2025年1月17日から全国公開された映画『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』。
『新世紀エヴァンゲリオン』や『シン・ウルトラマン』などを手掛けたスタジオカラーが手掛けるガンダム作品と言うことで、公開初日から大いに話題となりました。
特に1979年に放映されていた初代『機動戦士ガンダム』を観ていたオールドファンからは、反響もかなり大きくSNSでも度々トレンドワード入りすることに。
昔から知っているファンも多いガンダムの基本的な設定や登場人物を一部継承しつつ、いわゆる正史とはかけ離れた展開となっていた『-Beginning-』。
さらに4月8日からはTVシリーズとして『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』もスタート。本作からガンダムを知ることになったという新規ユーザーにも好評のようです。
ただ、ガンダムシリーズというのは長い時間をかけて関連作品が膨大生み出されていた関係上、ともすれば新しいファンを置き去りにしかねない難解さも有しています。
登場する単語や設定、モビルスーツも多種多様で、新規ファンが混乱するのは当たり前。
そこで今回は、「ガンダムをこれから観たい」という方や、「今やってるガンダムは観てるけど、正直設定とかよく分からないし、分からないことを調べようにも何が分からないかが分からない」という方向けに、まず観ておくことで最新作を含むガンダム全般への理解が早まる旧作品。
そしてそれらの作品を観るだけで自然と把握できる作品背景やキャラクター、時系列について、それぞれ簡単にご紹介いたします。
この記事でおすすめする旧作品を一通り観ることで、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』への理解度は各段に上がるはずです。
ガンダム初心者はひとまず初代TV版を観ることから始めては?
初代ガンダムが放映されてからかなりの時間が経過したこともあって、オールドファンなら常識として身についている知識を前提とした関連作は、枚挙にいとまもありません。それは『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』でも同じこと。
制作会社のスタジオカラーも、ある程度ガンダムを知っている人を前提とした話作りをしているわけですが、この作品から入った人も少なくない中で、基本的なガンダムの常識をリアルタイムで視聴しながら追うのは、なかなか困難。
そこでおすすめしたい旧作品が、サンライズ制作。1978年放映の『機動戦士ガンダム』です。
これこそ、ガンダム作品の多くに該当する劇中時間軸“宇宙世紀0079年”以降を舞台にした地球圏での物語の起点です。
基本的な設定も世界観も、本作を観れば自然に理解できるようになります。
なぜジオン軍と地球連邦軍が存在して、なぜザクやガンダムが登場するのかということも、観ているだけで理解できます。
モビルスーツは最初にジオンが完成させ、その物量で連邦を圧倒。そして劣勢に立った連邦のプロジェクト「V作戦」によって完成したのがガンダム。
そのガンダムのパイロットであるアムロ・レイを主人公として、さまざまなキャラクターが登場するという一連の流れの中には、最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』にも登場するエッセンスも多数含まれています。
モビルスーツもそうですが、登場人物も大抵はこの初代版を観ていればおおよその立ち位置も理解できるはず。
そしてオリジナルであるこの作品を観ていることで、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』での正史とは全く異なる展開。大番狂わせに気付き、最大の見どころとして驚く余地が生まれるのです。
「TV版ガンダムは長い!」時間がないあなたには劇場版三部作がおすすめ!
前項ではまずTV版を観ることを推奨しましたが、『機動戦士ガンダム』は全43話で構成されており、今から追うにはなかなか時間が取れないため、尻込みする方もいるかもしれません……。
その場合は、TV版の内容を再構成し、作画も一部新規作成された劇場版三部作の視聴をおすすめします。
これなら43話分を追いかけなくても、基本的な物語の流れはもちろん、時系列や設定に関しての知識を蓄えることは可能です。
一部にはTV版と立場や去就が異なるキャラクターもいますが、この矛盾は『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』が放送されている今となっては、正直些細な違いです。
ただ、やはり総集編の側面の強い三部作ですので、オミットされたエピソードも少なくありません。
より世界観を深く把握したいと思ったときに、初代TV版も試しに視聴してみるのも良いでしょう。
一方で作画はTV版よりかなり綺麗になっており、映像表現も見どころが多く、劇中挿入歌も雰囲気が抜群。これだけでもチェックするに値する作品となっています。
『GQuuuuuuX』の解像度を高めるため、できれば『Zガンダム』まで抑えておこう!
スタジオカラーが初めて制作するガンダム作品『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』は、初代『機動戦士ガンダム』劇中設定の宇宙世紀0079年から数年後の0085年を舞台としていますが、初代ガンダムでは最終回で宇宙世紀0080年に時代が進み、ここで連邦とジオン共和国との間に終戦協定が結ばれます。
そして本放送終了後、再放送をきっかけに徐々に人気を高めたガンダムというコンテンツは、ガンプラの人気沸騰などに後押しされ、続編が制作されました。
シリーズ2作目となるのが1985年放映の『機動戦士Zガンダム』。
こちらは前作最終回から7年が経過した、宇宙世紀0087年の物語になっています。
物語は分裂を起こした地球連邦の派閥同士の内紛からスタートし、やがてジオンの残党勢力が地球圏にも帰還するという三つ巴の構図に。
こちらでも、宇宙世紀という時間軸の中で見逃せない物語が展開されるのですが、本作も『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』と併せて視聴することをおすすめします。
その理由は簡単で、本作の登場人物やモビルスーツもまた、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』に登場しているためです。
『機動戦士ガンダム』では宇宙世紀0080年に連邦優勢で戦争が終結するのですが、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』では物語冒頭の宇宙世紀0079年時点で連邦の開発したガンダムをジオンの士官・赤い彗星のシャアが奪取したことからパワーバランスが一転。
このままジオンが主導権を握る形で終戦を迎えたため、正史とは物語の進み方が異なっています。
前述のように、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』本編は宇宙世紀0085年からの物語になっており、本来の歴史における『機動戦士Zガンダム』開始時点よりさらに2年先からスタートする話になっています。
そのため、『機動戦士Zガンダム』に登場した一部キャラクターやモビルスーツもややデザインや立場を変えて登場しており、これもまた元ネタを知っておくとより楽しめる形になるわけですね。
ガンダムは最低限の設定とキャラの認識さえできればOK。完璧を目指さずマイペースで楽しんで
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』からガンダムに触れた方が、視聴中にぶつかる壁というのは大抵、世界観や独特なワード、あとは人物相関にあると考えます。
そういった部分を気にせず、とりあえず視聴しても十分面白いとは思うのですが、諸々気になる場合には、ここまでにおすすめした初代のTV版。初代劇場三部作。そして『機動戦士Zガンダム』を観てもらうと、大半の疑問は氷解することでしょう。
その上で、あくまで完璧に内容を把握しようと思い過ぎないことも大切です。
ガンダムシリーズは正史と、外伝のような話が混在しています。
TV本編の展開が正しいのか、劇場版の流れが正しいのかという点で昔からファンも認知に苦労してきた歴史があるのです。
『機動戦士Zガンダム』も2005年から初代と同じく一部作画を改めた劇場版三部作が公開されており、こちらも展開から結末に至るまでが、かなりTV本編と異なるものに仕上がっていました。
このシリーズは、起点こそ同じ宇宙世紀0079年ですが、実は媒体によって複数の世界線に繋がるルートが色々と用意されている……と解釈しておくと、混乱せずに済むかもしれません。
ガンダムの世界観は膨大過ぎるので、完璧に物語の隅から隅までを理解しようとするのはなかなか大変。
理解したと思ったら、新作でまた新たな解釈や世界線が発生することもあるため、ある程度の理解にとどめる程度で十分なのです。
スタジオカラーの『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』からガンダムに触れたという方は、ぜひあまり身構え過ぎずに、今回おすすめしたサンライズ制作アニメをスキマ時間を使ってゆっくり視聴してみてください。
それぞれの作品を観てから、もう一度『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』を最初から観返すだけでも「ああ、こういうことか」という発見が色々楽しめるはずですよ!
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