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「100日後に死ぬワニ」と「金足農業」と「オグリキャップ」

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大変な人気と物議を醸した100日後に死ぬワニ。ほんわかした、絵のテイストと優しいストーリーで人気を博し最終的には作者のきくちゆうき氏のfollowerは安倍総理を抜く結果に。100日後に死ぬワニ炎上騒動とは一体なんだんったのか?本能的に噛みくだいてみたいと思うのでお付き合いいただきたい。

ワニ騒動(電通案件)の源流

なぜ、ほのぼの感あふれるきくちゆうき先生のワニがここまで炎上することになったのか。100日後に死ぬ&結末を迎えるストーリーだったが、それを最終回直前に地上波メディアを中心に突然煽りだした印象があった。それは「Twitterを中心に自然にバズっている」かの如くメディアがこぞって取り上げてるかのような印象操作をしていたように思う。特にテレビやワイドショーは。ところが最終回と同時にきくち先生からこのような告知がされる。

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うーん、書籍化、商品化されることは良いのだがタイミングが悪すぎる。可愛い作風と画風だしファンタジーとは言え「死」をテーマに扱っている以上、

 

死をビジネスにしている

 

と捉えられるようなマーケティングはもう少し考えられても良かったように思う。電通が世の中のメディア(正確にはテレビ)を動かしていると広く知られてしまった現代において「ステマ」手法的な戦略は日本の消費者には受け入れられないご時世になってきていると考えるのが妥当であろう。もう一つは「ビジネス展開がえげつない規模」だったことが人々の嫌悪感を加速させてしまった要因と考える。

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これでもまだまだ一部w 若者に人気のFR2とのコラボもネット記事で見かけた。映画、書籍、アパレル、グッズとにかく

 

死んだ瞬間にお金になるワニ

 

状態w ストーリーが完結し感傷に浸る間もない49日の法要も終える前に的な節操のなさがまずは今回の炎上の源流のような気がする。

 

日本人は雑草魂好き

一昨年、秋田県の普通の農業高校である「金足農業高校」が甲子園の決勝に歩を進めたのを覚えているであろうか?f:id:honknow:20200329143437j:plain対する相手は甲子園のスーパー強豪校大阪桐蔭。そもそも甲子園大会とは高校球児が目指す最高峰の場所であり真剣勝負でありどちらが優勝しても素晴らしいし讃えられるべきである。しかし当時

 

金足農業への取材と応援への比重が異常

 

だった記憶がある。金足農業は部員数も50人未満だったような報道があるし対する大阪桐蔭は野球エリートの子たちが何百人単位で入部するスーパー野球部である。つまりこの構図「巨大資本vs中小企業」的な展開が日本人は好きなのである。みな心のどこかで規模の小さい公立高校が大阪桐蔭を倒してしまうのではないかと期待した部分もあったであろうし、それ自体は悪いことではない。しかし、大阪桐蔭子達も同じ高校生で遊びたいのを我慢し青春のすべてを野球に捧げてきた真面目な高校生のはずである。当時の金足偏重報道をどう感じていたのであろうか?想像すると悪者ではないものの敵役扱いされて、いい気持ちにはならなかったのではないかと。優勝した大阪桐蔭よりも金足農業の話題が大会後も続いたのは違和感があった。

 

次にご紹介するのが平成のスターホース芦毛の怪物「オグリキャップ」f:id:honknow:20200329143431j:plain

この馬は地方競馬出身で言わば金足農業のような出自の馬なのである。競馬を知らない方の為にご説明するがJRA(日本中央競馬会)に所属するサラブレッドは一頭ウン千万もするようなエリート集団で、その中でもG1(賞金の高い特別レース)で勝つような馬は一握りである。G1を勝つようなスターホースの金額は子馬の時点で1000万を下回ることは殆どない。そんな中オグリキャップの価格は当時で250~500万程度だったとされる。そんな地方出身の雑草サラブレッドがJRAの中央サラブレッドを次々と撃破したものだから人気になるなというが無理な話である。オグリキャップは引退レースの有馬記念(競馬のオールスター戦)で当時若手だった武豊を背に「もう終わった馬」という下馬評を覆しドラマチックに勝利しその波乱に満ちた競走人生を終えたのである。

 

つまり何が言いたいかと言うと、日本人はこうした巨大資本に弱小企業が立ち向かい工夫とアイデアと努力で打ち勝ってしまうような、

 

アンチ拝金的主義ストーリー

 

が大好物な国民性であるということが言えると思う。ドラマ界でも同じで池井戸潤先生が描く半沢直樹に代表される「強大な力を持った組織vs能力のあるサラリーマン」の構図であったり「下町ロケット」のようなアイデアと情熱で世界を変えるようなストーリーが人気になったりするのである。

 ワニはみんなにとって金足でありオグリだったのでは?

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Twitterに突如現れた「きくちゆうき」さんという才能。無料でマンガを提供し続けそのファンタジーあふれる世界観と「死」を組み合わせ人々をひきつけていく。商業誌ではなく無料で誰もが閲覧することの出来る場所に投稿し続けたことで「雑草側」「中小企業側」だと人々は認識していく。才能があれば純粋な気持ちでストーリーを練ればこのように話題になりバズったりする。

 

SNSさえあれば巨大資本に立ち向かえる

 

とみんなを期待させた。無事完結し「みんなで育てたワニ」はどうなるのだろうと「勝手に」期待してしまった。そう期待させたわけではなく制作側、電通側の想像の向こう側の期待であったのだ。しかし実際は巨大資本と組んでいた(きくちゆうきさんは否定していたが)となれば炎上するのも致し方ないではと思う。例えるなら

 

準優勝した後に明かされる金足農業、実は部員数300人の施設も充実した強豪スポーツ校でした!

有馬記念優勝後にG1ホースのオグリキャップ、実は中央所属で1億円馬でした!

 

と後出し言われるような感覚になってしまったのではないかと思う。人々が勝手に思いを寄せ期待した(庶民側)結果このような形になってしまったのだから、電通やきくちゆうきさんに悪気はないにしろ人々が望む形の最後ではなかったのは間違いないのかもしれない。お金儲けが悪いのか?有料コンテンツがいけないのか?という議論を目にしたが根っこはもっと簡単なことなんだと思う。

 

日本人特有の雑草ストーリー好き

 

を読み間違っただけなのだ。誰も悪くないし何かを陥れようとしたわけでもないのだから。歴史を振り返ってもキャラクターやアイコンのブランディングは電通やサイバーエージェントのような代理店が緻密に練り上げ「水面下」で作り上げムーブメントを起こしてきた。それは時に「ティラミス」であり「たまごっち」であった。昭和時代はひとつのテレビをみんなで囲み「同じコンテンツ」を見て楽しんでいた。昭和、平成時代は「右向け右」「みんな見ているから」という画一的な嗜好が好きな日本人は広告代理店にとって非常にマーケティングしやすい市場だったと言えると思う。

しかしそれはこの令和の時代において人々が「誘導された!」と気がついてしまえば吊るし上げられ「ステマ」だと糾弾される。それがどんなにファンタジーあふれるコンテンツだとしても。

  SNSが普及し人々が様々な情報に簡単にアクセス出来る時代になり、アナ雪2ステマ騒動のときも同じであったが「SNSマーケティングの取り扱い」は年々難しくなってきいるように感じる。個人的には数話しか読んだことがなかった100日後に死ぬワニだったが「死」というテーマを掲げている以上、商品展開等もう少し誰も損しない配慮があっても良かったのかもしれない。

 

きくちゆうき先生の次回作は真正面から商業誌等でお目にかかれたらぜひ見てみたいと思う。 

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