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【美術展】日本の現代アートの到達点!STARS展に行ってきた(奈良美智編)

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前回前々回とアーティストごとにご紹介してきた、STARS展。今日は圧倒的な作品数とスケールの大きな展示が印象的だった奈良美智のパートをご紹介していきたいと思います。

独特の存在感を放つ少女の目

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奈良美智と言えば、代表的な「目を大きく見開く少女の絵」だと思います。奈良美智は知らなくても少女の絵は目にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

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どの女の子もどこか憤りを感じていたり起こっている表情に見えるものが多く、メッセージ性を強く感じます。

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奈良美智はその作品の多くをロックを聞きながら制作していると言われており、彼が好んで聞いているCDのアートワークも展示されていました。音楽配信サービスが全盛となりCDのジャケットを手に取ることが極端に減った昨今、このように並べるだけでも音楽性=人となりが分かるような気がして「芸術家と言えど人間なんだ、音楽が好きなんだ」と感じることができた感覚になりました。

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現代アート作家はどこか、「作品のイメージ」が強く残り作家本人の人となりが見えにくい事が多いです。もちろん、バスキアのように意図せずに人となりが知られるようになり世間の耳目のさらされてストレスを抱えることになったりもするので一概にどちらが良いとは言えないのですが奈良美智の場合は少しこうした展示を見せてもらうことで新規感が少しだけ湧いたような感覚にもなりました。

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ひと目見て奈良美智だ!と分かるどこか愛らしくファンタジー感もあふれるそんな世界観です。この辺の作品群は優しさをとても感じます。

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水彩画や色鉛筆で書かれたミニマムな作品も多数展示され、上の作品に注目してみると

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額縁の上部に簡素な造花がw 無機質な表情の少年とは裏腹にこの花が持つ意味はあるのかと考えさせられる作品もまた奈良美智の魅力のひとつなのかもしれません。

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いつもの奈良美智テイストの女の子が天使になったVer。富士山のような山を見つめる表情が印象的です。

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彼のアトリエの本棚を見ているかのような作品。沢山の本やこけしや人形が意味深に並べられています。

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可愛くファンタジー感あふれる物で固められているのに、見ているとどこか不安定で暗い雰囲気すら感じる”不気味の谷”とも思える作品。このギリギリ感が奈良美智の真骨頂と言っても良いかと思います。

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あ!この女の子見たことあるーという方多いのではないでしょうか。奈良美智の作品はこのように目を大きく見開きこちらを睨むような少女の絵が代表的なアイコンです。一見ラフに書かれたようにも見えますが、表情や色使いが絶妙でまごうことなき”奈良美智の女の子感”があります。

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可愛らしくもあり背景の青が優しいコントラストで表現された作品。愛らしくも不気味にもみえるギリギリが個人的には素晴らしいと思っています。

大型の”少女の家オブジェに圧倒される

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人の大きさの2倍以上の高さの少女の家。こちらの作品の原作になったものもラフスケッチで展示されていました。

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おそらくこちらの作品を三次元化したモチーフが今回の大型の展示になったのだと思います。実はこの家大人が入れるほどの(入れませんが中を見ることは可能です)の大きさと室内のこだわりがすごいのです。

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外からのぞく雰囲気からも子供部屋を見ているようなファンタジー感が!

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窓辺にはとても可愛い小さな人形が!ここまでの大掛かりな作品なのにディテールでもその世界観を繊細に表現していく感じは流石だと思いました。

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家の裏側には入り口があり室内に入ることは叶いませんが玄関先までなら閲覧することが可能です。写真をみてお気づきかと思いますが作品の立ち入り禁止の白線貼ってあります。こちらの内側には入ってはいけないと立て看板で注意書きがあったので特に意識しなかったのですが、その白線もまさか作品になっているとは気がついたときはビックリしました!

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韓国語や日本語や様々な言語で可愛く書かれていました。こう書かれると流石に入れないですよねw可愛すぎます。

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部屋の中の様子です。奈良美智の頭の中を覗いているような世界。例の女の子がたくさんいますね。動物のフィギュアもたくさん置かれていますし、なんと空き缶などのゴミも産卵しています。この中でも特に可愛かったのがちょこんと座っている赤い帽子の少女。

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物憂げな表情で空を見つめる彼女の横顔がとても印象的で、家の大きさと逆に彼女の小ささがなんとも言えない空虚感を表現しているようで不思議でした。三次元のモデルの”奈良美智の女の子”は平面でみる表情とは違い優しくも感じました。

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こちらの絵も家の真正面に位置し月を見ているかのよう。この空間自体が月も家も全部女の子で構成されており、そのすべての作品の表情が違うということも叙情詩のようので素晴らしい空間だったと思います。

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いかがでしょうか。奈良美智の世界観は唯一無二で一見同じ様な女の子が登場する世界観かと思いきや、多様性に飛んだ作品群だったということがおわかりいただけたでしょうか?

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目を大きく見開く作品はとてもエネルギーに満ちていて直視できないほどの圧倒感すら感じます。本当にそんな事があるのかと言われそうですが実際に作品に目の前で対峙すると不思議と、思念というか思いや情熱がすごく強く感じられる作品に出会うこともあり今回のSTARS展では奈良美智の作品が一番印象的でした。

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彼が少女を通して表現したい”怒り”憤り”とは何なのか。なぜ表現を”小さな女の子”というフィルターを通すのか。そんな疑問が自分の中に残りましたが、彼の作品に込める情熱はすごく感じられまた奈良美智の作品に今後も触れていきたいと思います。

 

3回に渡りご消化してきたSTARS展。次回最終回の予定です、また本能ブログでお待ちしております。

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