今週は投資家やマーケットに参加している市場関係者には、衝撃的なニュースが駆け巡りました。
中国恒大という中国国内第2位の市場規模誇る不動産大手グループで、不動産以外にも様々な業態に進出しております、NHKの記事が分かりやすいです。
不動産だけではなく、自動車産業やEVサッカー好きならAFCにも出場した恒大FCというサッカーチームも所有する中国有数のコングロマリットとも言える企業です。ところが需要を超える無理な高層マンション建設ラッシュやサッカー場、大型商業施設の乱発により巨額の負債を抱えることに。そのけっか無理な社債発行や借り入れの総額が30兆円以上(ちなみに日本の国家予算は103兆円)とも噂され危機的な状況に陥っていると報道が世界中に流れました。日本の国家予算の約3割の負債となると、世界経済に与えるインパクトは小さくないと考えれれています。
2021年9月22日には一部の社債の(国債の会社版です)利払い(債権者に利息だけを払う)39億円の支払期限を迎える事になっていましたが、中国当局がまずは利払いを実行するように強烈に支持したような報道も。
なんとか社債の利払いを実行したようで、債務不履行(倒産)は回避した模様。しかし、2021年9月23日の速報によると中国当局は
つまり、中国当局は(中国は共産主義国なので共産党が強大な権限を持つ)国有化して救済するどころかこの地方への指示が本当ならば
恒大集団のことは助けないからこれからのデフォルトに備えろ
という宣言でもあるように感じます。本能ブログCFOのホッピーは不動産関連の仕事もしていますが、彼から聞いた名言が忘れられず
不動産投資や不動産関連の企業ってノリと勢いでいく体育会系が意外と多い
といっていたのを思い出したが、まさが中国の最大手と言っても良い恒大集団がまさにノリと勢いで事業を拡大していったのを見ると手法は国が変わっても同じ感じで転落するものなのだと大変勉強になりましたw
ではなぜ、ノリと勢いでイケイケドンドンだった恒大集団が急転落をすることになったのか。それは中国の政策である3条紅線というシステムにあります。
ー中国当局は昨年末より不動産市場に対する融資を引き締めています。特に不動産開発に対しては、一定基準“3条紅線”を満たさない企業の資金調達を禁じるとしました。
なお、“3条紅線”とは、1)総資産負債比率が70%を上回らないこと、2)自己資本負債比率が100%を上回らないこと、3)現金に対する短期負債の比率が100%を上回らないことです。
中国恒大の場合は、2020年12月末時点で「3条紅線」のすべてに抵触し、新たな資金調達ができなくなりました。その後、2021年上期に資産売却による返済を進めた結果、2021年6月末時点は上記の2)をクリアしましたが、手元資金の不足で2021年9月20日の週に控えている利払いが行えない見通しとなりました。ーSBI証券レポート
つまり簡単に言えば融資を受けて安易な不動産開発のスキームを辞めさせる方策それが3条紅線であり、総資産負債比率や自己資本負債比率などすべての項目でデットラインを超えていたのが恒大集団の現状だったのです。
中国の習近平主席は、今年1月の会見で「中国はさまざまなリスクや課題を予見すべきとした上で、「ブラックスワン」や「灰色のサイ」のような事象に備える必要があるとの考えを示した。「ブラックスワン」とは、予見が困難で、起こる確率は低いものの、発生した場合には甚大な影響をもたらす事象を指す。「灰色のサイ」は、高い確率で深刻な問題を引き起こすと考えられるにもかかわらず、軽視されがちなリスクを意味する。という投資用語を交えて警告していました、恐らく何も考えない恒大集団に予め釘を刺していたのにこの結果ですから中国当局が救済しないのもある種当然の結果とも言えるかと思います。
中国国内を飛び出して世界中のマーケットにファンダメンタルズなファクターとして影響を及ぼし始めています。第二のリーマンショックへの想定も備えたポジショニングが迫られる2021年の下半期になるだとろうと警戒心を持っておいても良いかもしれません。
日経平均、ドル円、ビットコインのリアクション
自分のトレードスタイルですが、ファンダメンタルズ分析はほとんど加味せず「チャート分析」を主戦場として全てのトレードを行っております。本能ブログでも定期的に日経平均やビットコインのチャート分析を行っており、今回の恒大集団の影響がチャートに現れているのか見ることにしてみます。
日経平均(日経225)
日経平均に関しては恒大集団のニュースの前に一旦反落していましたので、緑矢印のあたりに今回のニュースが世界中で報じられ確かに30000円を割るほど急落していましたが緑のトレンドラインと29000円の水平線(レジサポライン)に買い支えられ今の所上昇トレンド継続と見ています。もちろん恒大集団のデフォルトが正式決定したときどこまで下降するのか、下降トレンドに転換してしまうのかは今後の状況次第といったところもあり、個人的は緑色のトレンドラインを下に割らないか注視していますが
基本的には買い目線で
各種個別株銘柄をホールドしています。
BTC/JPY(ビットコイン)
ビットコインも定期的に大幅な反落に見舞われますが、緑色矢印のあたりが恒大集団のニュース時期でしたので影響を受けたと思われす。ビットコインのマイニング施設が中国国内にかなりあるというのも要因かもしれません。しかし、引き続き上昇トレンド継続中と見ています。オレンジや赤の予め自分が設定した水平線で反発上昇していますので、ここを割ることがあるのかこちらも注視しています。
ドル円
ドル円です、緑色矢印をみるとそこまで大きな影響はなく、もともと7月から続く円高トレンド継続といったところですが、今朝一旦この下降を抜けようとする上昇を見せていますがドル円もあまりドラスティックにトレンドが変わる通貨ではないので経過観察が妥当かと思いますし、恒大集団の影響を受けていない日米両国とも言えるチャートになっています。
いかがでしょうか。マーケットは様々な社会的要因、経済的要因、世界の大企業の浮揚によって左右されることはみなさんもご存知だと思いますが、個人的には
ファンダメンタルズは気にしてもどうしようもないし何も出来ない
と個人投資家レベルだと思っているので素直にトレンドについていく姿勢が大切だと思っています。