LEICA Q (Typ116)
芸術の秋。コロナ禍も落ち着き、展示をめぐる活動を再開したいさじゃんです。前回はKaws東京ファーストをLeicaQで撮影した記事を書きました。
美術館や展示に行き慣れていない方だと、「作品が撮影可能」ということを知らない事が多く撮影してきたというとビックリする方も。もちろん展示のコンセプトによってほぼ撮影不可な開催もありますが、撮影可能な作品と不可能な作品を分けているものの全面不可の展示は近年少なくなったように思います。今日ご紹介するのは箱根のポーラ美術館。
箱根の奥座敷こと仙石原にあり都内からドライブがてら車で行くのがオススメのプランです。
渋滞が無ければ2時間もあれば着いてしまう距離で箱根が関東民から愛される理由はこのアクセスの良さにあるような気もします。
2002年開館”自然と美術の共生”がコンセプト
ー2002年、ポーラ美術館は神奈川県箱根町に誕生しました。開館以来、「箱根の自然と美術の共生」というコンセプトを掲げつづけています。箱根の自然と景観に配慮した建物は、高さを地上8mに抑え、建物の多くを地下に置き、森にとけこむようです。展示室は、ひとつひとつの作品が美しく鑑賞できるように独自開発の照明を採用。約10,000点のコレクションは、ポーラ創業家2代目の故・鈴木常司が40数年にかけて収集したものです。西洋絵画、日本の洋画、日本画、版画、東洋陶磁、ガラス工芸、古今東西の化粧道具など、多岐にわたります。優れた作品、豊かな自然、そして光に満ちた建築空間…。「共生」という理念が、美術館のすべてに息づいています。
アートの森で、響きあう。
都市の美術館にないものを。
私たちの美術館は、
箱根の国立公園にとけこむように立っています。
手つかずの自然と、人が手がけた造形。
ふたつがひとつになり、凛とした時間が流れる。
森も、もうひとつの展示室です。
つきつける、よりも、つつみこむ。
それが、私たちのコレクションの本質です。
モネ、ピカソ、フジタ・・・そして現代の作家たち。
化粧道具や工芸品、
その数は10,000点におよびます。ー公式HP
ドローンで撮影した、ポーラ美術館の上空からの写真を見ても完全に仙石原の野生と共存してしまっています。建物の主要部分を地下に置き周囲環境との調和にも配慮され、テーマである「都市にはない美術館を」のコンセプトが徹底されているようにも感じます。
荘厳華麗を極めたアーキテクチャ
LEICA Q (Typ116)
開館から20年が経っても色褪せない近代的な建築が出迎えてくれる玄関。森とコンクリートの共存がここまで自然に達成されているケースも珍しいと思います。
LEICA Q (Typ116)
入り口の高い扉と奥に続くガラスの要塞。非日常を建築から提案し、美術作品を最大限引き立たせることにコミットしたポーラ美術館の考え方はいつ来ても素晴らしいと言わざるを得ません。
LEICA Q (Typ116)
このフロアから地下に入り潜る感じで館内へ。仙石原の裾野を横目に見ながら贅沢に空間を使って見る芸術はここでしか味わえない特別な時間と空間になると思います。
LEICA Q (Typ116)
一度地下に入ると暗いとは言いませんが荘厳な雰囲気がただよい、無機質は広い空間が凛とした空気を演出します。
LEICA Q (Typ116)
今回は写真家のロニホーンの企画展が行われておりました。
LEICA Q (Typ116)
水源を思わせるオブジェが並ぶ展示室。この広いスペースと緑の木々が入り込むこの空間でしか表現できないかも思わせる佇まいはポーラ美術館ならではかと思います。
LEICA Q (Typ116)
以前ご紹介した六本木の森アーツセンターギャラリーもそうですが、こうした無駄とも思える大げさな空間こそが芸術なのかもと思ったりもしました。
LEICA Q (Typ116)
小さめなパネル写真の連続もこうしてみると、床の明るいアイボリーと調和しているようにすら感じます。
LEICA Q (Typ116)
壁一面に及ぶ大型の展示も見応えがありますし、都会の美術館では味わうことができない静寂があると思います。
モネを多数所蔵するポーラ美術館
LEICA Q (Typ116)
個人的には幾度となく訪れる理由があってポーラ美術館にはモネが多数所蔵されているかに他なりません。優しく繊細な作品群は何回見ても癒やされますし、箱根に行くならモネを見て帰りたい!そんなふうに思わせてくれるのはポーラ美術館の展示方式が好きだからかもしれません。
LEICA Q (Typ116)
湾曲した棚をあえてブランドにして飾られたクロード・モネの至極の作品集。遠くからでも繊細な色使いや淡い筆使いに何度見ても感動してしまします。
LEICA Q (Typ116)
ひと目見ただけでクロード・モネのストーリーとわかる作品群はエネルギーに満ちているというよりも思慮深く描かれとにかく繊細さが伝わってきて好きなのです。
LEICA Q (Typ116)
モネの描く空と海や水面はいつもドラマチックで見たことあるような、それでいてどこかフィクション的な感じもある独特の世界ですね。
LEICA Q (Typ116)
モネを語る上で絶対に外せない代表作[睡蓮]。実はこの睡蓮はシリーズになっていて色んなパターンが存在しているのをご存知でしょうか?人気であり知名度があるだけでなく代表作たる所以は間近でみると納得できたりもします。
LEICA Q (Typ116)
花と緑を表現するのに紫であったり黒であったり実はかなり色んな色が重ねられている睡蓮。実は緻密に計算されているとも感じるこのシリーズは遠くで見るのと近くで見るのと大きく印象を変えると個人的には感じています。
屋外には散策できる作品群が
LEICA Q (Typ116)
外には美術館全体を取り囲むように遊歩道が整備され大型の彫刻など、屋外で鑑賞できる作品が多数存在します。
LEICA Q (Typ116)
写真で見るよりもかなり大型のダ・ヴィンチ的な作品。地中に体が埋まっているように感じるのは自分だけではないはずw首周りの草が刈られているのも作品の一部だと感じました。
LEICA Q (Typ116)
朽ちた感じもエイジングもすべて計算なのかもと思わせるメタルの作品。緑の鮮やかさとのコントラストが素晴らしいと思います。
LEICA Q (Typ116)
受付ロービーから見えるこちらの作品も屋外から違う角度で見ることができます。全長はゆうに2mを超えているので実際に外から見ると見応えは十分です。
LEICA Q (Typ116)
いかがでしたでしょうか?ライカQで切り取り、ポーラ美術館の無機質なアーキテクチャと温かみのある自然の共存感をうまくお伝えできたでしょうか?箱根というと温泉や旅のイメージがあるかもしれませんが良質な美術館た多数存在する美術家には嬉しいエリアだったりもします。箱根に行くことがあったらぜひ一度でいいので寄ってみてもらえたらと思います。