20日原油価格が暴落し史上初の-40ドルを記録した、平時でコロナショック以前は40~60ドル前後、コロナ後も20ドル前後で推移していたのだが一気に40ドルを超える大幅安に投資家や石油関連の商社関係者の間で動揺が広がっている。
原油価格のマイナスの意味とは?
そもそも物の価値とは基本的に「マイナス」になることはないと妄信的に信じられている。いや基本的にはならないのだが例えば想像して欲しいのが
100万円で買った車を売ろうとしたが状態が悪く5万円払って引き取ってもらった
使えなくなった家電を2000円のリサイクル券を貼って引き取ってもらった
このように経年劣化による物の価値のマイナスは日常茶飯事であり人々はみな疑問を持たない。しかし、持続的に生産され消費されるエネルギー資産となれば話は別である。日々の交通機関のインフラ用として自家用車としてのガソリン需要だけでなくプラスチック製品、あらゆる原油原材料製品の資源としての原油はまだまだ人類にとって必要なエネルギー資産である。コロナショック以前はレギュラーガソリンの日本での価格は130~148円ぐらいを推移していたと記憶するがコロナショック以降はハイオクガソリンですら130円台となっている。原油価格がマイナスになったからと言って、コロナによる移動自粛によるガソリン需要の減少を鑑みても輸送コスト精油コストを考えると昭和時代ほど下がるようなことはないと思う。しかし、史上初の事態が起きていることは間違いなく
新型コロナウイルスによって需要がなくなった石油が貯蔵施設のキャパシティオーバーを起こし行き場をなくして、
40ドル払うから積み荷の原油引き取ってください
状態になってしまったのである。簡単に言うと引き取る施設を所持していればお金ももらえて原油ももらえるダブル取りの石油王になれる時代になったのである。
原油価格はどのようにして決定されるのか
産油国は中東のイメージも強いが実はアメリカもシェールオイルという合成石油の強豪産油国であり、原油価格の決定に大きく発言力を持つ国となっているのはご存知であろうか?つまり、原油=中東の時代ははるか昔のことなのである。
こちらが世界のシェールオイル埋蔵量ランキングである。なんとアメリカ、ロシアがほぼ同じだけの資源を有しているのである。シェールオイルは新規油田の開発の費用の1/3程度の費用で採掘が可能でありスタート当初は「シェール革命」とも呼ばれた。つまり、原油価格を決定しているのはOPECに代表される中東各国のイメージが未だあると思うがシェール革命以降はアメリカ、カナダ、メキシコ、ロシアも強力な発言権を持ち原油価格決定に寄与し始めていたのである。
コロナショック以前から、減産になかなか応じないサウジアラビアやメキシコに頭を悩ませており今回の暴落原因も減産しないOPEC諸国のせいにしたいようである。
シェールオイルで利益を得たいアメリカ側と原油は中東の既得権益バリに譲らないOPEC、そこに来てコロナショックによる需要大幅減で市場は大混乱。確かに原油価格が上がる要素は現在のところは無いものの人々は経済活動を取り戻した暁には原油が必要になるのはずなのだがそれまでは現在の低い水準と見る向きもある。
投資をしていない方にはガソリン価格の上下ぐらいほどの影響しか無いと思われがちだが、原油を原料とした製品は多岐にわたり今後様々な所で影響が出てくる可能性がある。本能も少しだけ原油に投資しているがここまでの暴落は読みきれず多少やけどしてしまったwあくまで多少であるが、本気で原油に挑んで資金を失った投資家も多く昔から言われている格言めいた
先物には手を出すな(魔物がいる)
改めて思い知る結果となった。本能ブログチームでウオッチしているトレード系YouTuberのJinさんもこっぴどくやられたようなので、原油取引は一旦様子見るのが正解かと思う。