秋葉カルチャーやアイドル文化が大好きな新人ライター佐藤杜美です。皆さんは好きなアイドルグループはありますか？私は、AKB48やでんぱ組inc、最近では＝LOVEなど、様々なグループが好きです。そこで今回は、平成のアイドルは令和のアイドルにどのような影響を与えて進化してきたのか、私の考察を踏まえて追っていきたいと思います。
2009年～2012年頃
2009年〜2012年頃の代表的なアイドルと言えばAKB48なのではないでしょうか。代表曲でもある「大声ダイヤモンド」や「ヘビーローテーション」などが大ヒットし、人気は急上昇しました。なかでも人気メンバーは神7と言われる大島優子さん、前田敦子さん、板野友美さん、渡辺麻友さん、高橋みなみさん、板野友美さん、小嶋陽菜さん、柏木由紀さん、渡辺麻友さん。当時は小学生だったので、現場に行くことはありませんでしたが、CDやブロマイド等を持っていました。
渡辺麻友さんが与えた影響
人気メンバーの渡辺麻友さんは、日本のアイドル界に大きな影響を与えた一人であると私は考えます。清楚で可憐なイメージを持ちつつも、ノースキャンダルのという信念の強さ。欠点のない完璧な姿からは、“アイドルサイボーグ”とも呼ばれていました。まさにアニメの世界から出てきたような人物です。
この清楚で守ってあげたくなる少女像というものは、現在人気のアイドル、乃木坂46や、つばきファクトリーなどに繋がっているのではないでしょうか。平成後期から令和のアイドル像を作り上げたと言っても過言ではありません。
参考
アイドル像だけじゃない、ヘアスタイルも
平成＆令和のアイドル界の代表的なヘアスタイルのひとつとも言える「前髪ぱっつん＋触覚ヘア」。この触覚ヘアの火付け役となったのは、渡辺麻友さんです。顔周りに短く細い毛を残すことで、幼さと可愛さを両立させることができるヘアスタイルで、小顔にも見えるという理由から人気に火が付きました。ヘアスタイルは時代により、変化していくもの。10年以上前のヘアスタイルが令和の今まで継続しているのは、かなり珍しいことだと思います。
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2013年頃～2016年頃
2013年頃〜2016年頃の平成後期に登場した秋葉系アイドル、でんぱ組inc。私も大ファンで一番最初に行ったライブが、でんぱ組incでもあります。彼女たちは、異例の地下アイドルからメジャーデビューしたグループです。因みにこのように地下アイドルから成り上がり、全国的に認知されたグループはでんぱ組incのみです。
アイドルらしさとは何なのか？
でんぱ組incの代表的な曲「W.W.D」。この曲はなんと冒頭から「いじめられて部屋に引きこもっていた、ゲーセンだけが私の居場所だった」という歌詞から始まります。これまでのアイドル像と言えば、キラキラしていて欠点がないという人物像が多かったように思います。しかし、彼女たちは弱みや過去をさらけ出し、キラキラしていてステージで輝くアイドルだって、人間であり、挫折や辛い経験をしているんだよという強いメッセージを私達に与えました。
その影響か素をさらけだしたり、個性的なアイドルが増えてきたりしました。元乃木坂46の人気メンバー、齋藤飛鳥さんも学校に行けなかったことや学生時代に葛藤していたことを話しています。他にも＝LOVEの大場花菜さんもいじめや不登校の経験を明かしています。
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平成後期から令和のアイドルシーンでは、完璧さというよりも、親しみやすさや弱さ、自分らしさ、多様性を重視している傾向にあります。そのようなきっかけをアイドル界に与えたでんぱ組incは、パイオニアとも言えるでしょう。
☆余談☆
余談なのですが、「W.W.D」のサビが、アニメ『推しの子』の「サインはB」に似ていると感じました。
2015年～2018年頃
平成後期はまさにアイドル戦国時代。でんぱ組incに続いて、ゆるめるモ！や、バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI（旧バンドじゃないもん!）などの半地下系のアイドルも登場します。
ファッションに大きな影響を与えた“ano”
現在、アーティストとして活動しているanoさん。メディアやバラエティー番組など様々な分野で活躍していますが、「天使界隈」という白色や水色の淡い色で全身コーデをするファッションを広めたのが彼女です。
ゆるめるモ！時代の彼女のメンバーカラーは水色。彼女は2016年くらいから「ほぼほぼ」という番組で活躍していました。番組内では、水色のチャイナ服やつなぎを着ており、現在の天使界隈を助長しているのでは？と感じるファッションが見られます。
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他にも、「あのちゃんギャル」通称「あのギャ」と呼ばれるものも誕生しています。「あのギャ」とは、あのちゃんを真似する人のこと。ボブヘアや姫カット、黒目がちな目、上記でも取り上げた水色系統の服を着てあのちゃんになりきることを指します。芸能界で言うと、元BiSHのアユニ・Dさんなどがあのギャです。
あのちゃんの2015年10月17日 Ｘ投稿画像
シブカル祭、ライブありがとうございました。
— あの (@aNo2mass) 2015年10月17日
みずいろぴかぴかちゅうのしょ君たちいた、ばっかやろー´ •͈ ω •͈ ` pic.twitter.com/dDYGLVMJnW
他のアイドルにはない“バンもん”の魅力
メンバーが誰も脱退しておらず、10年以上の活動歴がある彼女たち。卒業や脱退、入れ替わりが激しいアイドル界では珍しいのではないでしょうか。
メンバーの1人である鈴姫みさこさんは、神聖かまってちゃんのドラマーでもあります。バンドとアイドルという2軸で活動し、それぞれ違った姿を見せています。彼女のすごいところは、バンドやアイドルとして活動しているだけでなく、年齢という壁を壊してくれたことです。これまでアイドルというと、10代から20代くらいまでというイメージがありましたが、彼女の年齢は39歳（2025年現在）。彼女のおかげで、何歳でもアイドルとして輝けるということを証明してくれました。
令和のアイドルはオタク目線の歌詞多め⁉
最近のアイドルを見ていきましょう。歌詞にそれぞれ共通の特徴があります。
10代～20代に人気のiLiFE!や＝LOVEは、ファンの視点にフォーカスした歌詞が多めです。
iLiFE!の「アイドルライフスターターパック」という曲では、「推しと同じポーズとりがち」や「好きが止まらない!」「推ししか見えない」など、限界オタクっぷりな歌詞を全面に出しています。
※限界オタクとは推しへの愛が限界まで達した結果、常軌を逸した言動や行動をするオタクのことです。
＝LOVEの「絶対アイドル辞めないで」という曲では、「絶対 アイドル辞めないで (ずっと)輝いてる君を見たい もう ずっとずっとずっとステージにいて」「絶対 アイドル辞めないで (ずっと)これは報われないおとぎ話 恋よりも もっと好きだ 魔法よどうか解けないままで」
The推し！という感情がひしひしと伝わってくる歌詞ですよね。ずっと輝いていて欲しいけど、それは永遠ではないことを知っている、だからこそ今を応援するという切なさも入っている歌詞ですよね。
続いては「超特急逃走中」という曲。「お願い 気付いてほしい 確定ファンサくれたらあいら、びゅー！」「ねえ いっぱい準備したんだよ！？こっち見てよね！」
ライブでのファンの状態を表しており、アイドルオタクに限らず、様々な界隈のファンに共通する心情を上手く描いています。
もしかしたらあるのかもしれませんが、平成のアイドルには見られなかった視点の歌詞で、新鮮さ満載。オタクの心を見透かされているような気になります。上記で挙げた歌詞の通り、令和のアイドルの曲は、オタク目線が多め。そしてファンの気持ちを代弁しているような歌詞が多いことがわかります。＝LOVEの作詞は全て指原莉乃さん。長いことアイドルとして活動してきたからこそ書ける歌詞だと思います。
ファンもアイドル自身も自己肯定感が上がるような歌詞✨
大バズりし、人気が止まらないFRUITS ZIPPER。「わたしの一番かわいいところ」という歌詞の中には「わたしの一番、かわいいところに気付いてる そんな君が一番すごいすごいよすごすぎる！そして君が知ってるわたしが一番かわいいの、わたしもそれに気付いた」
ファンを肯定してくれるということだけでなく、アイドル自身もファンによって心が動かされているという前向きな歌詞が印象的です。
他にも、超ときめき♡宣伝部の「最上級にかわいいの！」という曲には「あたし今最上級に可愛いの」「自分史上 1番 ときめき放つわ」
自分の可愛さを最大限に発揮＆自己肯定感がMAXになっている状態が伝わります。自分が一番可愛いって思える幸福感も伝わりますよね。
「超最強」という曲では「ワタシ 超最強 超最強 超最強 なんです!」「私だって君は尊い存在!持ちつ持たれつ! 感謝感激!」
ファンへ感謝するような歌詞と、自分を肯定するような言葉を羅列するような歌詞のコントラストが絶妙です。強さと可愛さを最大限に出しており、ポジティブなエネルギーが伝わります。
どの曲も自分らしく突き進む、アンチに負けないぞ！という意思もあるのではないでしょうか。否定的・マイナスな歌詞が入っておらず、全てにおいて肯定的、ポジティブな印象を与えるのが令和のアイドルの特徴なのかもしれません。
まとめ
平成のアイドルがファッションやヘアスタイルなど、令和のアイドルに影響を与えたことは大きいのではないでしょうか。これからも日本のアイドル文化は進化していき、私達に勇気と希望、心の拠り所となってくれるそんな存在であって欲しいと願います。今後どのように日本のアイドルたちが進化していくのか楽しみです。以上、新人ライター佐藤杜美がお届けしました！
