犯罪の嫌疑をかけられ、過剰な拘束によって亡くなられた黒人のジョージフロイドさん。この警察官の行動が全米の黒人達の反感を買い猛烈な勢いをともなった抗議活動へと発展しております。
アップルストアも被害に遭い休業へ。しかし、この様な暴動は今回が初めてではなくアメリカでは幾度となく「黒人の人権侵害、人権に対する暴挙」により暴動が起きています。日本人には馴染みの薄いこの問題ですが、その雰囲気や世界観に今だからこそ触れて欲しいですし見て欲しい映画がります。グリーンブックという2018年の映画です。重いテーマですがコメディタッチで描かれている部分もありますのでまずは気軽に見てもらえたらと。
1962年の南北で人種差別が色濃く残るアメリカが舞台
カーネギーホールに住む裕福な天才ピアニスト"ドクターシャーリー”は黒人差別の強い南部への演奏ツアーを計画する。そこで失職中で黒人差別意識の強いイタリア系アメリカ人の”トニー”が「お金のため」にドライバー兼用心棒として一緒に旅にでる物語。
ネタバレになるのでストーリーは詳しくお話しませんが、
黒人に対する警察官の行動や意識
黒人専用の劣悪なトイレや白人専用のレストランの存在
などなど、単一民族国家の日本人からするとビックリするようなシーンが多くあります。こんなに露骨に差別されるのかと。
黒人の家庭では小さい頃から「警察官には逆らわない」ように教えられると言います。ミネアポリス暴動の発端となった警察官と黒人のやり取りを考えれば1960年代も2020年代も実はあまり変わっていないのかもしれません。
グリーンブックは実話をもとに作られたお話で、テーマは重たいものの映像の色合いも優しいですし音楽も素敵で非常にリラックスして見れる映画です。ラストもすごく好きなシーンですので、ぜひこの機会に見て頂けたら今の米国で起きている事態の源流を垣間見ることが出来るかと思います。
大切なのは人種やお金ではなく生き方なのだ
と教えてくれるいい作品でした。