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新海誠作品の実写版!? ネットフリックスオリジナル映画”パレードが”本当に良かった

まもなく東日本大震災から13年、さじゃんです。東北沿岸の被災地で当時被災した自分の記録がこの時期沢山の方に読まれていて毎年感謝しかありません。

震災直後はこのテーマに触れるような作品はあまり多くなかったような気がしますが、昨今東日本大震災(今年に入っても能登半島地震)をテーマに据えたような作品が増えたような気がしています。

すずめの戸締まりも震災を真正面から捉えた作品で、日本のみならず韓国でも大ヒットしました。特に韓国に関しては日本と違いあまり地震が多くない国なので”震災”というテーマはファンタジー的でありリアリティがなく捉えられていて、それはそれで新海誠さんの意図と一致している部分もあるのかなと思ったりもしています。

今日ご紹介するのはネットフリックスオリジナル映画”パレード”。

予告編が公開されてから非常に個人的に見たかった映画です。主題歌や音楽を野田洋次郎が担当しキャストもありえないぐらい豪華で「日本映画には到達できないスケール感」の映画で映画館で見たいと思っていたぐらいでネットフリックスオリジナルとは資金力や制作力がすごいなと公開前から勝手に感動していました。キャストを軽く羅列しますが、

長澤まさみ

坂口健太郎

横浜流星

寺島しのぶ

リリー・フランキー

森七菜

字面だけでも全員主演級なのがお分かりいただけるかと思いますwこれだけのキャストを揃えられるのもネットフリックスの資金力の賜であり、人気や忖度ではなく「純粋に演技力でのキャスティング」も感じで素晴らしいなと思いました。今回はネタバレ無しのレビューを書かせていただきますので、ネットフリックスユーザーの方はこの週末に2時間だけください!損させません、本当に素晴らしい映画でした。

生と死のはざまの物語

死後の世界があるとしたら、こんな素敵な世界であって欲しいと思う設定が今回のパレード。亡くなった人が現世への”未練”を断ち切れず「この先」に行けない物語。震災がテーマと言いましたが、キャストそれぞれに亡くなった理由・未練がある理由が異なっており「短編のオムニバス」をミックスしたような作品でそれぞれのストーリーのどれかに皆さんも共感できるポイントがあると思います。

もう、公開から8年になるのかと思うと月日の流れにびっくりしますが以前ご紹介した韓国ドラマ「トッケビ」も今回のパレードのような設定になっています。つまり簡単に言うと「人はなくなるとすぐあの世行きになる訳ではなくワンクッション置いてから旅立つ」という49日法要的発想は国を超えて存在しているのかもと考えたりもします。

亡くなった人がパレードのように行進するシーンがあるのですが人によってちょっと怖いような演出にも見えるかもしれませんが、藤井道人監督の(野田洋次郎氏の音楽のせいで実写版新海誠作品のようにも見えますが)ファンタジーあふれる描写で死にきれない世界をいい意味で”キレイなもの”として描いています。

実際に自分も東日本大震災でファンタジーでは片付けられない、凄惨な光景を見て歩いてボランティアでご遺体に触れた本当の経験をしていますが実際に体験していない藤井道人監督や新海誠監督がここまでリアル感を持って震災当初の映像を再現していることに個人的に毎回驚きます。自分も写真をたくさん残していますが二次元では伝わりきれない空虚感と言うものが実際の現場には沢山ありました。

自分は映画監督ではなく、本業は医療関係者ですし副業でチームブロガーとして表現者として活動していますが”実際に体験していないのに表現できる力”の凄さを今回の藤井道人監督やすずめの戸締まりの新海誠監督を改めて尊敬する結果となりました、当事者として。

先に逝ってしまった故人へ前向きなメッセージ

人の死とは残された方も逝ってしまった方も簡単に受け入れられるものではありません。それが震災や災害のような予期しない出来事で起きてしまった場合、心の準備も何もありません。残された方の悲しみも大変だということは数々の経験値で自分も肌感覚で分かっていたことなのですが”先に逝ってしまった方”の無念さ未練、悲しみもこうして映像化してストーリー化されると「確かにあるよな」と自分でも思ってしまうかもしれないと感じました。

映画をしめる主題歌のなみしぐさも”新海誠ワールド”的作品であるものの、本当に映画に合っていて野田洋次郎氏にこの手の作品を手掛けさせたら日本一なのでは?と思うほど。RADWIMPS名義ではなく、野田洋次郎その名義なのも何か従前の新海誠作品とのコントラストを考えてのことかもしれません。

今年の能登半島地震や13年前の東日本大震災でも沢山の方が被害に遭われ、沢山の方が遺族になってしまいました。それと同時に現状を受け入れられず狭間で苦悩する先に逝ってしまった人たちの「納得と理解」のお話が今回のパレードだと思っています。大切な人亡くした経験がある方もない方もぜひ一度見て頂けたら心に残る作品になると信じています。ぜひ沢山の方に見ていただきたい映画でした。

新聞記者

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  • シム・ウンギョン
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