激戦区、ペンシルベニア州も手中に収めトランプ氏の敗北宣言を待たずに民主党候補のバイデン氏と副大統領候補のハリス氏が勝利宣言を行いました。
トランプ氏は相変わらず強気の姿勢を崩していませんが、彼が主張してる不正の証拠も今のところ決定的なものはなくバイデン氏が次期大統領という空気がアメリカ国内を支配し始めていると良いかと思います。決定的になったのは2020/11/07(日本時間)ですので本日はマーケットが再開する月曜日でした。複数の日本株、アメリカ株を保有している自分としては市場がどのように反応するのか不安げに見守っていました。
29年ぶりの高値を記録
不安定要素が排除されたことが歓迎されたのかとうとう年初来高値どころか29年ぶりの高値を記録。これがただのご祝儀相場なのか今後も上がり続けるのか実は不透明な状況なのです。なぜ、ここまで世界の金融関係者や投資関係者がアメリカ大統領選挙を固唾を飲んで見守っているかというとそれは、世界の覇権を握る
GAFAM(Google、アップル、Facebook、アマゾン、マイクロソフト)がすべて米国内で上場している
からに他なりません。現代の若い人は知らないと思いますが、世界の時価総額ランキングの殆どが日本企業だった黄金期もあったのです。今はご覧の通りアメリカ企業によって世界経済が回されていると言っても過言ではない寡占ぶりでバイデン氏の企業や経済に対する考え方が今後の株価や企業活動に影響を与えそれを織り込んだ株価や為替の変動へとつながっていくそんなイメージで居ていただけたらと思います。
まもなく25000円に到達するかのごとく、ギャップ(窓開け)をつけての大幅上昇。
一方ドル円の為替レートは103円を割り込む勢いの猛烈な円高傾向を見せ始めています。
今年のドル円レートは104円台をつけると上昇し円安方向に引き戻されていたのですが、節目である104円を割り込み103円台となると2016年以来4年ぶりの円高水準となります。当選前バイデン氏の経済対策は
「連邦法人税率を現行の21%から28%へ引き上げること、キャピタルゲイン課税の最高税率を現行の23.8%から39.6%に引き上げることなど、アメリカの企業利益や株式投資にとってネガティブな内容を含む。バイデン大統領誕生ならば、米国株の下落要因になると考えるのは自然だろう。」
と言われていました。しかし蓋を開けて当確が出ても株価はご覧の通りの高水準。コロナウイルスで世界経済が打撃を受けている中で、なぜ株高になるのか理解できない方も多いかと思います。その理由をいくつか考察すると
株式市場と実体経済が全くリンクしなくなってきた
各国の強力な経済刺激策、金融緩和によって株価が下支えされている
コロナウイルスへの被害がピークアウトしてきていると考えらえている
とファンダメンタルズ分析的な個人的な見解はこんな感じかと。自分はファンダメンタルズでトレードはしませんので、あくまで参考程度というか市場に与えるインパクトの大きさだけを判断材料にします。
ここに来て負けを認めず、徹底抗戦のトランプ氏。11月5日の会見の動画はどこか自信を消失していて疲れ切ったオーラのない大統領像が隠しきれない印象でした。
英語の発言自体は相変わらず強気なのですが、空回りというかもはや彼本人以外大統領と認めていない的なホワイトハウスを包む空気を感じたのか感じていないのか分かりませんが、駄々をこねる子供みたいに見えてこうした強気な姿勢で外交や経済を回してきたトランプメソッドの一端の終わりのような寂しさも感じました。以前も書きましたが彼の経済や世界に対する貢献やインパクトは評価される点も多く、バイデン氏がいうほどの罪人でももちろんありません。ですが、ここは敗北宣言をすることでアメリカ社会の分断をストップさせることもできると考えますが今の所その気配は感じられないほどの徹底抗戦を宣言しています。今日のお話はあくまで、マーケットに与える影響ということですのでバイデン氏に当確が出てトランプ氏がごねても概ね好感をもって迎えられていると言って良いと思います。
市場の推移は市場にしか分からないという名言もある通り誰も彼も結果は予想することは有名アナリストですら出来ないのです。Fxも株も魔法の方法論などないのです。ですから、自分が信じる企業の株を長期保有するのもよし、ドル円を円高方向へのエントリーをするのよし、自己責任で時代の転換期に投資してみるのも個人的には悪くないと思っています。
優良トレーダーは祭りに参加しない
という名言もあるので静観するのもまた良いかと思いますがw