(Rolleiflex 2.8GX,Kodak PORTRA 400)
二回に渡ってお送りしてきた、中判カメラシリーズの最終回となります。前回は伝説の中判写真家ヴィヴィアン・マイヤーをご紹介しました。
最終回は自分が撮りためた写真を見ていきながら、中判カメラ、ブロニーフィルムとはどのような世界なのかお伝えできればと思います。
中判の魅力はスッキリとした高精細な描写
(Rolleiflex 2.8GX,Kodak PORTRA 400)
コンクリートの壁が朽ちた感じと対象的な黄色の扉、曇天の空とキツく光る蛍光灯がこの場所の雰囲気を最大限に反映している写真です。やはり、言われなければデジタルカメラで撮影、またはスマホで撮影と言われても不思議じゃない写真に思います。
(Rolleiflex 2.8GX,Kodak PORTRA 400)
色の濃さやコントラストは強くないので、現代の味の濃い写真に見慣れてしまうと味気ない感じもしなくもないですが構図のセンスが問われたり切り取る瞬間のセンスが問われる難しいカメラとも言えるかもしれません。
(Rolleiflex 2.8GX,Kodak PORTRA 400)
薄味が表現のキーとなる場合もあり、WB(ホワイトバランス)も絶妙な味付けに感じます。クッションの白と壁の白が見事に描き分けれています。
(Rolleiflex 2.8GX,Kodak PORTRA 400)
銀座上空です。ガラス面の光沢とビル群のグレー、ラオックスの赤が良いコントラストになっていて上空の銀座は意外と”色がない”事が表現できたと思っています。
(Rolleiflex 2.8GX,Kodak PORTRA 400)
光量が足りないケースだとこのように黒が潰れてしまうのはISO400の弱みでもありますが黄昏時のコントラストを演出する良いバックになったりもするので中判カメラ描写はコントロール出来ればもっと上手な表現ができるかもと思いました。
(Rolleiflex 2.8GX,Kodak PORTRA 400)
年季を感じさせる蔦の生え方ですが、コンクリートの色がここでも薄く表現され時の流れを感じさせるのにいい表現として一役買っていると思います。
(Rolleiflex 2.8GX,Kodak PORTRA 400)
夜景は得意分野とは言えない中判カメラですが、ピントが合った状態だとここまで鮮明に描写出来たのは現像後正直かなり驚きました。フィルムはデジタルと違い、修正が出来ませんので撮って出しが基本です。それでここまでドラマティックに東京タワーを表現できたことに感動したのを覚えています。
(Rolleiflex 2.8GX,Kodak PORTRA 400)
黄昏時はやはり特異な環境ではありませんが、何かこうデジタルには表現できない空気を切り取る力が中判カメラ、ブロニーフィルムにはあると思っています。
(Rolleiflex 2.8GX,Kodak PORTRA 400)
明るい自然光がやはり中判カメラの真骨頂といいますか、スッキリとした描写が活きる場面だと思っております。多少重いですし1ロール12枚という鬼設定のカメラですが、今後も撮影を続けていけたらと思います。
拙い写真ばかりで申し訳なかったですが、中判カメラ、ブロニーフィルムの魅力が少しでも伝われば幸いです。