恋愛リアリティショーファンの多い我が本能ブログ編集部、これまでも様々なコ番組のレビューをお届けしてまいりましたが、
今回ご紹介する恋愛リアリティショーは従来のものとは打って変わった異色作”あいの里”、いまNetflixで話題沸騰中のこちらの作品がなぜこんなに人気があるのか考察してみたいと思います。
あいの里
1999年にスタートした恋愛バラエティ"あいのり”は、男女数人がラブワゴンと呼ばれるバスに乗って、世界各地を旅しながら、お互いに恋愛をし、最終的にカップルが誕生することを目指します番組。番組の特みどころは恋愛に加えて、参加者たちの成長や友情など視聴者が彼らの旅を通して人間ドラマを楽しめるところが魅力だったりします。
そして2023年にNetflixでスタートした”あいの里”はその”あいのり”の流れを汲んだ新シリーズ、しかしこれまでのあいのりと異なるのは、”参加者は35歳以上限定”ということ。この出演者への年齢縛りがいままでの恋愛リアリティショーには無かったドラマを生み出します。
MC陣は田村淳とベッキーという恋愛リアリティショーではもはやお馴染みの2人。”あいのり”が男女数名がラブワゴンという1台の車に乗り世界を旅して周るのに対し、”あいの里”は男女数名が1件の古民家で共同生活を送りながら人生最後の恋を探していきます。
みどころその1:想像以上に高い年齢層の参加者達
出演条件は35歳以上ということもあり、出演者達の平均年齢は高め。下は35歳から上は60歳とその振り幅はかなり広いものとなっています。通常の恋愛リアリティショーではありえない世代の出演者達だけにそれぞれの過去や出演に至る背景の重みが圧倒的に若者とは異なります。バツがあったりパートナーに先立たれてしまったりとシリアスなテーマから持病といった健康面の話まで、バチェラーなどでは決して耳にしない様な話題が盛り沢山で見ていてある意味新鮮です。いきなり性生活の話題がでてくる会話のスピード感にMCの淳が爆笑してしまう気持ちもわかりますw。
みどころその2:人間関係に特化したシチュエーション
従来の恋愛リアリティショーでは、ロケーション抜群のシチュエーションだったり特別なデートだったりと、我々視聴者も羨む様な現実離れした場面での展開なんかも見どころの1つだったと思います。しかしこの”あいの里”にはそういったものは全くといっていいほど出て来ず、行うことは半自給自足の共同生活とひたすら古民家をリフォームするのみ。ラブビレッジとは言ったものの行動範囲は田舎のちょっとした一軒家の敷地内だけです。ただそれゆえ必然的に人と触れ合う時間が増えるせいか、結果として恋愛だったり人間関係の展開が早いのは見どころの1つだと思います。
みどころその3:その世代ならではの苦悩や葛藤
先程もお伝えしたとおり、出演者の年齢は全員35歳以上で実質的な平均年齢はかなり上。35歳以上とはいえその年齢層は様々なのでその世代によって当然悩み事も変わってきます。特に男女間での結婚や出産といった問題に対する捉え方の違いをここまで掘り下げて取り扱う恋愛リアリティショーはいままで見たことがありません。その世代毎の切実な思いや葛藤は、見ていて時に胸を締め付けられる感覚を覚えるほどです。そして全編を通して感じることは、基本的に男性はどの年になっても子供で未成熟な生き物であるということ、、、。少し大袈裟かもしれませんが、我々人間が社会生活を営む上で勉強になることがこの作品には非常に多くある様に感じます。
みどころその4:思いもよらない結末
「ただ好きだから一緒になりたい」という既存の恋愛リアリティショーと異なり、"人生最後の恋愛"、"人生最後のパートナー"という目的を持つ出演者が多い”あいの里”は結末も大人ならではの一筋縄ではいかないものばかり。明らかに若者とは違う恋愛の障壁は時にドラマチックに物語を展開させ、予想だにしない結末を生むこともあります。いや結論から言うと予想だにしない結末ばかり。出演者達それぞれの一緒になりたい理由であったり身を引く理由も様々で、その多くは年齢に始まり家庭環境だったり経済状況など、結婚後の人生を見据えたものばかりというのが生々しくリアルで非常に興味深く感じました。
誤解を恐れずに言わせていただくと”あいの里”とはいい年をしたおじちゃんやおばちゃんの恋愛リアリティショーです。決してキラキラはしておらず、正直既存の恋愛リアリティショーのつもりで見ていると、いまいち盛り上がりに欠ける様に感じてしまうかもしれません。しかしそのおじちゃんやおばちゃん達が自らをさらけだして人間同士向き合っていく姿は時に滑稽であり時に痛々しくもあったりするのですが、回を重ねるごとにその魅力は増し、全編見終わる頃には全ての出演者達を愛おしく感じてしまうほどです。自分が今現在多くの出演者達と近い年齢であるからこそ色々と感じる部分もあるのかもしれませんが、見ていて気づくと涙してしまってる場面も多かったりします。現在シーズン2真っ只中の”あいの里”は明らかにいままでの恋愛リアリティショーとは一線を画す作品となっていますが、どの世代でも何かしら感じることは必ずあるはずです。笑えて泣けて考えさせられる作品”あいの里”、まだ見ていない方はぜひ1度チェックしてみてはいかがでしょうか。