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東京電力管内”ブラックアウト”危機。実際に起きた日本初のブラックアウトを振り返る【停電】【大規模停電】

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ヤシマ作戦再び!昨日(2022年3月21日)経産省は東京電力管内の需要と供給バランスが崩れる想定となり、都民ならびに関東民に節電強く呼びかける異例の展開になっております。ちょうど対象時間帯がこのブログ記事を書いている今ということになります。

東京電力パワーグリッドも同様の声明を発表し、日本の7社の電力会社から融通を受けるとのこと。

すでにスタートしており、午前7時~16時までの間で融通をけると発表しましたが、節電自体は本日の23時までとされており今日一日は気が抜けない日となります。ではなぜ、節電が必要なのかというと福島県の広野火力発電所が自身の影響で停止しているからに他ならず、原発時に顕になりましたが相変わらず

関東民の電力を福島県や東北で産生している

というスタイルは東電は変えていないようで、地震立国ニッポンにおいて首都の発電を震災多発地域に置いたままという官僚的な先送り主義が今回も問題の一端となっているように思います。とは言え、東電や経産省やメディアがここまでしつこく節電を呼びかけるのは異例ですし実際に北海道全域ブラックアウトという最悪の電力事故が過去に起きており”首都全域ブラックアウト”が起こり得ないとは言えません。

今回は北海道全域ブラックアウトはどのようにして起きてどのように復帰したのか振り返ってみたいと思います。

平成30年北海道胆振東部地震に端を発した大規模停電

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2018年9月6日(木)未明、北海道胆振東部を最大震度7の地震が発生。地震の規模を示すマグニチュードは6.7。内陸直下型地震でしたので最大震度は7に達し死者43人負傷者783人、全壊469棟と東日本大震災以降発災した地震としては最大規模に近いものとなりました。上記の写真のように地震によって起きた土砂崩れも当時盛んに報道されましたが、震度7を記録した厚真町にある苫東厚真火力発電所が自身による損傷で停止。その後いろいろな原因が重なり、地震発生後17分後に北海道全域ブラックアウトという日本初の停電事故が起きました。

そもそも電力は絶妙なバランスで送電されいる

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電力は水資源のようにシンプルに電力が足りないから停電するというものではなく、(そういった要素も無くはないですが)簡単にいうと発電量は需要量の予測に基づいて作られておりそのバランスが崩れると発電所は周波数低下リレーという安全装置をつかって設備を保護するように出来ています。ではそのUFR(周波数低下リレー)とは何なのか。

ー電気の供給では、「周波数」を一定に保つ必要があり、それが乱れると機器が壊れたり、大停電につながったり危険がある。周波数を一定に保つためには、電気の需要と供給を一致させる必要があるが、今回の地震のように発電所が停止すると供給力が減少し、周波数が低下する危険がある。そのため、電気を消費する側(需要)を一時的に送電網から切り離して周波数の低下を防ぐ仕組みが備わっている。この仕組みは、「周波数低下リレー」(UFR)ーJ-cast様

つまり、この周波数こそが電気機械を安定的に稼働させる大切な要素であり一定のサイクルに保つ必要があります。しかも日本は世界でも珍しい一つの国で2つの周波数を運用している国家であり、

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東電が発表したように他社から融通してもらうと言っても、糸魚川ボーダーを境に周波数自体が変わりますから簡単に送電というわけにもいかなかったりします。(送電自体は可能ですが)

北海道全域ブラックアウトの原因は供給が次々と失われたことによるもの

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この写真は地震で停電したままの札幌市中心部発災日6日午後6時38分のもの。実は先程ご紹介した、苫東厚真火力発電所自体の停電だけでは北海道全域ブラックアウトとはなりません。それは先程ご紹介した需要側を一時的に周波数低下リレーで送電網から切り離せば良いから。しかし、この時不幸にも近隣の風力、火力、水力などの発電力も失われ一気に供給量が下がったことにより一部の送電網から切り離してバランスを取る作戦が取れなくなり結局大きくバランスを崩した北海道電力網はブラックアウトという結末を迎えたのでした。

震災以降原子力発電の割合が激減したことも遠因のひとつ

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こちらのグラフは震災以降と震災前で供給される電力の割合を示すものです。なんと原子力発電が震災前は25%だったのに原発事故を受けて再稼働が進まず、なんと2019年現在6%まで落ち込む結果に。原子力発電自体に功罪があるのは重々承知ですし東日本大震災時に原発の被災エリアに住んでいた友人も沢山いる身としては簡単に再稼働に同意というわけにも行きませんが、電力の安定供給と言う面においては原子力発電のメリットはあったと思いますし化石燃料によるエネルギー供給のみだと今回や北海道全域ブラックアウト時のような不安定な結果になることがあるのだと感じています。

2022年3月22日12時09分現在、東電も東北電力も100%を超える

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東京電力、東北電力管内ですでに100%を超える使用率となっており予断を許さない状況が続いております。細かなことですが、使っていない電気機械をコンセントから抜く、テレビを消す、エアコンの設定温度を下げるなど細かな節電が求められます。小さなことだと思わず、全員で意識高く取り組まないと北海道全域ブラックアウトと同様な事象が都内や関東近郊で起こることもあり得るかもしれません。

東日本大震災のときのように難局をみんなで乗り越えていきましょう!