みなさんこんにちは、トモGPです。突然ですがみさなんは”横浜”と聞いて何を思い浮かべますか?僕は横浜生まれ横浜育ち、大学から十数年間離れていましたがここ数年は再び住まいを横浜に戻して暮らしています。そんな僕が”横浜”と聞いて思いパッと浮かべること、それは”何も無い”です。
横浜は自治体の成り立ちや文化的資産など歴史的な面からみれば非常に魅力的な街です。観光地としてもみなとみらいや中華街、山手・元町と決して見どころが少ないわけではありませんし、僕自身生まれ育った街なのでもちろん大好きです。しかし大好きなだけに横浜に対して声を大にして言いたいこともあります。それは、
「何も無いくせに”横浜”という名前にあぐらをかいて調子に乗るな!」です。
とにかくイケてない都市作り
いきなり辛口な始まりになってしまいましたが、パッと見何でもありそうでおしゃれな感じがする街横浜、しかし長く暮らしている人間からすると、観光産業を除くと
”不便ではないけどなんかイケてない街”
というのが正直な感想なのではないでしょうか。渋谷方面にも銀座方面にも電車一本でアクセス可能という立地の良さから、結局大切な買い物だったり用事はそっちで済ませてしまうというのが十数年前までの横浜市民のスタイルだった様に思います。
1991年のみなとみらい周辺(横浜市資料室広報課写真資料より)
1980年代後半にみなとみらいの開発が本格的に始まり、ランドマークタワーやヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルを中心に多くの商業施設やタワーマンションが林立し、以前に比べると横浜もかなり充実した街になったように思います。しかしその何と言うか、間も無くみなとみらいにオープンするロープウェイもその一つなのですが、何か新しい施設が完成する度に感じる”的外れな感覚”や”コレジャナイ感”を覚える横浜市民って決して少なくは無いと思います。
スクラップ&ビルドを繰り返す横浜駅
1973年横浜西口(横浜市資料室広報課写真資料より)
市の職員でさえも着工の時期を正確に把握していないと言われているこの恐るべき施設横浜駅、すでに100年以上は工事をし続けていることから”日本のサグラダファミリア”なんて呼ばれることもしばしば。あまりに工事が終わらないことから、自己増殖した横浜駅が日本を飲み込むといったストーリーの小説まで発売されました。
僕が物心がついた時にはすでに工事中だった横浜駅、最近はもっぱら車通勤だったためにあまり気に留めていなかったのですが、どうやら昨年オープンした西口のJR横浜タワーがかなりイケてるとの噂を耳にしたので先日訪れてみました。
横浜駅
横浜駅はざっくり言うとJR中央改札を境に東口と西口に大きく分かれています。昔からとにかくわかりづらいと言われている横浜駅の構内、ひとつ出口を間違えばとんでもないところに吐き出されることもしばしばあります。ケータイのない時代は待ち合わせするのも一苦労だったことを思い出します。
こういうデザインなの?と思うほど常に配管が剥き出しだった天井、まさか生きているうちにこんな綺麗な横浜駅の天井を拝める日が来るとは思いませんでしたw。
まずは東口から。東口の目印といえばそごう横浜店です。
改札横のルミネ横浜を通り過ぎ東口地下街ポルタを抜けると見えてくる入り口の大きな「からくり時計」が目印です。
海側の東口は大きな道路に面していて、高速バス乗り場などはあるものの商業施設はそこまで多くはなく、マンション等の居住区があったりオフィスが立ち並ぶイメージが強いかもしれません。
左手前に見える現在取り壊し中のヨコハマプラザビル。子供の頃このビルの2階にあったアニメイトに通い詰めていたことを思い出します。僕の中での横浜東口のイメージといえばここにあったアニメイトでした。もちろん老朽化などの理由もあると思うのですが、昔あった景色が失われていくのはやはり少し寂しいですね。
一方JRの改札を東口方面とは逆に進むとすぐに辿り着くのが横浜駅のメイン西口です。
西口の目印はやはり何と言っても横浜高島屋です。横浜ベイシェラトンホテル、横浜モアーズや昔は三越デパートもあり、高速道路の高架下付近は飲食店も多く見られるようになり最近は非常に賑わっています。東口に比べるとやはり西口の方が大きく拓けている印象があると思います。
新田間川の方に向かえば旧ハマボウルや横浜ビブレ等があり、最近はちょっとした歓楽街にもなっていたりします。西口のごちゃごちゃした感じは昔から変わりません。そんな横浜駅の西口に完成したのがJR横浜タワーです。
JR横浜タワー
横浜駅西口に完成した複合施設、つまり新しくなった駅ビルです。商業施設である「NEWoMan横浜」「CIAL横浜」、映画館の「T・ジョイ横浜」、そしてワークスペースやオフィスで構成されています。
まずはすっきりした西口の入り口に驚きました。以前のごちゃごちゃした感じがすっかりなくなりスペースが広く設けられ、表から西口に入るとJRの改札に向かって右側にエスカレーター、左にNEWoMan横浜の入り口があります。そして正面2階の窓からは外を走るJRの車両を見ることが出来ます。
現在は地下に入っていく東横線ですが、昔同じ位の高さで走っていた東横線を思い出して非常に懐かしく感じました。さらには右にあるエスカレーター、
その昔旧CIAL横浜があった頃も同じような位置にエスカレーターが存在し、待ち合わせ場所として”シャル下”なんて愛称で親しまれていたものです。高い位置を電車が走る感じや新しいエスカレーター等、意図してかはたまた偶然か昔の横浜駅を思い出させてくれるような作りにびっくりしました。
そして左側にはNEWoMan横浜の入り口があります。
新宿にもあるNEWoManが横浜にも出来たのです!
フロアは横長でメインの通路を挟んで店舗が並ぶ形になっています。入ってみて驚いたのがハイブランドのテナントの多さでした。GUCCIやTiffany & Co.など高島屋やそごう等大型百貨店でも取り扱っているものから、今まで横浜には無かった、
BALENCIAGAや、
SAINT LAURENTまで!まさかこの辺のハイブランドを横浜で見ることが出来る日がくるなんて思ってもいませんでした。さらには、
人気のコスメブランドのAesopや、
フランスのフレグランスメゾン、diptyqueもオープン予定です。
飲食店もとても充実していて、
都内で人気の焼肉屋、焼肉Kintanが横浜初上陸だったり、
横浜の老舗の鰻屋、割烹蒲焼八十八が出店していたりと流行りの店だけではなく、横浜ならではの特色をしっかりと打ち出しているところに非常に好感が持てます。
フリースペースもフロア毎に広く設けられていて、吹き抜けの部分と相まって建物全体が非常に開放感のあるものとなっています。施設全体が決して異物感と言うか借り物感があるわけでは無く、新しいけれどちゃんと横浜駅に馴染んでいる感じがして時間を忘れて中を歩き回ってしまいました。
新しくなった渋谷駅の様に昔の面影が影も形もなくなるのではなく、横浜に昔から暮らしている人にとっても懐かしく思えるような、昔の横浜駅に対するオマージュすら感じるJR横浜タワーのようなものづくりって本当に素晴らしいと思いました。
本気で集客する気があるのかな?住民や利用客に対するリサーチってしっかり行われているのかな?こんな風に思ってしまう施設が多かった横浜。しかし今回訪れたJR横浜タワーは、そんな横浜に対する残念なイメージを払拭させる位素敵な施設でした。別に一流ブランドが取り揃えられていれば良いといっているわけではありません。横浜は人気もあるし大丈夫でしょ?ほっといたって人来るでしよ?と最終的に適当になってしまった様な空気を感じる施設はもううんざりなのだと言いたいのです。昔の良さを残しつつ新しい形を提案し、ようやく完成に向けて新たな一歩を踏み出した横浜駅。今回JR横浜タワーを訪れて、横浜もまだまだ捨てたもんじゃ無いなと正直に感じました。ちなみにまだ横浜駅が完成したわけではありません、とりあえず僕が生きているうちにはなんとか横浜駅を完成させてもらいたいのとw、生まれ変わった横浜駅西口の様な過去と未来を繋ぐ素敵な街づくりにこれからも大いに期待したいと思います。