中華を統一する唯一王に俺はなる!さじゃんです。今回は原作キングダムの大ファンでもある自分ですが、
映画KINGDOMや原画展であるキングダム展に関してもレビューをし続けてまいりました。
そんな中先日7/28日に封切りが始まった、映画キングダムシリーズの三作目である『KINGDOM 運命の炎』を鑑賞してきましたのでガチ勢としてレビューさせて頂きます。ネタバレは含みませんので安心して読んでいただけたらと思います。
相変わらずの従来の日本映画を超えるスケール感
『キングダム運命の炎』は中国の春秋戦国時代を舞台に七つの国が500年にわたり争い続けた時代を描いています。戦災孤児として育った信(演じる山崎賢人)は亡き親友と瓜二つの秦の国王・嬴政(演じる吉沢亮)と出会います。運命に導かれるように若き王と共に中華統一を目指すことになり、信は「天下の大将軍になる」という夢に向けて突き進んでいきます。これがキングダムの大筋のあらすじと言っても良いかもしれません。この映画はシリーズの3作目で、前半部分では秦王・嬴政が中華統一を決意した理由を回想する過去編、後半部分では隣国・趙との戦争を描くバトル編が展開されます。積年の恨みを抱く隣国・趙の大軍勢が突如、秦への侵攻を開始。
この危機に立ち向かうべく嬴政は伝説の大将軍・王騎(大沢たかお)を総大将に任命します。そして王騎は信に無謀とも思える特殊任務を命じます。それは100人の兵士を率いる飛信隊を指揮し2万の軍勢を率いる敵将を討つというものです。信の決断と行動が秦の軍勢や王騎軍にどのような影響を及ぼしていくのか戦局を変えていくのかが後半部分の見どころだと思います。
圧巻だったのは杏の演技力
本作で注目すべき一人として杏さんが演じる紫夏の存在が挙げられます。紫夏は「誰にでも善意を与える人物」として描かれ幼少期の嬴政の人格形成に大きな影響を及ぼす人物で原作ファンの中でも人気ランキングに度々登場する重要なキャラクターです。心を閉ざした嬴政の心を動かす難しい役どころでしたがその優しさと理解力、そして善意に満ちた言動は(演技は)非常に素晴らしく魅了されました。とりわけ紫夏と嬴政の関係性は物語に重要な役割を果たしています。紫夏の人間性と親切さが嬴政を中華統一の道へと導く原動力となり、彼の決断を後押ししています。彼女の存在は、映画の核心である人間の心情や運命の転換点に深く関わり深い共感と感動をもたらしています。杏さんの演技はそれを見事に体現しています。間違いなく今作KINGDOM運命の炎のMVPは彼女であり、これだけ豪華な主役級の俳優さんが多数キャスティングされている(大沢たかお、佐藤浩市、長澤まさみなどなど)中での存在感は素晴らしいと感じました。
まとめ
・大河ドラマのようなスケール感は健在
・李牧や龐煖のような重要なキャスティングも今回明らかに
・杏の演技が本当に素晴らしい
・続編前提で終わる3もずっと続くであろうシリーズなのかも
映画KINGDOMはシリーズを通して日本映画史上稀にみるスケール感とキャスティングの豪華さが特徴だと感じています。『キングダム運命の炎』はその質とパフォーマンスの両面で過去シリーズとの一貫性を保ち視覚的にも感情的にも観客を引きつける力があります。細部まで丁寧に描かれたストーリーテリングと卓越した役者のパフォーマンスは観客を深く感動させ期待を超える映画体験を提供します。今後のシリーズに対する期待も高まります。
今後は王騎軍にどのような試練が待ち受けるのか、秦軍の最大のライバルとなる趙の李牧の存在などKINGDOM4は更に加速度的にその物語を展開していくと観られ、三作目である運命の炎を見た直後ではありますが4となる次回作が非常に楽しみです。