車を愛するものとして車に故意に傷をつけることは、本当にありえない!さじゃんです。ここ1ヶ月間ずっと世間を騒がせてきたビッグモーター保険筋不正受給問題ですが、だいぶ遅れて昨日会社トップである兼重宏行社長ら経営陣による会見が行われました。
昨日の会見をノーカットで見たいた身として、様々な過去の謝罪会見や芸能人のスキャンダル釈明会見などが頭をよぎりました。個人的には昨日感じた、裏書きやシナリオを読み解きながら旧経営陣側が書いた謝罪ストーリーを解説していけたらと思います。
謝罪シナリオ1:兼重社長他経営トップは不正に関与していない
これは当然行われるだろうと考えられたシナリオでした。”現場が勝手にやったこと”的なトカゲの尻尾斬り様なやり方は企業謝罪の現場において幾度も行われてきた手法ですし上の組織図を見ても分かるようにビッグモーターは上場しておらず、兼重親子が全株式を取得しているビッグアセットっという持株会社が管理しています。つまり、親子が退任したからと言って現経営陣への影響力は弱まって無いと思います。兼重親子の全株式をファンドが買い上げて本当に経営から、影響力から離れるのであれば抜本的な改革も期待できますが、今回の謝罪会見のシナリオライター的には
兼重社長、兼重副社長の退任
という、会社組織や企業に詳しくない方向けの一定のアピール感を演出したいという思いが感じられます。ですが、やはり読み解くと兼重社長親子の影響力は特に弱まった様子がなくある意味で炎上の鎮火を待っているに過ぎないなとも感じました。
謝罪シナリオ2:大戦犯である兼重宏一副社長の不在
元ビッグモーター社員である中野優作さんのYouTubeでも語られていますが、経営陣が交代した2017~2018年頃からこうしたノルマ主義が徹底されていったとのこと。中野優作さんも交代を機にビッグモーターを退社したようで、経営陣が兼重宏一氏の変わった頃から会社が変わったと断言されています。元社員や現社員の数々の証言が飛び出し、外部の調査委員会でも指摘されていましたが副社長への忖度や副社長からの圧迫で会社がどんどん不正を許容し加速させる体制に大きく関与したことは明らかであると考えます。その中で昨日の会見に副社長である兼重宏一氏が姿を見せなかったのは、父親である兼重宏行氏の親子愛なのか息子への世間からのバッシングを防ぐブランディングなのか分かりませんが、質疑応答で集中砲火を防ぐというやり方的には一枚上手だった気がします。
謝罪シナリオ3:悪いの現場の一部社員のみ
これも分かりきっていたことですが、いわゆるトカゲの尻尾斬り戦略です。上層部は関与していない、ノルマを課したことで行われた不正の根本から目をそらすやり方です。ゴルフボールを使った傷付手法など本来はどうでもいいことなのですが(傷をつけること自体ありえない)そこにフォーカスして、社員がどうしてその様な行動に至ったのか、追い込まれたのかを考えさせないようにしているとも取れます。しかし、こうしたやり方で今後予想される展開は
恨みを持つ現社員、元社員からのリーク砲火
が予想されます。当然、本当に苦しめられた人たちからすると昨日のプロパガンダ的会見は到底許容できるものではなく本当に実情を伝えたいと動く方がこれだけ大きな会社だと現れると思うからに他なりません。
まとめ
・不正への上層部関与の否定
・戦犯である副社長の不在
・一部社員へのなすりつけ
この3つが昨日の会見での要旨だったように思います。企業の危機管理のやり方としては、見慣れている人にはボロしか無いようにも見えますし”謝罪し退任”という事実ベースで認知が低い方にはきちんと対応したようにも見える形に厳しい見方ですがなったと思います。個人的には兼重親子との断絶、社名変更、経営陣の抜本的な刷新が無い限りは一度育まれた社風というのは簡単には変えられないと思っています。