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静止画で振り返る”井上尚弥vsルイス・ネリ”世紀の一戦!ボクシング4団体についても解説【ボクシング】

その時何が起きたのか?ネリは意外と強かったんじゃないか?という訳で衝撃の結末を迎えた昨日の井上尚弥vsルイス・ネリの4団体王座タイトルマッチ。

そもそもボクシングに詳しくない方のためになんでボクシングって世界王者が4人もいて(一人ですね、普通は)4団体もあるのかをまずご紹介します。

ボクシングの歴史との関係性

井上尚弥が保持しているボクシング4団体は以下になります。

・WBA(World Boxing Association) 

世界ボクシング協会は最も古いボクシング団体で1921年に設立されました。この団体はスーパーチャンピオン、レギュラーチャンピオンなど複数のカテゴリーでタイトルを授与しています。
・WBC(World Boxing Council)

世界ボクシング評議会は1963年に設立されボクシングの安全規則を向上させるために多くのイノベーションを導入してきました。例えばグローブの重量の標準化や、ラウンド数の削減などです。
・IBF(International Boxing Federation) 

国際ボクシング連盟は1983年に設立され特にアメリカ国内で強い影響力を持っていますが、世界的にも認知されています。
・WBO(World Boxing Organization) 

世界ボクシング機構は1988年に設立されプロモーターや地域団体との関係を重視しています。

こちらのグリーンのベルトを見たことがある方も多いかと思います。モハメド・アリが所持していたWBCのベルトになります。過去にチャンピオンだった有名選手も列記しておきます。

WBC
フロイド・メイウェザー・ジュニア:複数の階級でチャンピオンとなり、キャリアを通じて無敗を保った。
マイク・タイソン:若くしてヘビー級チャンピオンになり、そのパワフルなパンチで知られる。
WBA
ムハンマド・アリ:ヘビー級で3度の世界王者となり、そのカリスマと技術でスポーツの顔となった。
エヴァンダー・ホリフィールド:クルーザー級とヘビー級の両方でチャンピオンとなり、そのタフネスと技術で評価される。

IBF
ロイ・ジョーンズ・ジュニア:ミドル級からヘビー級までの複数の階級でチャンピオンになり、そのスピードと技術の高さで知られる。
ウラジミール・クリチコ:長期にわたりヘビー級で支配し、そのジャブと戦略で高い評価を受けた。
WBO
マニー・パッキャオ:8階級で世界王者となるという歴史的記録を持つ。
オスカー・デ・ラ・ホーヤ:6階級でタイトルを獲得し、その華麗なボクシングスタイルで人気を博した。

日本でも人気のフロイド・メイウェザー・ジュニアはWBCのチャンピオンでキャリア無敗で引退しました。最近の試合はすべてエキシビションですから現役選手ではないんですね、メイウェザーは。

話を戻すとこの4団体に『格』が無いのかと言えば、ボクシング界的ヒエラルキーが明確に存在するわけではありませんが、一般的にWBC(World Boxing Council)とWBA(World Boxing Association)が最も伝統と権威があるとされています。これは、これらの団体が最も古くから存在し多くの歴史的な試合が行われてきたからです。IBF(International Boxing Federation)とWBO(World Boxing Organization)はそれに続く形で特に1980年代以降に設立されたため、やや新しい存在ですが現在ではほぼ同等の評価を受けています。

まさかのキャリア初ダウンが1Rに訪れる

過去にも井上尚弥の試合は記事にするほど毎回見てきましたし、Amazonプライムビデオが配信してくれているので個人的には地上波よりも視聴しやすい環境にあり”モンスター”ウォッチャーとしても、とうとう東京ドームまで登りつめたか。。と感慨深かったです。ちなみに東京ドームでボクシングの興行が行われたのは世界的なチャンピオンマイク・タイソンが敗戦を喫した衝撃的な試合から34年ぶりだそうです。話を井上に戻すといつもの入場よりもご覧のように緊張しているというか、気合が入りすぎているように感じました。(東京ドームですから井上尚弥といえど人間ですからねw)

ー1R~2R-

衝撃は1Rに到来。至近距離からのもみ合いからネリの左フックがクリーンヒット。フラッシュタウンとかではく、個人的にはしっかり効かされた感じもして本当に驚きました。

井上尚弥がプロデビュー以来初のダウンが今回の1Rだったようで、東京ドームのどよめきと驚きの静寂が訪れていたのが画面越しにも伝わってきました。

ダウン直後のモンスター(井上尚弥)の表情。正直効いている感じもして本当にこのままネリのペースになるのかとボクシング界最大のアップセットが起きる予感すらありました。

その後もリカバリーの為にクリンチに行く井上尚弥チャンピオン。誰が1Rでこんな窮地に立たされる試合展開を予想したでしょうか。一気に試合を決めに行くネリとリカバリーしたい井上尚弥の行き詰まる攻防が1Rから見れて非常に緊張感のある試合の幕開けとなりました。

2Rになると別人のように冷静になった井上尚弥チャンピオン。距離を取りジャブをしっかり当てて井上尚弥の距離で戦う感じのいつものボクシングに。

左フックがカウンターが入ります!ここでダウンを取り直して試合を振り出しに戻ります。

ー中盤ラウンドー

井上選手は中距離での戦いをコントロールし、ネリ選手が前に出るものの、井上選手の精度の高いパンチで次第に劣勢に追い込んでいきました。

第5ラウンドには、井上選手の連続攻撃でネリ選手は2度目のダウンを喫しました。ジャブの使い方がいつもの井上尚弥に戻って完全に試合とポイントをコントロールしていた印象でした。

2回目のダウンも左フック。左ボディでKOするイメージもあったのでネリのフィジカルが強くボディがあまり効いている印象もなかったので井上尚弥は顔への攻撃を重視した戦いにも感じました。

ー6Rー

完全に試合のペースを握った井上尚弥のラウンドになる6R。序盤何故か、井上尚弥は全く打たずご覧のようにガードを固めてネリに打たせます。

10発とは言わないまでも相当数カウンターも打たずネリに打たせまくる井上尚弥。なんの意図があるのか、もう勝ちを確信したのか試合を盛り上げたいとする井上尚弥のパフォーマンスなのか。彼の試合としては珍しいシーンでもありました。

突如右ストレートを放つ井上尚弥、これもかなり精度の高いパンチでしっかりとネリの顔面を捉えます。

その後はご覧のようにガードを下げて”打ってこい!”と言わんばかりの挑発ポーズ。これも4万人オーバーを収容した東京ドームへの興行へのファンサービスとも感じました。

その後、一気に畳み掛けるモンスター。再び右ストレートをヒットさせ確実にフィニッシュが近づくネリの体力。

フィニッシュブローでロープに飛ばされたネリ、そのまま意識を失うようにロープ外に出てTKOで試合終了となります。

動けないネリと勝ち名乗りを上げる井上尚弥。6年前の山中慎介の遺恨が晴れた瞬間でもありました。

試合後会見もキャンセルして病院に直行したネリ。試合のダメージが相当合ったことが試合のヒット数からも想像はできます。

1Rのダウンはかなり衝撃的でしたが、終わってみればいつもの井上尚弥劇場で本当に素晴らしい試合でした。4団体のすべてのチャンピオンになったボクサーは多くなく、日本人では初めてPFP(パウンド・フォー・パウンド)1位は伊達ではないと感じました。

見逃した方は以下からもう一度試合を振り返っていただけると、初めて井上尚弥の試合を見る方にもすごい試合だったことは伝わると思いますので是非視聴してみてください。