(世紀の番狂わせを成し遂げた鈴木千裕選手)
2023/07/30にさいたまスーパーアリーナで行われた超RIZIN2をメンバーのホッピーと現地観戦してきたのでレビューしていきたいと思います。各試合の感想や入退場シーンはホッピーに譲るとして今回試合を通して感じたジャパニーズMMAの問題点や、数多く現地でRIZINを観戦してきた自分が感じた正直なレビューを今回はお届けしたいと思います。
試合直前に欠場の嵐
超RIZIN2のケチのつけ始めが、バンタム級タイトルマッチだった朝倉海vsファンアーチュレッタ戦が朝倉海選手の怪我により直前にキャンセルされた事でした。メインの朝倉未来選手と共に兄弟ダブルタイトルマッチかつダブルチャンピョン誕生も期待されていただけに個人的には非常にがっかりしたキャンセルとなりました。
そこで白羽の矢が立ったのが朝倉海選手に勝利経験もある前バンタム級チャンピョンの扇久保博正選手。現在彼は一階級下のフライ級を主戦場にしていましたが、世界レベルのアーチュレッタ選手との対戦を受諾。マッチ消滅とはならず、扇久保博正選手の男気に運営は助けられた形になりました。
(左アーチュレッタ選手、右扇久保博正選手)
試合の詳報や感想はホッピーに譲りますが、概ね予想通りの展開だったのと扇久保博正選手の準備不足が素人なりにも感じられ世界レベルのタイトル保持者に一週間前にオファーがあり体重も違うのに試合することが総合格闘技としては無理があったように思います。今回は前半ベラトール主催の試合が組まれ、トーナメント一回戦として予定されていたパトリッキーピットブル選手vsAJマッキー選手の試合も目玉だったのに、AJマッキー選手怪我で急遽RIZINのチャンピョンであるホベルトサトシソウザ選手のスクランブル発進とRIZIN運営や榊原社長は自分の団体のチャンピョンを軽く扱うかのように試合に出場させました。
ピットブル兄弟はベラトールのチャンピョンクラスの兄弟で正直この会見の雰囲気からも伝わってきますが、相当舐めた感じで遊びに来ているかのようなリラックスした様子でした。相手が急遽変わって楽になったぜ!と考えていたフシもあります。ここの時点では彼らのリアクションが正しくRIZINとベラトールではMMA選手の層の厚さやレベル感に一枚壁があるようにも感じました。とにかく欠場やキャンセルが直前になってここまで多発した興行を個人的にはあまり知りませんし、高いチケット代を払った自分としては参加する前からかなり残念な気持ちになったことは正直にお伝えしておきます。
堀口恭司選手の試合がノーコンテストに
(左:堀口恭司選手、右:新龍誠選手)
ベラトールパートで予定されていた、ベラトールフライ級タイトルマッチは予定通り開催されたものの試合開始直後20秒足らずで堀口恭司選手のアイポーク(故意ではない目潰し)により試合続行不可能となり、ノーコンテスト(中止)となりました。RIZINで圧倒的な強さを誇りベラトールに移籍した堀口恭司選手の試合も楽しみにしていただけに仕方ないですが、予定されていた試合がキャンセルになったり試合が始まっても試合にならない形になったり超RIZIN2の興行としては個人的には成功とは言えなかったようにも思います。
朝倉未来幻想が大きく崩れる結果に
(左:朝倉海選手、右:朝倉未来選手)
メインイベントである。フェザー級タイトルマッチである朝倉未来vsヴガールケラモフ戦。こちらも戦前の朝倉未来有利という下馬評から大きく乖離した結果になり会場は大きなため息とどよめきと落胆に包まれました。格闘技は勝負事なので応援していた選手が勝てない結果になるのは仕方ないことですが、予想以上に試合になっていなかったので(1R決着)メインイベントとしては拍子抜け感が正直ありました。未来選手が戦前語っていたように相当ケラモフ選手を警戒していたのだとは思いますが、未来選手の良い所も見れず残念なタイトルマッチになりました。
こちらの写真はフライングケージと呼ばれるシステムで、前半戦使用したベラトールのケージをRIZINのリングに置き換える演出です。ケージとリングを併用して行う大会自体が珍しいのでこうした舞台装置自体が派手ですし、見ごたえはありました。
休憩時間には試合には参加していないもののRIZINの人気キックボクサーである、梅野源治選手がファンサービスに応じており素晴らしい活躍だと思いまいした。人間性が出てる優しいファンサービスでした。こうした良かった点も踏まえて個人的に今回の超RIZIN2を総括していきたいと思います。
まとめ
・試合の直前キャンセルが多すぎた超RIZIN2
・スクランブルで組まれたマッチメイクが雑な印象
・タイトルマッチもノーコンテストと拍子抜け
・朝倉未来選手も期待されていただけに残念
・フライングケージは見応え十分
場外乱闘でクレベルコイケ選手がピットブル陣営と試合後揉めた騒動などもあり、何かと呪われた興行とは言いませんが素晴らしい興行だったとは言えない超RIZIN2。個人的には見に行って良かったなと思える試合がかなり少なかったので、今後のRIZIN直接観戦も考えようだなと思う感じになり非常にがっかりした形に。もし、次感染するなら大晦日の大会になるかとは思いましたが、RIZINと世界の差も毎回痛感しますしジャパニーズMMAの正念場なのかもと個人的には感じた大会でした。