本人(日本車)状態なのである。
そこに来て、90年代2000年代の輸入車、はたまたイタリア車の日本人の認識は
とにかく壊れる
維持費が尋常ではない
見た目だけ
誰が言ったのかネガキャンのオンパレードだった.....いやネガキャンだったら良いのだが品質はこの通りだったらしいということを聞いたことがある。自分がイタリア車に興味を持った頃のAlfa Romeoは、親会社のフィアットがアメリカのクライスラーを統合しという字のイタリア車に不足していた強さをアメリカ車の技術融合によって得ようとしていた時期だった。自分が購入した(生涯唯一の新車)Alfa Romeo159というクルマもまさにクルマのコンポーネントのほとんどはアメリカのクライスラーのものだったと聞く。正直新車価格で言うと、450万前後だったはずでライバルであるBMW3シリーズ、MercedesのCクラスは普通に買える値段帯だった。
↑アルファロメオ159(カーセンサーから画像をいただきました、自分の愛車の写真が見当たらず)
なぜ、イタリア車そしてAlfa Romeoを買おうと思ったのか。
今まで乗ってきたドイツ車と日本車とまるで違い、
官能的でとても楽しい車だったから
どこがと言われると文章にするのはとても難しいのだが、フェラーリ/ランボルギーニをイメージしていただければわかると思うが
中二病全開のデザインと珍走団バリのエンジン音
デザインとエンジンだけで勝負している国イタリア。(言い過ぎか)
いや、ボディ剛性はドイツ車に遠く及ばないし(当時)機械としての信頼度も劣る。けれどもAlfa Romeoやfiatのような小さい排気量の車であっても元気よく回るエンジンキビキビと走る軽快感。本当の駆け抜ける喜びはここにあったのかと。そんなこんなでイタリア車の魅力にすっかり取り憑かれてしまった自分はイタリア車についてリサーチを開始。当時フェラーリで言えばF430というモデルが人気でランボルギーニで言えばガヤルドという車がライバル関係にある状態。もちろん、見るのも乗るのもAlfa Romeo、FIAT以外にしたことなかった自分は当時、Alfa Romeoディーラーと併設されていたフェラーリ、マセラティディーラーのとあるパーティー・イベントに招待された。そこでは、当時のマセラティクワトロポルテ、マセラティグラントゥーリズモ、フェラーリ458イタリアに試乗させていただいた。
死ぬほどの恋ならぬ、死ぬほどの衝撃。
カタギの車には戻れない衝動。
本当に同じクルマなのかと思うえるほど、違う乗り物に乗っているようだった。踏むと聞こえてくるサックスやホルンのような金管楽器のような音色。まさに楽器だった。
トンネルに入ると自分がシューマッハ担ったような錯覚を覚える高音の嘶き、これがフェラーリなのか。フェラーリで身を滅ぼしたなんて人が昔からいるがこれが原因なのかと。その夜は本当に眠れないぐらい興奮した。
まず、この3台に共通するのはNAのフェラーリエンジンが搭載れていた、ということ。車に詳しくない方のために少し説明するが現行の乗用車やスーパーカーは排ガス規制、燃費規制のため「ターボ車」がほとんどである。現在売っているフェラーリやPORSCHEもターボのモデルがほとんど。しかし、燃費性能を手に入れて失ったものは
NAエンジンの官能的なエンジン音
なのである。このフェラーリV8エンジンの音は一度聞いたり運転したら一生忘れられない麻薬のような魅力がある。Alfa Romeoに乗っていたのだが一応NAエンジンだったが世界が違いすぎて、悔しかった。いや、Alfa Romeoもいい車なんだが世界観が違いすぎた。サッカー選手もファンタジスタとリアリスタがいるというが、間違いなくフェラーリ、マセラティはファンタジスタの部類である。アルファロメオはファンタジーではなく、イタリア車の楽しさを凝縮したリアリスタよりの車なのだ。そこで、Alfa Romeo納車一年目の自分は心でこう誓うのである。
絶対に、死ぬまでフェラーリNAエンジンの車を所有する、買う、乗る!
と。本当に強く強く願ったと思うし、それに向けての本業の努力もしたと思う。少し前まで軽自動車に乗っていた人間がフェラーリやマセラティを本気で買おうとしていたのである。
軽自動車 200万円
アルファロメオ159 450万円
マセラティグラントゥーリズモ 1600万円
いや、無理である普通(笑 )軽自動車が何台買えるのであろうか。アルファロメオですら約4台分。でも、いつか乗れると信じてアルファロメオ159でドライブしながら憧れを捨てきれずにそのまま2年の月日が流れた。
後編へつづく