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ハッセルブラッド”X2D 100C”開封の儀 作例あり Leicaラバーが「一億画素 中判カメラ」に惚れ込んだ理由とは?

Leica M11 や Q3 に心酔してきたライカジャンキーの本能ブログさじゃんです。以前から気になっていた脅威の一億画素の中盤センサー搭載のHasselblad X2D 100C を導入しました。100 MP の中判センサー、16-bit カラー、1 TB 内蔵 SSD――スペックを追うほどに「これこそ究極の静止画マシン」と確信し、導入に踏み切った次第です。まずは開封の様子と、実戦投入直後の作例を交えながらレビューします。すでに公開している、Honknow Vlog Projectの動画でもメイン機として多数作例が登場しますのでぜひ、ご覧いただけたらと。

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ハッセルブラッドの歴史 ――月面を写したブランドの系譜

Year 主要トピック 解説
1841 F.W. Hasselblad & Co. 創業 スウェーデン・ヨーテボリで貿易会社として設立
1941 軍用航空カメラ HK-7 スウェーデン空軍向けに設計された初のハッセルブラッド製カメラ
1948 1600F 発売 世界初のモジュール式 6×6 SLR、中判システムの礎を築く
1962 NASA との共同開発開始 マーキュリー計画で 500C が正式採用、宇宙撮影のスタンダードに
1969 アポロ11号 月面撮影 500EL Data Camera が人類初の月面写真を記録
2015 DJI が少数株取得 ドローン大手 DJI が戦略的パートナーとして参画
2016 X1D 発表 世界初のミラーレス中判カメラでポータブル路線を開拓
2017 DJI が過半数株取得 DJI が過半数を保有し、ハッセルブラッドが実質的に DJI 傘下へ
2022 X2D 100C 発売 100 MP BSI センサー・16-bit RAW・1 TB SSD を備えた旗艦機

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中判カメラとは?(フィルム時代の基礎)
フォーマット:120/220 ブローニーフィルム使用。代表的な画面サイズは 6×4.5 cm、6×6 cm、6×7 cm など。35 mm(36×24 mm)より 2–3 倍の面積を持つため、同じ被写界深度を得るには絞り開放寄りで OK → 立体感のあるボケ が生まれる。

画質特性:粒状性がきめ細かく、トーンの連続性が豊富。大判プリントとの相性が抜群。

機材タイプ:一眼レフ(二眼レフ)、レンジファインダー、蛇腹式など多彩。ハッセルブラッド 500 シリーズはマガジン交換式の SLR としてプロに愛用された。

中判デジタルの現在
「中判デジタル」と呼ばれるセンサーは 43.8 × 32.9 mm(44×33 mm) クラスが主流。面積はフルサイズ比約 1.7 倍、ピクセルピッチに余裕があるため

・15 stop 以上のダイナミックレンジ

・16-bit RAW による 65,536 階調/チャンネル

・高い S/N 比でクリアな高 ISO

を実現します。X2D 100C ではさらに 7 段 IBIS と PDAF が加わり、「三脚必須」「AF が遅い」という旧来の弱点をほぼ解消しました。 

開封の儀

箱を開けると現れるのは北欧家具を思わせる上質なグレーの化粧箱。持ち上げると金属の塊感が手に伝わり、“H” ロゴ入りシャッターボタンのオレンジが映えます。付属品はバッテリー、30 W USB-C 充電器、ストラップ、CFexpress Type B カードリーダー。

想像以上にシンプルで「余計なものは要らない」というハッセルの哲学が滲みます。

項目 Hasselblad X2D 100C Leica Q3 Leica M11
センサー 100 MP 43.8 × 32.9 mm
BSI CMOS 中判
60 MP 36 × 24 mm
BSI CMOS フルサイズ
60 MP 36 × 24 mm
CMOS フルサイズ
ダイナミックレンジ 15 stop 14 stop相当 約14 stop
色深度 16-bit RAW 14-bit RAW 14-bit DNG
手ブレ補正 5軸 7 段 IBIS ―(電子手ブレ補正のみ)
記録メディア 内蔵1 TB SSD + CFexpress B SDXC UHS-II SDXC UHS-II
EVF 5.76 MP / 1.0× 5.67 MP / 0.79× 光学 RF
重量(電池込) 895 g 743 g 530 g
実勢価格 約 ¥1,350,000 約 ¥930,000 約 ¥1,210,000
発売年 2022 2023 2022

現在のメイン機であるLeicaM11やLeicaQ3との比較になります。これだけの描写をする中判デジタルカメラが900gアンダーは軽くはないですが、驚異的だと思います。

 「中判デジタル」とは何か
一般的なフルサイズ(36 × 24 mm)より約 1.7 倍広いセンサー面積を持つ “44×33” クラスを、業界慣習で「中判」と呼びます。面積が広い=受光素子が大きい=

・ダイナミックレンジが広い (ハイライト粘り/シャドー階調)

・16-bit RAW による深い色階調

・同一画素数でもピクセルピッチが大きくノイズ耐性が高い

特にハッセルの Hasselblad Natural Colour Solution (HNCS) はフィルム時代から続く色再現思想をデジタルにも踏襲し、肌トーンからグラデーションまで「絵作りしなくても完成形」に近いデータが得られます。

(Hasselblad X2D 100C + XCD F2.5 55V)

こちらは自分が撮影した作例ですが、ダイナミックレンジ(階調性)が異様な感じが見て取れるかと思います。テーブルに反射する優しい白熱灯のグラデーションがリアルの視覚を超えて描写されているのが分かります。一億画素と16-bitの階調性は異次元です。

Leica ジャンキーが X2D を選んだ 5 つの理由

  ポイント Leica 機との比較感想
1 16-bit 色深度 Q3/M11 の 14-bit より階調に余裕があり、ハイライト耐性が圧倒的
2 1 TB 内蔵 SSD カード忘れのリスクゼロ。旅先でも RAW 撮影を気兼ねなくできる
3 7 段 IBIS(手ブレ補正) M シリーズは補正ゼロ。夜景や薄暗い室内でも手持ちで安定撮影可能
4 PDAF + EVF 1.0× レンジファインダーより確実に合焦。視界いっぱいに広がる没入感
5 削り出しアルミの質感 Leica の真鍮とは異なる硬質な高級感。握る喜びと所有欲を満たす

シンプルに中判フィルムカメラを使っていた時期もあったので、フルサイズを超えた表現とはどんなものなのか?という知的好奇心で買ってしまったというのが本音ですが、20年間ライカだけを使って生きてきた自分にとって、この描写とカメラ自体の使いやすさは本当に自分の中での写真の価値観を変えたと言っていいかと思います。Vlog後編で撮影した奥入瀬渓流の作例は描写が素晴らしすぎるのでぜひ中判デジタルを検討されている方は見ていただいて損はないかと思います。

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Hasselblad X2D 100C + XCD F2.5 55V 作例

早朝の公園を走る高校生の自転車。素晴らしいのは。空のグラデーションを早朝だと分かるように表現するHasselbladの中判デジタルエンジンの素晴らしさかと。出せるようで出せないこのグラデーション、素晴らしいです!

次は少し寄った作例を。木の幹のテクスチャーの荒々しさを嫌と言うほど、描写しているように見えませんか?光と影の階調性、ディテールの表現力、明らかに現代のデジカメの最高峰なのだと感じる一枚です。ライカも素晴らしい描写ですが撮って出しで感動できるレベルはハッセルブラッドの方が上な気がします。

推奨されるワークフロー

(Hasselblad X2D 100C + XCD F2.5 55V)

現時点では、Hasselblad X2D 100CのRAW現像には以下の方法が推奨されます。

・Phocusを使用:Hasselbladが提供する無料の純正ソフトウェア「Phocus」でRAWファイルを現像する。
・Adobe製品を使用:Adobe LightroomやPhotoshopなど、HasselbladのRAWファイルに対応したソフトウェアを使用する。

・.3FR RAW:Lightroom/Lightroom Classic でネイティブ対応。

・容量:1 枚平均 210 MB。64 GB CFexpress B で約 300 枚。SSD 併用推奨。

Capture OneでのRAW現像を希望する場合は、今後の対応を期待するしかない状況です。ユーザーからの要望が多ければ、将来的に対応が検討される可能性もあります。

まとめ

ハッセルブラッド X2D 100C は「中判=大げさ・扱いづらい」という古いイメージを刷新し、

・100 MP/16-bit/15 stop の情報量

・7 段 IBIS + PDAF で手持ち&高速 AF を実現

・1 TB 内蔵SSD によりワンボディ完結の撮影フロー

という “作品制作プラットフォーム” を提供します。Leica 機で培った「直感的な撮影体験」を保ちつつ、さらに深い階調を得たいクリエイターには投資価値の高い一台です。実際にリセールバリューも高いので一定期間使ってみるのも良いかと思います。LeicaM11とHasselblad X2D 100cで撮られた作例を中心とした本能ブログVlog YouTubeもぜひご覧いただけたらと。

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