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医療関係者が思うひろゆき氏が詳しくないテーマでも”論破しているよう”に見えていた件【米山隆一】

論破って何のためにするん?さじゃんです。今ネット界隈を騒がされている”ひろゆきが論破された”件。ことの発端は辞めテレ東の高橋弘樹氏のYou Tube番組リハックで現職の衆議院議員の米山隆一さんとの対談で、ひろゆきさんが完全に後手を踏んでいる珍しい回となりました。

動画は前後編と別れていますが、米山隆一さんが主張する医療制度改革の分野は私とトモGPは医療従事者ですので一般の方よりも保険制度には詳しく興味深く見ていくといわゆる”ひろゆき論法”の瓦解が見て取れたので自分が感じた分析をお届けしたいと思っています。

国民皆保険制度と年金制度を混同したひろゆき氏

まず基本的なおさらいなのですが、我が国日本は”国民皆保険制度”が医療制度のベースになっております。これは

”人生にはさまざまな健康のリスクがあります。でもそんな時、日本では保険証さえあれば、「いつでも」「誰でも」必要な医療サービスを受けることができます。私たちにとっては当たり前のことですが、海外と比べるととても恵まれています。日本で保険証1枚で平等に医療を受けることができるのは、「国民皆保険(かいほけん)」があるからです。安心して暮らしていくためにもこの制度を維持していきましょう”ー日本医師会HPー

つまり、日本国に暮らす方は会社で加入する社会保険だったり自営業の方の国民健康保険だったりと”(未納で無い限り)何かしら医療保険制度に入っているのです。実はアメリカはこの国民皆保険制度がなく全ての医療行為が自由診療(自費診療)になるため、日本のがん保険のような感じで自分で医療保険に加入しています。そのため移民や貧困の方は医療にアクセスするのが難しくなるという問題点も抱えており、日本は実は医療的には非常に恵まれた制度を持っていると考えても良いのです。

実はこの国民皆保険制度を持っている国はあまり多くなくヨーロッパだと、近年ドイツとフランスが採用しているぐらいで基本的にはアメリカ同様自分で入る任意医療保険がベースだったりします。

いわゆる厚生年金的サービスと医療保険制度をひろゆき氏が混同しているシーンが見られて、日本から離れて長いのでフランスの医療制度が日本と近いと思ってしまったのかとも見受けられました。

地域によって保険料率が変わることを知らなかった

これも医療従事者なら当たり前に把握していることなのですが、病院にいると様々な地域から患者さんが訪れます。例えば一時的に帰省する場合だったり、単身赴任の方であれば居住地と保険証の住所が違う場合があります。簡単言うと

〇〇市では子供の医療費が全額無料

〇〇市だと子供の医療費は一律500円

と言った感じで市町村ごとに保険料率が変わるのです。そういった仕組みもあまり把握しない状態で的はずれな議論というか米山隆一さんに対する人格否定とも取れる発言のオンパレードはある意味でひろゆき氏らしくないなと思いました。

過去のスキャンダルを議論に関係ないのに持ち出したり、明らかに論点のすり替えをしているのが見て取れて、相手にマウントを取りたいとか負けたくないと屁理屈をこねているようにしか見えませんでした。建設的な議論というよりは相手のあらを探して面白がっている芸風のひろゆき氏ではありますが、この日はあまりにも知識不足と逆ギレのオンパレードでびっくりしました。つまり、今回露呈されたのは論破していたのではなく相手の主張や人格のあらを探してつついてエンタメに昇華させていたひろゆき氏の芸風の粗さだったような気がします。元からそうじゃんと言われればそうなのかもしれませんが米山隆一さんの的確な反論によって自分のようにクリアにひろゆき氏のマジックに気がついた人も少なくないのではないでしょうか?

米山隆一さんの指摘も的を得ていて、ひろゆき氏の論破芸ありきで進めるは個人的にも健全とは言えない社会問題提起とは言えないと思います。再生回数が回るから過激に振るYouTuberと変わらないくなっていく姿勢は過去の日経テレ東時代のリハックファンとしては微妙だなとも最近感じています。

全部見ると割りと長尺の対談ですが、米山隆一さんの冷静さと焦るひろゆき氏の構図はなかなか他の出演者のときには見られないので是非ご覧になっていただけたらと思います。まとめると、

実際に現場にいる人と外野でガヤガヤ言うのは言葉に重みが違うものだな

と感じました、日々医療現場にいるとひろゆき氏の言う2時間もかけて通院する患者さんがそんなに多いとは思えませんw 以上現場からでした。