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【ライカで旅する】日光東照宮の静寂と絢爛の間で-後編-

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沢山の写真でお送りする、ライカで旅するシリーズ。今回は日光東照宮の後編になります。今回は名物「眠り猫」から始まり家康の眠る「奥社宝塔」をご紹介したいと思います。

眠り猫は小さく御墓所は密やかに

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頭上と書いてくれないと分からないぐらい小さな彫刻眠り猫。実は国宝ですw言われないと見逃してしまいそうになるのですが、その愛らしい表情から生きているかのようとも評される眠り猫。

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望遠レンズを持っていかなかったのが悔やまれますが、トリミングでなんとか見れるレベルに出来ました(小さすぎるのが問題ですがw)こちらの作者の「左甚五郎」という方の作品は”夜な夜な彫刻が動き出し作品には霊が宿る”と言われているのだそう。確かに、写真ではなく実際に見るとすごいんですよねリアリティが。表情と言うか仕草というか愛猫家の方はぜひ見ていただきたいて感想をいただきたいですね。

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眠り猫がいる門をくぐり階段を少し上り振り返るとご覧の通りの自然の中に佇む圧倒的な様式美が見て取れます。対局にある美しさがそこには共存し東照宮という場所全体が家康公が静かに眠るために存在しているのだと改めて気付かされます。

 

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ここから御墓所までは急な階段も沢山で高齢の方やヒールの女性にはやや厳しいかもしれません。

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ご覧の通りの急階段、怪我した人も多そうな感じですが荘厳さを感じる森に佇んでいる御墓所の期待値が高まります。

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徳川家康の墓所 「奥社宝塔」です。まさに

奥にある神社(社)の宝(家康公)の塔

ですねwここの塔の左右がパワースポットなどど言われておりますが、霊感がある自分はこの写真を見ているだけで圧倒的なエネルギーというか存在感を感じます。

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こちらが真後ろからの御墓所。ここでお気づきになった方もおられると思いますが、陽明門を始めとした東照宮のお宮群に比べると御墓所は

圧倒的なまでのミニマリズム

であることに。色も一色で金はおろか朱色すら見当たりません。この静寂と絢爛の間の美しさが日光東照宮の美であり江戸の美だったのかもしれないと感じました。ここに、日本を260年も統治したシステムを作った徳川家康が眠ってるかと思うと日本人としては感動を通り越して、畏怖の念しか覚えません。彼はこの日光の地から今の日本をどのように見ているのでしょうか。

彫刻の色鮮やかさが極楽浄土を象徴しているとも

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帰路につく途中では彫刻の色鮮やかな使い方に目を奪われました。緑色と言っても単に一色ではなく、青系の緑~黄緑まで繊細なグラデーションで描かれており日本人の手仕事と呼ばれるディテールに感動しきりです。

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水面に映る金色が静かに流れる時間を表現してくれています。緑、赤、金、白がふんだんに用いられ当時の江戸文化の美術を垣間見ることが出来ます。

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陽明門の裏側に鎮座している、狛犬も左右一対で存在しておりましたが金色×青、金色×緑と中国の文化を色濃く感じるカラーリングになっております。

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緑の狛犬は口を大きく開き威嚇しているかのようですが青の狛犬は「鎮座している」といった面持ち。左右で意味をもたせているのでしょうが、色合いだけでも十分に目を奪われる狛犬たちです。

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天井画もすごい迫力です、パワースポットではないかもしれませんがエネルギーに満ちた絵だと思います。修繕直後なのかもしれませんが発色が強く一層豪華に見えますね。

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社殿は黒×金がベースのカラーリング。瓦のアクセントに金が使われており、下品になりすぎない上手な組み合わせだと思います。

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歴史を感じる石灯籠と背景の赤のコントラストが素晴らしい。

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様式美を体現しているかのような建築ですね。やはりここでも、ゴールドの使い方がいいアクセントに。日光東照宮全体をデザインしたデザイナー(総合プロデューサー)狩野探幽が陽明門や唐門、神庫などの建造物、すべてに施す彫刻デザインを担当し、その配置を決めたと言われております。素晴らしいセンスだと思います。

再訪したいと思わせる圧倒的な美の数々

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 ライカQの表現力に助けらた部分が大きいのですが、いかがでしたでしょうか?素晴らしい彫刻、建築、空間そのどれもが納得の世界遺産と言えるものでした。家康公は沢山の人が海外からも観光と言う名のお墓参りをしてくれて、さぞ寂しくないでしょうしここまでの来客を想像していたでしょうか。

社殿の絢爛さと御墓所の静寂とそのギャップが日光東照宮の魅力だと個人的には考えております。家康公が統治していた時代にも現代と同様の「治水と疫病」の問題は抱えていたでしょうし、300年近くたった今でも日本国内で同様の問題は繰り返されています。

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日光東照宮が建立された当時よりも、仮に人類の叡智が発展したとするなら新型コロナウイルスであり未曾有の豪雨にも打ち勝たないと江戸時代の人々に申し訳が立ちません。日本人のルーツは間違いなく江戸時代につながっていますし、徳川家康が統治した日本へとつながっています。

 

疫病にも洪水にも打ち勝ってきた日本。今こそみんなで頑張るときなのではないかと、日光東照宮は語りかけているような気がしました。みなさんも外出や観光がもっと自由にできるようになったら是非行ってみてください。行く年齢やステージによって見え方が変わる不思議な世界遺産、日光東照宮からでした。